2004-4 メニューへ戻る

 2004-4-4
 

ダメな自分をゆるそう。
できないときにはできない。
私が赦してあげなくて一体誰が赦してやれるというのか。
赦す。私が赦す。ダメでもいいの。
そして、ダメな人を責めない優しい人になろう。
人生晴れたり曇ったり。
土砂降りの日もある。でも、やまない雨はない。

大雨の今夜、汁かけ飯をかっ込んで、「町内会の集会」というものに出て来た。走って 5分の集会所には1分遅刻したが、私が最後の入場者であり、会は既に始まっていた。
防犯が優秀だった地域ということで、報道番組に取材された話を三回聞いた。
「そのための」パトロールという責務が、新参者には重くのしかかって来た。
おなじ班には老老介護をしている老人がいて、そういう人と初めて知己になり、大変さを繰り返し繰り返し伺ううち、本当に大変だなあとしみじみ思った。
「全員知った顔」「町内会役員経験者」という前提で話される、半分位内容すらわからない地元の集会というのは初めてで、少し大人になった気がした。ここが地元なんだなあ。知らないうちに持ち回りで突然下っ端役員になっちゃったが、やるからには、町会費、ばりばり集金しなくちゃな。
帰宅した後、「会議というよりは、顔合わせということなんだろうな」と、思った。申し送りですむことも、人の顔を知っているのといないのとではずいぶんとちがう。帰宅したのは45分後だった。要約すると、役員の挨拶と町内会の意義を拝聴し、あとは前任者から詳細を聞け、とのことであった。
じき、いろいろなことがわかってくるのだろう。
町会費から出された、揚げせんべいと上等な栗まんじゅうを、帰ってからゆっくり食べた。
とても、おいしかった。

明日、元気になぁれ。

 
 

 2004-4-5
 

幼稚園に、備品を頂きに行く。
なくしたのね、一式。さがしたけど出てこない。こういう間抜けな親は少ないんだろうな。
既に公園などでお仲間なんだろうなと思われる巨大なサークルを横目で見ながら、「すみましぇーん」と先生を拝んでいる私。
新入園するチビ園児たちは、神妙な面持ちで制帽を頂いているというのに、ジャングルジムに張り付いたままてこでも動かない息子。新種の猿みたいだ。
先が思いやられるが、こんなんでも母親でいられる、こんなんでも幼稚園に入れてくれる、この地域社会の寛大な優しさに感謝したい。

その後は花見だった。
風に煽られて舞い散る花びら、天使の梯子がかかった雲間の日差しがスポットライトみたいになっていて、花がきらきら輝くのを初めて見た。息を飲むほど美しかった。さらに、雲が切れて完璧な夕焼けが始まる。夕陽の照り返す桜の幻想的なことといったら !! 多分に飲み過ぎだったこともあるが、くらくらしたねぇ。
気の合う友達とだらだらしゃべりながら飲むぐらい、楽しいことはない。子どもは放し飼いにして、ずーっと走り続けている彼らを見ながら、あと何年一緒にいられるんだろうと考えていた。
結婚して十年があっという間だったことを思えば、この後の10年もすぐだろう。今年8歳になる娘はもう家族より友達が大事になり始めている。必要とされるのは厄介だし面倒なことだけど、正直、時々逃げ出したくもなるけれども、誰かにとって全面的に必要とされることなんか、長い人生でそうそうあるもんじゃないよなあ。
彼らがまず精神的に自立して、そののち経済的に自立して、やがて家を出て行く。
旅立ちが春なら、私はきっとこの幽玄な桜吹雪を思い出したい。どこまでも続く芝生の広大な平原を転げ回ってはしゃぐ彼女たちをいつまでも焼き付けておきたい。だって子どもの自立こそ「おかあさん」の卒業式、卒業写真は必需品でしょ ?
福助の声が変わってひげが生えても、私の心のライブラリーには、泣き顔と笑顔の子どもたちがある。お姉ちゃんをおいかけて走っていく、そしてパタンとひっくり返って、アイスが落ちたと泣いている福助と、そこにわらわら寄って来てくれる P子のお友達軍団。P子が自分の分のアイスをわけてやっている姿と、また走り出す子どもたちと。思い出したように菓子を食べに来るが、その服も手も泥と芝生の藁くずだらけ、鼻水もその手で拭いて、顔も真っ黒だ。みんなで先を争って遊びの報告をして、そしてまた、元気に駆けていく。
そこに桜吹雪だもの。
こういう映像がおかあさんの最大のご褒美にして、最高の宝物なのよー、うっふっふっ。

 
 

