ワールドカップ出場

  • 投稿日:
  • by
本田がPKを決めた時、涙があふれた。
日本中の願いを一心に請け負って、決める。その強い心に感動して。

ピッチに立つ11人と、ベンチの11人と。
そこにはスタメンとそうでない者に実力的な差はない。あるのは個性だけだ。
監督が熟考の末、起用した選手は、心から応援したい。
監督が違えば呼ばれなくなってしまう選手も大勢いる。
でも、「日本」を背負って躍動するサムライたちは誰であれ、私にはとても尊い。

代表に呼ばれたけれど選外になった選手も、代表に呼ばれないプロの選手も、今はプロではない選手も、これからプロを目指している選手も、シニアもジュニアも、女子も男子も、そういうたくさんの選手に関わるコーチや監督やスタッフ全員が、サッカーが好きだという一点で連なっている。
そして広い裾野の下から日本代表を応援し、練習を頑張ることで、ごくごく微力ながら日本代表の実力を底上げしている。かもしれない。
ジュニア世代や、ジュニアユース世代がしっかりと育成され、じっくりと練習し研鑽してが上手になっていくということは、それだけ頂点に立つ選手の才能は際立ち、選手をセレクトする際の人材が豊富になるということでもあるからだ。
と、あたかも自分の意見のように語っているけれど、この段落は、トム・バイヤーさんのコラムに学んだ受け売りである。
草の根レベルで、小僧も日本サッカーの強さに貢献しているのかもと思うと、嬉しく誇らしい。

うちのサッカー小僧はまだまだ小さな平凡な一選手で、育成の過程でもがいているが、今日あの試合を見て、本田に成り代わってPKを蹴ることを想像し、莫大なプレッシャーを模擬体験していた。
俺なら、このコースに、こんなボールを蹴るな。
と、昂揚した顔で語っているのを聞いて、私なら逃げたいと思った。
ほどなく、娘がやはり同様に「あんな緊張感の中で私は(的に)中てられるだろうか」と自分の競技に寄せて、考え込んでいた。
弓道は的に当てなければ意味が無いという、大変わかり易い、いわばずっとPKが続くような競技なのだ。彼女はPKだけは必ず見る。

本田の強い心は、サッカー選手だけでなく、他のアスリートたちにも、とんでもない機会を与えたのだと思う。
準備、勇気、決断と、日々の特訓。
本田の涼し気な目元がなぜか突然変貌してしまったことと怪我の状態は心配だけれど、本田がいてくれる限り、当分日本代表は安心していいのだと思った。
「あなたがいればきっとだいじょうぶ、うまくいく」
そんな精神的な支柱になれるって、素晴らしいことだ。
我が家のアスリートたちが「あなたがいるから、きっと勝てる」と思われるような、頼り甲斐のある選手になってくれたら嬉しい。
一つ一つの試合には浮き沈みもあるだろう。結果には、実力はもちろんだが、運も大きく作用していて、毎回勝ち続ける奇跡など、めったに起こらない。
でも、どんな時でも、「君と一緒に競技に出たい」とチームメイトに思われるような、そんな選手になってほしいと思う。

今日の代表戦、日本中のサッカーファンの気持ちをひとつにした世紀のPKだったなあ。
ああ、燃えた。
明日はワケありで早めにお弁当を作らなければならないのだが、ちゃんと起きて頑張ろう!という気持ちになっている。
すごいなあ。これが「元気をもらう」ってやつね。
私の中の元気が変わらないうちに、早く寝なくちゃね。

サッカー日本代表、ワールドカップご出場おめでとうございます。