「ああああ。今、映っちゃいけないものが!」と小僧が言う。
大変、真夏の夜らしい展開である。
見ていた、といっても、「ながら見」だ。
よっぽど気にいったドラマと海外ドラマ以外は、テレビを見ながら繕い物タイムにあてたり、LINEタイムにしている。
海外ドラマは私のヒヤリング能力では完全に理解できないからで、吹き替えのものはやはり「ながら見」になっている。
数多くを録画して一人で早回しで見たりもしているのだが、時代ものはその時代の風俗を楽しむため、ドキュメンタリーや放送大学やNスペ系はノートを取る必要がなければチラ見補足機能付きのラジオのようなもの、と完全に割り切っている。
制作者側が聞いたら泣きそうな、大変失礼な見方をしているのだった。
「信長のシェフ2」の私だけの見所は、時代劇っぽくない俳優さんの中に歌舞伎役者が入るとなんてしまるのかしら!というところと、シェフのけんが必ず戦国キュイジーヌでご披露する栄養学のプチ知識である。
今日は、裾上げをちくちくしながら見ていた。
小僧が見ているので、早送りにはしない。
「ちょっと、見てよ。おかあさん!」
小僧はきゅるきゅると巻き戻しをして、画面をとめた。
「へ。何。どこ?」
「ほら、画面右側の上の方」
甲斐の虎を熱演している高島政伸のズラが、正中線で盛り上がって、ウルトラマンのアイスラッガー状に盛り上がってしまったことか。それは仕方ない、血管が浮き出るほどに大興奮。ちょっと変な場所だけど、それは血管だったという解釈でどうか。と言ってみたが、
「そうじゃないよ、ほら、ココ」
とすぐさま訂正されてしまったのだった。その画面の先には、マイクが。
音声さああああああん。カメラさああああん。演出さああああああん。
やっちまったな。
同系色だったから、一瞬だったから、全く目立たないけれども。一連の動画にするとマイクがにゅっとのびて画面に入り込み、またすぐに消えている。
石黒研究所のテレノイドみたいな、あるいはもののけ姫のコダマみたいな、人の顔とかが見えてたんじゃなくてよかった。
しかし小僧はいったい、何をみているんだろう。
彼の目の機能とつけどころは、実に面白い。
FC東京の番組をみていて、一瞬映った小学生チアガールたちにクラスメイトをみつけて、のちのちママに確認したところご本人様だったり。
そういえば国体の開会式のビデオを見ていて、一瞬のカットに先輩を発見したこともあった。
実は「ウォーリーを探せ」とか得意でしょう?と聞いたら、あんな人口密度の高いところから同じようなのを探すのはイライラして大嫌いらしく、やっていないそうで。・・・情報量が多すぎてしまうのかもしれない。
しかし、わからない、その頭の使い方が。その目が、何を見ているのかが。
そして、その機能がどんな役に立つのか。
いろいろな人がいて、だから協力し合えて、得意分野を発揮して役に立って、面白い。
経済も法律も、なんとなく揺れに揺れている日本だけれど、歴史を見ていても「変わり目」こそが一番面白い。
だからこそ、小僧のユニークな今は何の役にも立たない特技が、未来には活かせるかもしれない。
天下人は天下を。料理人は料理を。その場所その場所で、全人生を賭けて覚悟を持ってきっちり戦うってのが「信長のシェフ2」のいいところなんだけど、小僧にもいつか彼自身が覚悟を持ってそれに臨み、社会に対して役立てる何かがみつかりますように。
てなことを考えた、一時間のドラマタイムでした。
【追記】
今日で七月、終了だって。明日はもう八月。
待ちに待っていた、八月。
いや、アップしたらもう、0時またがって、しっかり八月。
早いなあ。
1月に計測した体重7Xキロは半年経過して5キロ減。でもデブの5キロって、かなり誤差のうちなのよ〜。
あと半年でさらに5キロ減らせるのか。
諦めたらそこで試合終了。
がんばる〜。