 2004-4-7
 

大人っていいなあ。
大人買い、をしてしまった。やっほー !!
スーパーボール、110個パッケージ。くじ引き付き。もう、くじ、引き放題でーす。
これを一回100円で引かせたら、ぼろ儲けだな。……私には、できないぞ、そんな真似。でも、子供会とかでゲームとしてくじ引きは、いいかもしれないなあ。ああ、またひとつ世界が広がった。

ところでそんなものをどうやって使うかと言うと、娘の景品にしたのです。
小学生にはよりよい睡眠。9時に就寝準備ができたとき、その伝説の「九時のくじや」がやってくる……ぱぴんぱぴん。というあおり文句は絶大で、これまでずーっと渋っていた歯磨きもお風呂上がりの身支度も、娘はてきぱきてきぱき、こなすじゃありませんか。
ぱぴんぱぴん、くじのくじ屋だぱぴんぱぴん、の音楽 (テキトー )とともに、くじ引きの箱が開く。目が輝く娘。慎重にくじを引く娘。「やったー!!」と喜ぶ娘。
結局、うまくすればその110個は独り占めな訳です。でも、何があたるかわからない、しかも変確くじ付き、というのがわくわく感をどーにも、刺激する。
毎朝、やるべき課題はホワイトボードに書かれていて、できるごとに磁石を置いていくシステムだったのですが、これが生きていませんでした。そこで、一週間全部磁石が done (やったよ )に置けたら、九時のくじ屋の大ボーナス !!と言ってみましたところ、娘は今朝も、てきぱきてきぱき。しかも自ら「チェックするのはおかあさんが」と、ゲームを面白くするためにフェアな申し出まであり。今までやりもしないベッドメイクを「やったってば」とふて腐れて言い張っていた 女帝様は、どこにお隠れになったのでしょうか。
というわけで、九時のくじや、本日は紫色の中くらいのラメ入りを持っていかれました。
昨日の単色小っちゃいのと違っているので、P子、大興奮。これがでっかいやつがあたった暁にはどうなるのかなあ。ちょっと作為を加えた方がよかったか…… ?
全国のおかぁさぁぁぁん、言うこと聞かない子どもには、ナマハゲではなく香具師になりましょう。駄菓子屋のオモチャみたいなのを買ってだまくらかすと効果満点です。問屋街がお勧めです。
って、ギャンブラーを養成するようなもんで、良識ある母親のやることではないかなあ。
唯一困った点は、私がくじ、引いてみたくて引いてみたくて、しょうがないところだ。アル中が酒屋に勤めたというか、超ロリコンが小学校教諭になったというか、そんなような気分ですね。つらいです。

 
 

