お誕生日おめでとう

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人生一生糞袋。とは、江戸時代の誰かの言葉で。

食って、糞して、死んでいく。

昨日、旅行先で、19年前に亡くした子どもの誕生日を迎えた。この世に生まれて、1回も食事を取らずに、保育器から出ることなく死んじゃったチビだが、彼らは私に偉大な贈り物「母性」というやつを授けてくれて、そのおかげでこんな頼りない私ごときがたくましい母親になっていくわけで、まあどう転んでも私なんか糞袋、生きるのは時間の長さとか功成り名を遂げたその結果とかじゃないんだよなと、400年の時間とたっぷりの人力、経済力をかけて世界遺産にまで発展した日光で、ぽつんと思った次第。

この世界遺産に関わった、気が遠くなるほどの人数の、そのひとつひとつに人生があったわけだ。

修復作業をしている人たちを見つめながら、歴史の礎を彼らは生業として今を生きているのだなあと思い、そこから当時の職人さんたちの悲喜こもごもにも想いを馳せたりして。

多彩な御守の数々。土産物ひとつとっても、ものすごい知恵と時間とお金がつぎ込まれているんだよね。旅人という刹那と悠久の歴史の対比が、自分の中でワクワク融合して、その新しい感覚がなんだかものすごーく楽しかった。

日光、元気だわ。

そして元気な我が家の小僧と帰り道で合流、回転寿司を23皿、デザート・ケーキをぺろりと召し上がる小僧を見ていて、おかあさんは胸が熱くなる。

わずか15年で、こんなに食べられるようになった小僧、元気だわ。

そして、この元気さこそが最も大事なことだと、今日誕生日の長男次男が天国から時空を越えて、教えてくれている。繰上げ長男の小僧が一人で二人分、いい感じに育っているしね。

小僧は帰宅してすぐトイレに篭ってて、いい感じの糞袋具合でもあり。

誕生日には、毎年お花を墓前に。でも、今日はちょっと生きている人のために時間を使うね。永久に大きくならないけど私には相変わらず大きな存在の天国のお兄ちゃん、お誕生日、おめでとう。