ほらを吹く1

  • 投稿日:
  • by
一般にほらを吹く、といえば、嘘をつくということでございます。が。
相方の実家でほらを吹く、というと、法螺貝を吹くという意味なのでございます。
新年ですので、丁寧な言葉づかいでお話しいたしますとね。

あ、明けましたね。無事、明けました。
おめでとうございます。
これで我が家であけられないのは、瓶詰めのピクルスだけになりました。
わざわざ瓶を開ける秘技を特集するというので「すんエイサー」(NHK Eテレ)を録画して見てさ、「忍者のポーズなら固いふたでもあけられる!」と知り、やりましたよ、片膝ついて手裏剣投げる腕の振りと方向で、瓶のふたをぎゅっとね。五万回ぐらいね。でも、全然開かなくて諦めました。
人間、創意工夫と努力だけではどうしようもないことがある。
あきらめも肝心。ということを、思い知った去年一年でございました。

それでも今年は、小僧もU13からU15のチームにあがりますし、お嬢は弓道で目指すところがある以上、希望をつなぎたいと思います。
親族が病気にかかれば快癒することを祈りますし、姪1には子授け、姪2には縁結び。甥三兄弟には高校中学小学各球児としてのがんばりを願ってしまうのが人の常。
祈れる場所があるなら、八百万に祈ります。
願いを聞いて応えてくださるレベルが、私がアンケートに答える程度だったとしても。です。
今年は、私の大事なお友達の子供に受験生が多く、思い出せる限り思い出してお祈りしておこうと思い、名前を記してまいりました。(中にはどこどこチームのなんとか選手の兄、とか、PTA仲間の□□さんの娘、とか、平安時代みたいな呼称だったりするけど、神様はきっと万能さ)。さらに子供のチームメイト一人一人の活躍を考えると結構な人数ですが、まあ、チームあっての子供なのでね。
クリスマスに教会でたっぷり祈ってきた気もするんで、少し真剣味にかけていますことを御許しいただきつつ。

相方の里には、山頂に祠があって、そこにはいつからかあるのかわからない古くて大きな法螺貝がおいてあり、正月にはその山頂で法螺貝を吹くのがお正月の伝統行事だったそうです。
聞いてはいたし、面白そうだし、何度か連れて行ってとリクエストを出してはいたのですが、相方は決して私を連れて行ってはくれませんでした。
「面倒くさいし、寒いし、危ないし」
という理由でね。

でも、紅白の時には既に泥酔し、あまちゃんの「地元へ帰ろう」に狂喜していた相方の、何がどうスイッチオンされたのか、
「今年の元旦にはほらを吹きにいく」宣言をし、いつになくしつこく全員を誘ったのでございました。
もちろん私に異存はなく、そうであれば子供たちもまだ見ぬ山頂の祠に期待して、家族全員プラス未婚の姪2で、ほらを吹きにまいりますことに。

お社までは基本、階段だけど、途中にちょっとした岩場もあるし、途中で腰掛蹴られた方がいいねと聞いていたので、着物は朝から洗えるやつを着込みました。これで滑落して泥だらけになっても大丈夫。
さらに姉の靴を借りることにして。
草履でも大丈夫だと思うんだけどな、故・内海好江師匠にインタビューしたときに「草履で登山だってできるわよ」と伺ったことがあるのに、とは思ったけれど、そこは忠告通り義理姉から借りてあえて靴を履くし、せいぜい2,5キロ程度の行程だというし、年末からお散歩で鍛えているし、飲み過ぎてもおらず体調はバッチリだし、初めての楽器はたいてい大丈夫な私、法螺貝もきっと吹けると思うわ。さあ、参りましょう。
と、
元日早々のお嬢と小僧の自主練を見守り、一度戻って義理母特製超絶特盛カレーを残さず頂いた後、いざお社へ向かったのでございます。
ところが私がそこでみたものは!!

つづく