 2004-4-11
 

笑いが止まりませんでした。
夫の実家であんなに笑ったのは生まれて初めてです。

時計が 9時を打ったので、さてそろそろ起きなければなりません。
習慣とは恐ろしいもので、とんでもない量のお酒を飲んだのに6時の時計の音で目を覚ましました。
が、頭も体も、眠っていろ!と強制終了をかけてきます。嫌な夢を見た気がしたのですが、私はまだ完全に酩酊状態が続いていて、ああまいったな夢なんだ、福助うんちしたみたいだ、おむつをとりかえなきゃと思いながらまた夢の世界に落ちていきました。
8時に廊下で娘が「おかあさん」と小さく呼び、私はまた目を覚ましました。なぜ娘は私の隣に眠っていないのか、今、娘用の布団に夫が寝ているのはなぜなのか、いや、そもそも娘は昨日ご飯を食べたのかさえ、記憶にありませんでした。夫の実家に遊びにいって、五合の日本酒でつぶれている嫁というのも、なかなか問題です。お家全体がぐらぐら揺れるその中で、コンタクトの入っていない目玉では、遠くにたたずむ娘はよく見えません。でも、多分座敷童ではないとは思ったので、軽く手を挙げて「おはよ、もちょっと寝るね」と断りました。このとき、突然激しい頭痛がして戻しそうになりましたが、「怖くない、怖くない。何でもない、何でもない、おむつはあとで」と言い聞かせて、また眠りについてしまいました。
そして、九時の鐘が鳴り、さすがに重たい体を起こし、立ち上がるとなんか部屋中異臭が。そして、すごい違和感が。隣で眠る夫のそばの畳に何か落ちている。なぜかタンスが一段開いていて、タオルのような物が上にかぶせてあるけど、あきらかにそれは異様な液体でした。
吐いた ?  眼鏡がないので近寄らないと何だかわかりません。でも、吐瀉物だとしたら十二指腸潰瘍とかだぞこの人、と思いながらずりずり近寄ってみると、
うんこだぁぁぁぁ。
くっさぁぁぁぁぁい、ぞぉぉぉぉぉぉ。
夢じゃなかったんだ、まるで犯罪現場の血しぶきのように、うんこしぶきが大量にべったり。異臭の犯人は福助じゃなく、夫でした。そして夫の最初に眠っていた布団から始まって畳へ、さらに夫が今移動して眠る布団まで点在する足跡と黒い液体。動きが足跡によって、ありありと。眠る布団の足下に、まさしく「その現場」はありました。トイレは廊下の奥なのに、どういう勘違いなのか。夢だ、これは、悪い夢だ。……夢だけど、夢じゃない。夢だけど、夢じゃなーい。
だって、臭いんだもん。
頭ががんがんします。ええーっと、見なかったことにしよう。ととっさに思いました。でももう臭さで眠れるものじゃありません。どうしよう、どうしよう。
「ちょっと、ねえ、ダーリン、ちょっと」
「んあー ?」
「うんこ、もらしてる」
「なに ? 誰がうんこだって ?」
「部屋中、うんこまみれなんだよ、ちょっと起きて」
毛布をめくると、夫はパンツをはいていないのでした。そして、かけ布団で隠れていたうんこはさらに広範囲でした。脱いだパンツの上にした、らしい。それで、どこから出したんだか浴用の垢擦りタオルで拭いた、らしい。そのまま今まで寝ていた場所に帰らずに一番近い布団に入った、らしい。
裸の、汚い夫の尻を見たとたん、そして、ざっと見回すと私がかけていた毛布以外、布団、たたみ、客間の布団周りにはほぼ全域、うんこしぶきがついている惨状にあって、私は大声で笑っていました。
「あんたのパンツ、持ってくるから。起きなっ」
なんだろう、あれは。情けない、信じられない、あんまりにもね、想像を絶することが身の回りにおきると、人は一瞬、気がふれて笑うんです。こうね、腹の底から笑いがわいてくるの。やだー、やだーって思いながらね、笑ってる。初めてでした、そういのって。
「おかーさん、大変だよぉー。みぃが、みぃがー」
ひいひい笑いながら、私は台所に走りました。
「うんこもらしちゃったぁー。ぞうきんとバケツに水がいるよー」
走ってくる義姉と義母。客間に立ち尽くしている夫、今年41歳。うんこ布団の上でダンゴムシのように寝ている福助 3歳、未だおむつとれず。
全員一瞬、黙った後、大笑い。
「なんだ、おめぇ、 20年早いよ」
と義母は笑いながら、バケツにハイターを溶かした湯を、義姉はトイレットペーパーとゴミ袋を、持って来ました。私はシーツをはぎながら、畳についた足跡を見ていました。ここで、かかとをなすり付けている、ということは、この横に落ちている義兄のワイシャツは……案の定、ちょっとだけお尻を拭いた後が残っていました。
娘用の来客布団は、さらにおねしょも認められたため、どう見ても再起不能、そのまま焼却処分に。山間の煙は、都会人にはなかなか旅愁を誘う情緒があるものですが、何のことはない糞布団を燃やす煙が青い空に立ちのぼっていくわけで。
夫の尻はまだ汚れていたため、わくのを待って、風呂に。出てくるまでの間、義姉と私で、畳にしみ込んだパーツを担当し、あらかたきれいになったところで、やっぱり顔を見合わせて笑ってしまいました。義姉としたら自分の家の客間だから、被害甚大なんだけどね。次からこの客間は「うんこ部屋」と呼ばれることになりました。ああ、実家でよかった。これが旅館とかだったら畳替えだろうし……。私の実家だったら、多分誰も笑わないと思うし。
こびりついたうんこは、まず、お湯で溶かしてから。
痴呆も扱うホスピスの取材で教えられた知識が役に立ってしまい、私は彼らの気持ちにまた一歩、寄り添いました。現在、「いたこ」となって施設長さんの長いインタビューをやっているけれど、こういうディテールはやはり経験しなければわからない。これもまたいい経験か、と。
少なくとも、おむつがとれない福助を憂うのは、やめました。おむつにしているうちは、たいしたことじゃないんです。
一段落してから、一家揃って松崎に花見に行きました。この季節の伊豆は、最高です。
走り回る姪たちと娘、息子。色とりどりの山と、散り行く桜は一面川面に浮かんで、ゆっくりと流れていきます。菜の花と、名も知らぬ草花と。うぐいすなんかも鳴いて。
福助はずーっと川に石を投げ続け、義母がそれを見守っていました。ねだればすぐにおんぶしてもらえて、甘いおいしい物は出て来て、福助はおばあちゃんにべったりです。
道を挟んで一面花畑、レンゲの紫とポピーのオレンジが美しく地面を彩っています。天国って、きっとこんなところだ。
帰る前、義母と夜食用のおにぎりを握りながら雑談していたら、突然、真顔になった義母は、私にぽつんといいました。
「すまねぇな、あれが、おめぇには迷惑かけるけど」
義父のことでもただでさえ大変なのに、義母の心労はいかばかりかと。いくつになっても母親っていうのは大変です。夫と義父はよく似ている顔なので、義父のおむつ姿と重なったのかもしれません。
「大丈夫、あんなに笑ったこと、ないぐらい、笑ったもん」
うんこまみれの惨劇なんて、普通そうそう見られるもんじゃないし。思い切り途方に暮れた夫の顔、というのも、なかなかキュートだったし。と、思い出して笑い飛ばし、そのあとも夜のドライブでぶっ飛ばして、病院をちょっこっと見舞い、ものすごーく早く自宅に着きました。楽しいけど大変だった里帰りだったなあ。そして今度は夢も見ず、途中で起きることもなく、爆睡しました。

