2017年12月アーカイブ

出稽古大好き

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定期的に赤門前で待ち合わせをするようになりました。

今の季節は銀杏が殊に美しい。幸せなひとときであります。

呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン。出前迅速落書無用、ご指定いただいた場所に時間に、都合を調整して道具を担いで「出稽古」に向かうのが大好きです。一時間半丹精込めてお好みの文字をご指導させていただきます。

ひたすら集中して墨をすり、作品を作る静かで豊かな時間。

この日は 源宗于朝臣(28番) 『古今集』より「山里は冬ぞ寂しさまさりける 人めも草も枯れぬと思えば」を草書の漢字を交えた仮名で書かれた方と、「道」を楷書・行書・草書三体で書かれた方と。お二人の課題は違うのですが、「今書きたいと思う文字を、今書く」というニーズにはきちんとお応えできたと自負しています。もちろん一対一の方が濃密な時間を過ごせますし上達も早いのですが、お一人でもお二人でもプライベートレッスンは同一料金で承りますので、上手にシェアしてご活用くださる方が増えています。この日は、お二方とも、半紙と色紙に仕上げました。

せっかくですから文房四宝はよいものを。漆塗りの硯箱を持参しますし、半紙などの材料も準備してまいりますから、私の荷物は重いんですが、気持ちは天高く軽く。この小さな東京小旅行をいつも私は心から楽しんでいます。この日は赤門を出てから漱石ゆかりの旧居跡や鴎外博物館、根津神社にも足を伸ばしました。この坂を明治の文豪が今の私同様、草履で歩いたかもしれないのだと思いながらの散歩は、タイムスリップ感と風情が相まって「大変よござんした」よ。

作品展

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ちょっと更新をサボってしまっていました。

日々、色々なことがあって楽しくて仕方なくて。

子供がらみの仕事の醍醐味ですね。日々の移ろいは、とりあえずツイッターで細々と。ツイッターは老後も生存確認に使えるよう、毎日必ず一言はつぶやくように習慣づけています。

さて、私は「たいらか」http://www.tairaka.com/という療育系のフリースクールで授業を受け持っています。その施設をそのままお借りして月二回の塾を開いているわけです。一階ガラス壁のスタジオで活動が丸見えということもあり足を止めてくださる方が多く、三田教室はありがたいことに現在キャンセル待ち状態です。今日はこれから「たいらか」そして、天・三田教室の授業があります。

書に親しみ、書が身近になれば、必ずや生き方の中に書が入ってくる。時間をかけても単なる手習いではなく、何か核のようなものをしっかり埋めていきたいと思っていました。今のところ、基礎技術の習得は中途ですし、名前なども抜群に上手に書けるわけではありません。けれども「さぁ今日は何を書こうか」と考えている彼らの表情と出来上がりの作品を見るにつけ、一人一人が自分自身と向き合い、静かな時間を集中して楽しんでいることがよくわかります。清書のときの絶対に失敗できない緊張感なども、見えない形で生活に役立っていると思います」

これは今日のお便りの一説。冒頭の写真はお便りに使った一枚です。

「たいらか」のアートの授業は手前味噌になりますが大変素晴らしく、先月開かれた文化祭には三田教室の生徒たちの作品もコラボレーションしていただけるということで、コースターに好きな漢字を書いて提出していました。喫茶コーナーもありましたから、そこで使っていただければ・・・ぐらいの気持ちでした。それがサポートスタッフであるアーティストの手によってモビールになり、立派な作品として新しい命を吹き込まれている。

結構、感動的でした。

楽しんで書いた好きな文字が、こんな形で別のアートになるという経験は、子供達にとっても新鮮であったようです。文化祭終了後も「たいらか」一階のスタジオに飾ってありますので、お近くの方はちょっとご覧になっていただけるとうれしいです。

漢字ドリルが大嫌いと言っていた子が、最近は書道で次にどの漢字を書こうかと思うと苦痛ではなくなった。と言ってくれました。

小さな発見と、小さな感動が起こしていく、小さな小さな、だけど確実な成長。書には、抗生物質のような即効性はなくても、漢方薬のようなじっくりした有効成分があるように思いました。

さあこれから準備して、今日も授業、がんばりまーす。

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