今期のドラマは、なんてったって「天皇の料理番」。
これは前作の堺正章版が好きすぎて、リメイクされると聞いてからずーっと楽しみにしていました。背景から小道具から、役者さんたちの言葉や仕草から、画面から伝わってくる熱量が半端ないドラマだなあと思います。出ている役者さんが全員、「律儀で一本気」という感じがする、骨の太い生真面目なドラマ。
佐藤健といえばいつまでもイメージが以蔵だったんだけど、今はすっかり篤蔵に。どうでもいいけど、私が以前飼っていたうさぎの名前は十蔵でした。
意外な大当たりが「アルジャーノンに花束を」。
前作ユースケサンタマリア版は原作に忠実でした。原作が大好きだったので、全部見たけれども、今回は山Pだし、さして期待はしていませんでした。
ところが野島伸司脚本に触れたことがなかった私は、大胆な設定と繰り出される珠玉の言葉と丁寧な描き込みに、完全に心を持って行かれています。窪田正孝は今一番のお気に入り、そこに最近いいなあと思っていた工藤阿須加が加わって、何より俳優・山下智久から目が離せない。結末は知っていても、小さくはいしだ壱成の髪の毛の行方、大きくはドラマの行方が気になって仕方ないです。
あと、「Dr.倫太郎」を見ています。
精神科という興味ある分野だけに、期待しすぎていたようで。仕方ないけれど専門用語の説明過多に絵空事感が拭えず、内容は退屈でした。しかし、女優陣の演技力に感服していて、止められなくなっています。初回の近藤春菜の熱演、蒼井優の卓抜、余貴美子、内田有紀の絶妙、何より高畑淳子の怪演はサスペンス感まで漂わせてマーベラス! 高畑淳子のトークやインタビューを目にするたび、どことなく他人とは思えない種類の方だなあと尊敬申し上げております。
ホームページまでチェックして、ディープなドラマ漬けの日々です。
ドラマって、バブル世代にはなくてはならない必需品だった気がする。それが教科書で、それがリラックスタイムで、それが話題だった。私がバブルの渦中にいながら今ひとつバブルの空気を醸し出せないのは、当時のテレビを、トレンディードラマを含め全く見ていなかったせいだと思う。
テレビ、もってなかったから。
私は中学、高校、大学時代にほとんどテレビを見てなくて、だからその流れで長いことテレビが必要ではなかったのでした。(当時の彼氏のテレビで「天皇の料理番」を見て感激するわけです、初めてカツレツを食べた篤蔵のように!)、相方と一緒になってからテレビを使って映画を見るようになり、ドラマをまとめて見るようになり、そして今ではお誕生日のプレゼントにテレビを頂くほどにテレビが大好き。お母さんデビューと同時にテレビかぶれが本格化したというか、後グレなので、こじらせててもう一生治らないと思います。
そういえば、我が家では、教育の名の下、食事中にテレビをつけません。
でも本当のところは教育ではなくて、テレビが付いていると私のお箸は止まってしまって、ご飯はぼろぼろこぼしてしまって、気もそぞろで会話が成立しなくなり、親の威厳が保てないからなんですけどね。
今期のドラマ「天皇の料理番」も「アルジャーノンに花束を」も、録画して、小僧と一緒に見ています。彼は牛乳、私はコーヒーかビールを飲みながら。
終わって五分ぐらい、感想を言い合ったりして。
つかの間のお茶の間を楽しんでいる、実はそれこそが一番幸せなドラマなのかもしれません。