朝、起きてイースター礼拝に行ってきました。
明日から福助は幼稚園です。心労は覚悟の上で、でもね、なんとなく笑って過ごせそうな気がします。
運もついた、ってことで。

 
 

 2004-4-15
 

いろんなものが壊れていく。
食器洗浄機が壊れた。
原因は異物混入だった。呪いかと思う。
私の腰が壊れた。
腰椎三カ所、関節炎らしく、ひたすら冷やせ重傷化しかねないと、接骨院で言われる。熱だって計る前は元気なのに、ひとたび 37度を超えると「死ぬかも」と思う私である。だから病院には行かないのだ、そして子どもを二度ばかり肺炎に追い込んだという「手遅れ体質」なのだ、それが脅かされちゃったんだから怖くてならない。壊れているのは腰よりも、考え方かもしれない。
小僧はもともと壊れている。
幼稚園に通い始めて四日目、私の方が疲労困憊だ。いろいろあるけど、書くと愚痴になるからやめる。 悲しいことを日記に書いていると、読み返せなくなる。私は十年日記の一年目に衝撃の事件があり、詳細を書きとめておいたために、二年目に読み返すだに苦しくて、日記をやめた経験がある。日記帳、高かったのにさ。だから、基本的に、日記には楽しいことだけを書くのが吉。
まあね、見方によっては、こうやって、障害児の母親は強くなっていくのだと思う。今、小結ぐらい。さらに上を目指してがんばろう。どすこいっ。
娘の壊れ方はちょっと驚く。何をするにも、ものすごいスピードアップ、フル回転。九時のくじ屋が大当たりだぱぴんぱぴん。ちっくしょー、こんな簡単なことでうまくいくなら、今まで怒鳴ってきた徒労は何だったのか。いや、過去は振り返るまい。いい壊れ方なので、よしとする。
夫は先日壊れたから、もうこれ以上壊れることもないだろう。
義父、肺炎再び。彼もこれ以上壊れることはないのだが、つらくないといいなあ。

 
 

 2004-4-15
 

<追伸 >
今お迎えにいって園から帰って来たんだけど。
どうしてもクレヨンを持って帰ると言ってきかなかったらしい。先生に「今日は他のことはかなりできたので、持たせました。明日持って来てね」といわれ、寛大さに涙が出る。根気づよい、忍耐強い、そして優しい。もっとも神聖な職業のひとつだよなあ、保育者って。幸あれ !!
それはそうと、「そんなにおえかき、楽しかったの ? 何、描いたの ? 電車 ? 氷 ?」と福助に聞いてみた。以前ノート一冊、立体の氷の絵を描き続けた福助なのだ。
「ううん、ちやうよー」
「じゃあ、チョコレートかなあ」
すると、福助、うれしそうに、「ろ」 (大きくお願い )といった。
「はい ?」
「ろ」
確かに、ひらがなはなんとなく書ける文字があった。カタカナでチョコレート、と書いたりもする。数字なら109まで数えて書ける。そして、今日彼の心をつかんで話さない、「ろ」。
不可解だ。三歳児は、幼児は、男児は、自閉症児は……いや、福助が、不可解だ。
「おかーしゃん、タッチ」
と、帰り道、電信柱にタッチする。
「お、でんしんばしらにタッチだね」
「でんぱんらしら、タッチ」
「でんちんばらし」「でんちんがしだ」何度いっても、電信柱にはならないが、道全部の電信柱にタッチでご挨拶だ。
「じゃあおかあさんはお花にタッチしちゃおーっと」
「だめー。お花さわったらかわいそでしょー」
と、はっきりと叱られてしまった。タンポポの綿毛を飛ばすために引き抜いたら「きゃー、痛いよー、だめよー、痛い痛いとんでけーっ」と茎をさすっていた。すばらしい。すばらしいよ、君は。わずか四日間で、何という成長だ。教室に入れなくても、教室を脱走しても、お歌が歌えなくても 、お友達と折り合えなくても、(その他、山盛り愚痴部分省略 )いつの日かきっと笑い話だ。
さーて、ご飯を食べたら、一緒に保護者会に行くか。あの園児用ちびっ子椅子に、この巨尻が座るのは、何かがとても間違っているけどなあ。
お、銀シャリ、炊けた。大好物の、納豆ご飯にしようね。

