2019年5月アーカイブ

新緑の季節

前回更新したのが一月でしたから、一体どれぐらい放置していたのか。と反省しつつ、PCの前に座っています。

年明けてからこちら、とんでもなく忙しかったのですがそれはプライベートで。
ようやくいろいろな事が落ち着いてきて、新緑の眩しさがわかるぐらいには復活しています。
積年のボランティア活動もようやく終止符。
いよいよここからまたいろいろな仕掛けが始められる。と、子供の頃に戻ったような清々しさです。
大量にお手本を購入してしまって、どこから手をつけようか迷うのもまた楽しい。
いただいて大切に着たいけれども物理的な大きさが合わないユニフォーメである着物をリメイクしたい。
久しぶりに納戸から出したお箏もしっかり手入れをしておこう。
壊れてしまったキーボードは捨てるのだけれど、同じ機種が一万円で買える驚愕の新事実に震えつつ楽器屋さんの前を通る日々。
肩が上がらなくなってしまってすっかりお休みしている弓道も、少しずつゴム弓からリハビリを始めよう。
年間パスの期限が切れる前に、国立東京博物館にも行っておかなければ。
いずれも子供が泥だんごを作るような、給食のおかずを心待ちにするような、小さな小さな話です。
大きな野心はありません。
でも、小さな日常の中の幸せが殊に愛おしくなっている昨今、私のところに通ってくれる生徒さんと共に「書」を追求することの重みをひしひしと感じています。
記者だった時代、私は早くからワープロを使っていましたが(なので未だに「かな入力」の人)、私はそれでも毎日ペンを持って誰かにお手紙を書くのが日課でした。誰かに宛てていないときには自分の日記を書きました。
字は書かないとすぐに書けなくなることをどこかで恐れていて、それは私の、アスリートだったらキャッチボールやリフティング、基本的なストレッチに該当するようなものでした。
今、書に立ち返ってとても残念なのは、長い時代、しっかりと「書」とは向き合わなかったことです。
万年筆は使い込んだのに。
あの膨大な時間、しっかり筆を使いこなしていたら、今もっと生徒たちに良いものを与えらただろうに。
いいえ、今日が私の人生において一番若い。
今から始めよう。と、常に常に気持ちを新たに挑み続けたいと思っています。
この書道塾は「研究所」です。
私はその場で生徒が書きたいものの手本を書きますが、当然失敗もします。
その失敗を晒すのには勇気が必要ですが、先生ですら一度では完成しないという姿勢を見せるのは悪いことばかりではない気もしています。
半紙の中に人生が宿る。
だから二度書きはしない、ズルはしない。
未完成でも最後まで書ききる。
そしてどうしても気に入らなければ、何度だってやり直せばいい。
そう伝えてきましたし、これからもそれは変わりません。
吉祥寺に小さな書店の小さなブースを借りようと思っています。
計画が実現したら皆さんにもまたおしらせしますね。
私の選んだ書籍には私の手書きのお手紙を添えるつもりでいます。
まだ見ぬ古い友人に宛てる手紙を書くって、どんなに楽しいでしょう。
昔古本に挟まっていた紙片から一片の物語が広がっていくことに感動したことがあったので。
新しいことを面白がる。
昔やってきた積み重ねを活かせるだけ生かせたら、それもまた面白い。
もちろんそれは食べていくにはほど遠い、趣味の一貫。
でも、世界一シンプルなアート「書」を通して子供達が自信をもつ瞬間を作れる、私には幸せな仕事があります。
ありがたいことだと思いながら、今日もまた教室に向かうのです。
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