どうしてこうかなあ

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お嬢なりに抱いていたひとつの夢を叶えたお嬢が、起きてこない。
朝練はもう終わったのか。
たるんじゃったのか。
実は、ここからがスタートのような気がするのだが、いいのか、それで?
まあ、雨だと練習できない弓道場ではあるし、束の間の休息も必要だろうから、そんなに真剣には起こさないのだが、何度起こしてもふにゃーっと返事が帰ってきて、またズブズブ眠ってしまう繰り返しなら、もう遅刻ギリギリのところで声をかけたほうが私としてもイライラしないですむ気がする。
スヌーズ効果は母に期待するなといっておかなくちゃ。
しかし、そんなことでもっと大きな夢は果たせるのか。
武運長久、運を味方にするためにも努力が必要なのではないか。

とか、もう、武士の母の心得みたいなことを思ってしまう。
似合わない。武士の母は、こんなにたるみきった体と心をもってはいないだろう。
私だって眠いんだよ、とか、思わないでござろう。
競技選手を抱えていれば「アスリートママ」も出番は多い。気持ちをひとつにしてマネージメントに精を出すことになる。
わからないなりに、武道を選んだお嬢をわかろうとは思う。
その競技について、詳しくもなった。
でも、全国のいわゆるアスリートママ・・・というよりは、「武道親」たちのブログなどを読むと、ああ鍛錬が足りない、修行がなってない、闘魂が欠落している、親としての自分。
と、猛省させられることになり、お嬢に「どうしてこうなんだろう」という言葉を向ける前に、自身に「どうしてこうなんだろう」と矛先が向いて、しんどくなる。
武道は、厳しい。いい加減な私には、向かない。

先日、サッカーママたちの会があって、ちょっと顔を出してきた。
小さな頃に通っていたスクール内サークルみたいなものだが、今ではそれぞれがみな別々のチームや部活に所属しているので、ちょっとしたジュニアユースの情報交換会になっている。
勉強時間の確保、睡眠時間や栄養の管理、怪我の話、練習内容と試合結果、親の心構え......なんていうとかっちょいいが、反抗期が始まった小僧達への愛情あふれる愚痴と、親がかりだった少年サッカーの時代が終わってしまった寂しさを紛らわす会でもある。
もう親の言うことなんかさっぱりきかない。
常に不機嫌そうな顔をしている。
口数がめっきり減った。
彼女がいるらしい。
勉強をする時間がないのに、ラインはやっている。
気がつくと寝ている。
食べるのに太れない。
簡単にできることを任すと、こんな簡単なことすらできない。
なのに、悪びれない。
「ああ、どうしてこうなのかなあ・・・」
という、多少の個性の差はあっても、みんな同じ方向でため息をついて苦笑いする。
こういうママ友がいるのは、私にとってはお宝で、一人では焦げついてしまいそうになる細かなことが、わりとまあいいか、男子中学生なんてそんなもんだ、うちの小僧だけがダメダメなんじゃない、と、上手に諦められたりする。

結局最後は、
ああもー、それでも可愛くて仕方ない!我が子たちのプレーが大好きなんだよ、私たちは。
という共通する想いでお開きになって、平和。

思い通りにならないなあ。
子どもって。
自分も。
弱いなあ、私は。

天気が悪い、晴れてくれたらいいのに。
でもまあ、ずっと雨が振り続ける訳じゃないからさ。

どうしてこうかなあと、負けちゃってる自分を抱えながら、曇天を見上げている。