 
 

 2004-4-16
 

腰痛、とうとう背中まで侵略してきやがり、困ったことにパンツや靴下をはくのがつらい。
うわー、そうなのか。世の中の老人って、パンツひとつでこんなに大変だったのか。赤ちゃんの着るロンパースみたいな、お股部分だけぱかぱかあくパンツがあればいいのに。上からかぶっても着られるの。介護用ではありそうだなあ、もう。……つまり、それは要介護状態ってこと ?

股、といえば、すでに尻に火。
私はこういう事態の「あーどうしよう、時間がないわ」がとっても好きな、マゾ体質だったのだと懐かしく思い出すが、いかんせん体力がついていかない。若い頃よりずーっときつい。
先日血圧を測ったら 88-56だった。
「低血圧すぎる、これは多分、霊長類の血圧ではない。私はどこか悪いに違いない」とネットで検索しまくる。が、低血圧自体には問題がなく、「案外長生きするもの」とみつけて、ほっとしたもののなんとなく「ちぇっ」という気分でもあった。
しかし、その血圧をみてから、朝四時に起きて仕事をするという計画は頓挫した。早起きできない体にむち打っていいことはない。私は馬車馬じゃないし、私はロバじゃない。と、甘やかした。甘やかしに甘やかした結果が、この尻である。でかさではない、火のつき具合。

福助は幼稚園が気に入っている様子だが、初めての社会は軋轢だらけだ。
しかし、案外三歳児って言うのはまだ秩序を知らない小猿の群れで、福助はその中で限界ぎりぎりまでよく躾けられた賢い犬のようだと思う。容易く追い越していくだろう小猿のお友達と、まだ、区別はつかない。むしろ、危害を加えないように徹底的に躾けられている福助は、不自然な抵抗の仕方をして、大人だ。でも、ぶたれたらぶちかえせばいいんだ、言葉で嫌なことを言われていいかえせなくて手が出るのだって、みんなやってる。その中から学んでいくことがきっとあるのに。私は、ご迷惑をかけまいとしすぎて、福助に無理をかけたんじゃないかなあ。と、自分を反省する。
実際、根気づよく私は家庭内療育を施したと思う。自閉症に関してだけ言えば、我が家のライブラリーは、烏山図書館以上だ。大学に行き直そうと願書も取り寄せた。でも、このままでは、あまりに入れ込みすぎて怖いと思った。それが仕事に復帰した理由のひとつでもある。
自分に対して厳しい者は、他者に対しても厳しい。
私は障害者だから許されるという非礼を、きっとどこかで咎めていた、嫌な女だったんだと思う。どんな生き方も、自分に返ってくるんだなあ。痛いなあ。もうちょっと、ゆるゆるにしよう。やらなきゃならないことがありすぎて、それをクリアできない人は出来損ないで、生きる価値をできることの数できめるのは、間違いだ。障害だろうと、健常だろうと、できることを活かして、できないことを赦し合って、余裕もって、お互い様ねって笑い合える方が、ずーっといい。
(私のできないことだらけも、落ち込まずにすむし) 。
障害の早期発見はいいけれど、一番大事なのは親のケアだと知る。「がんばらないで」とお題目のように唱えるしか能のない福祉は論外で、親だもの、誰だってがんばる。けれど、そこで問われるのは、今までの生き方とこれからの方向性なんだってこと。障害を認めたがらない親なら、障害者に対する自分の目の曇りを省みるチャンスだと教えてやれ。いいじゃん、どうせ自分の子どもはどんなんだって、かわいいんだから。受け入れた親には、子どもに何を望むのか、その目標設定は可能か、そのためにどんな方法があるかを話し合う機関が必要だ。 (そういうの、ないのよ。だから私、素人なのに飴と鞭でがんばっちゃったのね)。つまり、がんばり方の提示だよね。そういうことを告知のときにいっしょに言わなくちゃ、目指すところを間違える。受け皿がないのに何のための早期発見なんだ、レッテル貼りして終わりなら、ないほうがいい。
三歳児なんて、なんか、お互い様なんじゃないの。と、障害早期発見の弊害を初めて身を以て知る。鉄拳も辞さない躾けなんか、誰もやってないよ。子どもたちはみんなゆるゆるなママを持ち、かなり羽目を外して楽しそうだよ。そうだよ、こんな時期にしか羽目を外せないじゃないか。福助には厳しくしすぎたね、ごめんね。と、母ちゃんは幼稚園の砂場を見ながら、心を痛める。
せめて、がんばっている君をみて、きっと神様は悪いようにはしないと信じたい。
そして、がんばっていた私をみて、「しょーがないなー」と、赦してくれるとありがたい。
でも、締め切りは待ってくれない。のに、何、熱く語ってんだろう、私。
ああいけない、尻の火が、熱い。

 
 

 2004-4-18
 

厚生労働使用許可・健康機能食品 (特定保健用食品)というのがある。
微妙に違う「特別健康補助食品」なんて書かれたパチモンも見つけてしまって笑ったけど、擬態食品がでてくるほど、売れ筋になっているってことなんだなと思う。かなり厳しい臨床データをもって認可されるものなので、特保の食品自体はとても信頼できる。
実際に、コンビニで買える花王のお茶は、高いけどいい感じでちゃんと体重は減るしあ、さすが特保、ダイエットにも貢献してくれたと思う。
ヘルシア習慣をやめちゃってからしばらくして、何だか突然ぼこっと太り、腰痛も太り過ぎが要因ではと思い始め、春先でもあるし、ダイエットを考え始めた。年も年だから、生活習慣病も怖いし、また、特保の食品でも買うかなと思っていたら、近所のディスカウント店で、某社の特保 (本物 )のお茶発見。超特価、大安売りである。お茶なら何だって飲めるだろうし、とりあえず1ダース、買う。お仕事のときに飲むのにも便利だしね。
ところがそれがさー、「まっずぅーい」のぉなんのってぇぇぇぇー……。
吐きそうになりながら飲んでいる。インチキな薬草か、近所の雑草を煎じたみたいな味。これでデータがとれたのかなあ。この企業の社員は、みんな本当にこの味を許したのかなあ。何人が「うまい」と思ったのかなあ。なんで、これでGOを出したんだろう。いや、まれにマズいジュースとかすぐ消えるのがあるけどさ、それはごく一部、味覚音痴な上司のうっかりミスで世に出ちゃったもんだと思うのよ。そんなにたくさんのお毒味はないでしょ。けど、このまず茶は、特保なんだよ。ちゃんとデータとりに貢献するために、とんでもない数の人間が一定量、飲んで、多分血も取られて、飲み続けたはずなんだよ。やっぱり、「まっずぅー」とか思いながら飲んだんだろうか。良薬口に苦し、なんていいながら。誰か言ってやらなくちゃいけなかったんだと思う。王様は裸だっていうか、このお茶はマズくて飲めたもんじゃなくて、返品されるかバッタ屋で激安に売られる末路だろうから、市場に出すのはやめた方がいいって。
それとも、この会社の社員はそろって、すっごい味覚音痴なのか。もう、ここの会社の他の商品、怖くて買えないなあ。

スターバックスのカフェインが、普通のコーヒーより多かったって。私はスタバの「甘ーいの」が好きで、「カフェイン濃いめのお砂糖たっぷり」それはコーヒー豆農場のディープかつハードな労働者階級が休憩時間に飲んだところの飲み物と同じで、中毒性が高いぞーと、夫が言っていた。うーん、そういわれれば、そうだった。スタバは素通りできないところがあったわ。たいていとても疲れているときに条件反射みたいにスタバに入っていたな。薬物に弱い、私。

で、このマズいお茶はどーよ。薬効、高そうではあるけれど。このマズさがだんだんくせになるのかしら。まだ二本目なのでわからないが、やがてこのお茶なしではいられない体になっていくんだろうか。すでに、体にいいんだからいいか。という気もしはじめた。それでも譲っちゃいけないまずさと言うのがあるだろう、某社の社員たちよ。という憤りもあるにはあるが、それは、一体いつまで抱いていられるものなのか。

 
 

 2004-4-18
 

厚生労働使用許可・健康機能食品 (特定保健用食品)というのがある。
微妙に違う「特別健康補助食品」なんて書かれたパチモンも見つけてしまって笑ったけど、擬態食品がでてくるほど、売れ筋になっているってことなんだなと思う。かなり厳しい臨床データをもって認可されるものなので、特保の食品自体はとても信頼できる。
実際に、コンビニで買える花王のお茶は、高いけどいい感じでちゃんと体重は減るしあ、さすが特保、ダイエットにも貢献してくれたと思う。
ヘルシア習慣をやめちゃってからしばらくして、何だか突然ぼこっと太り、腰痛も太り過ぎが要因ではと思い始め、春先でもあるし、ダイエットを考え始めた。年も年だから、生活習慣病も怖いし、また、特保の食品でも買うかなと思っていたら、近所のディスカウント店で、某社の特保 (本物 )のお茶発見。超特価、大安売りである。お茶なら何だって飲めるだろうし、とりあえず1ダース、買う。お仕事のときに飲むのにも便利だしね。
ところがそれがさー、「まっずぅーい」のぉなんのってぇぇぇぇー……。
吐きそうになりながら飲んでいる。インチキな薬草か、近所の雑草を煎じたみたいな味。これでデータがとれたのかなあ。この企業の社員は、みんな本当にこの味を許したのかなあ。何人が「うまい」と思ったのかなあ。なんで、これでGOを出したんだろう。いや、まれにマズいジュースとかすぐ消えるのがあるけどさ、それはごく一部、味覚音痴な上司のうっかりミスで世に出ちゃったもんだと思うのよ。そんなにたくさんのお毒味はないでしょ。けど、このまず茶は、特保なんだよ。ちゃんとデータとりに貢献するために、とんでもない数の人間が一定量、飲んで、多分血も取られて、飲み続けたはずなんだよ。やっぱり、「まっずぅー」とか思いながら飲んだんだろうか。良薬口に苦し、なんていいながら。誰か言ってやらなくちゃいけなかったんだと思う。王様は裸だっていうか、このお茶はマズくて飲めたもんじゃなくて、返品されるかバッタ屋で激安に売られる末路だろうから、市場に出すのはやめた方がいいって。
それとも、この会社の社員はそろって、すっごい味覚音痴なのか。もう、ここの会社の他の商品、怖くて買えないなあ。

スターバックスのカフェインが、普通のコーヒーより多かったって。私はスタバの「甘ーいの」が好きで、「カフェイン濃いめのお砂糖たっぷり」それはコーヒー豆農場のディープかつハードな労働者階級が休憩時間に飲んだところの飲み物と同じで、中毒性が高いぞーと、夫が言っていた。うーん、そういわれれば、そうだった。スタバは素通りできないところがあったわ。たいていとても疲れているときに条件反射みたいにスタバに入っていたな。薬物に弱い、私。

で、このマズいお茶はどーよ。薬効、高そうではあるけれど。このマズさがだんだんくせになるのかしら。まだ二本目なのでわからないが、やがてこのお茶なしではいられない体になっていくんだろうか。すでに、体にいいんだからいいか。という気もしはじめた。それでも譲っちゃいけないまずさと言うのがあるだろう、某社の社員たちよ。という憤りもあるにはあるが、それは、一体いつまで抱いていられるものなのか。

 
 

 2004-4-20
 

勝つと思うな思えば負けよ。
と歌ったのは、美空ひばりだったか。
でも、「思う力」ってあると思った。
今日、私は草トーの初心者向けの試合で、初めて準優勝した。エントリーしてから、ずーっと「勝つんだ、優勝するんだ」と言い続けて、気合だけはアガシのようだったと思う。アスリートの水分補給の仕方を真似したり、杉山貴子さんの著書も暗記するほど読み込んだ。
チーム戦で4チームの総当たり、一位でリーグを抜けて、トーナメントで決勝まで駒を進めたのだった。私をのぞく三人は、既に中上級以上の腕前を誇っており、これで初心者向けのゲームに出るのはちょっと卑怯な組み合わせなのだが、そういう上手な人たちが永遠の初心者である私と組んでくれるのも、また私の人徳なのである。
あー、楽しかった。忘れがたい一日だった。

リーダーと事務官は、ここにもたびたび登場する帰国子女にして猿テニスメンバーの三田ちゃんだった。三田ちゃんは肉離れの後足首ねんざをしており、本調子じゃない中でも、だましだましテニスをやっていたテニス中毒患者である。いつのまにか信じられないほど、忍耐強いテニスをマスターしていた。転んでもただでは起きない女だったのだなあ。ハンディを長所に変えていたとは。いつの間にか一皮むけて、私のテニスのライバルは、いつも一歩先んじている。
その三田ちゃんと組んだのが、美紀ちゃんである。デビュー戦のくせに練習と試合の実力が全然かわらない、だからきっと心臓がさぞ毛深いんだろうなあと思わせる、しかし清楚な女忍者のようなタイプの人。勤王の志士みたいなまっすぐの目をした美人で、この MM美人ペアがバランスよく、ほぼ全勝してくれた。自分たちのテニスを優雅に楽しんでいるようで、よかった。
司令官・千晴ちゃんは、私のペアにして、同じ年、さらに娘の小学校の同級生のおかあさんでもある。保護者会で、大学時代体育会系テニスをしていたんだけどぉ今はもう……と知り、しつこく誘って、今や私の心のお蝶夫人として君臨していただいている。いつもすっぴんなんだけど。で、どう見ても私より10歳は若い肌なんだけど。あの肌を保つために、隠れて生き血飲んでたりすると思うんだけど。(読んでいないもんで、書きたい放題だな)私が足を引っ張ったため、不本意な勝率だったとは思うが、ぐりぐりのトップスピンで今日も華麗に舞っていた。
私ひとりだけ、カエルが窓ガラスに張り付いたような格好のボレー、「どいこらしょっ」と薪割りをするようなサーブ、フライパンでパンケーキひっくり返すときの動作で味方にボールを送ってしまうミス、どすどす走ってコートを走り抜けてしまうミス、その他多数のイージーミス満載で、思わず「初心者は微笑ましいなあ」と笑いを誘うような状態ではあり、思い出すとかなり恥ずかしいのだが、なーに、勝てば官軍である。ここを落としたら終わりという私のサービスゲームを0-40から、気迫だけで取ったしな。脳内麻薬、鼻からたれて来そうなほど、いっぱい出たもん。敵に見つからないように、ずーっと腰、冷やしながら臨んでいたのだけど、アレ以降痛みもどこかにいっちゃったしさあ。
こんな私と組んでくれた、忍耐強いチームメイト、ありがとう。
三田ちゃんが涙ぐみ、千晴ちゃんが満面の笑顔で、美紀ちゃんが涼しく微笑みつつガッツホーズしていたのを、私は一生忘れないだろう。

ええーっと、関係各所の皆様、すみません、ちゃんと仕事もします。

 
 

 2004-4-24
 

初めての時は痛いけれど、我慢する。
そして、だんだん体になじませて、自分のものにしていく。
私にとって靴とは、そういうものだ。
どんな靴でも、例外なく、マメができる。ハイヒールはもちろん、スニーカーでも、下駄でも、サンダルでも。足の皮が異常に薄いのと、足の形が変だからだと思う。
あ、唯一、ヤコフォームだけマメはできなかったが、スニーカーもハイヒールも下駄も、作っていなくて残念である。
先日買ってもらった卑弥呼の靴は、デザイン重視だったので、久しぶりにとにかく痛かった。再三、かかとがずるずるになり、靴擦れ防止シート (お高い )でフォローするたび、「靴じゃなくて、ストッキング1年分とか、もっと実用品を買ってもらえばよかったよ」とか「皮じゃなくて肉の方だったら、みんなで幸せになれたなあ、食事に行けばよかったよ」などと後悔していた。
よく誤解されるのだが、私は基本的に大変へたれなので、くよくよするところは、際限なくくよくよするのである。
竹を割ったような性格だと思われているが、実は餅をついたような性格、といったのはつかこうへいさんの作りだした「銀ちゃん」であるが、あの人はちょっと他人とは思えないところがある。
さて、昨日、一瞬迷って覚悟を決め、「調教だ、へっ。ご主人様の足の形を覚えるんだよっ」と、 Sな気分で (しかし痛いのは私だからMも同時か)卑弥呼の靴にしてみたところ、すばらしい履き心地。いつのまに、まさに私の足にジャストフィットしていたのであった。ハイヒールで颯爽と都内を歩く自分が好きだなあ。エスカレーターだって右側を早足で行くぞ。
てなわけで打ち合わせを終えて帰宅した。きちんと治療に通ったかいあってか、腰痛もまるで感じない。試合から三日経ったのに筋肉痛もまるでないのは、いかに動かなかったかの証明なのでちょっと悲しいけれど、鍛え方がいいから疲れなくなったのかもとも思う。お酒もずーっと抜いているせいか、体も軽い。体重なんか、この数日間で2キロも落ちた。
睡眠不足からぼーっとしがちで、途中で乗るべき電車を間違えたりもしたけど、眠くもない。帰宅してから夫とバカ話で笑う。ここのところ不自由をかけているのにとても協力的な夫は、相変わらず話が面白く、いつの間にか黒く精悍になっていて、バリ島の神様みたいに見え、神々しいなあ、ああなんて幸せな結婚をしたんだろうと思う。
「ああ、仕事っていいなあ。やっぱり、復帰してよかったなあ」
と思いながら、夕べはあっという間に眠りについた。

そして今朝。
体が自分のモノではなかった。
治療のテーピングでかぶれた皮膚は、腰もおしりもごつごつにして、ゴジラの様相である。きっと背中にファスナーがついていて、ごつごつの着ぐるみを脱げは昔の私が戻ってくるのだわ。けど、ファスナーがないのはなぜなのっ。 YKKは、どこなのっ。と思う。
試合から4日後の今日、襲われる筋肉痛は、さすがに軽度なのだが、寝返りを打つのも、ベッドから起きだすことも、いちいち癇に障る程度に残っていた。重力が不快な感じ、といえば理解していただけるだろうか。
なんのことはない、脳内麻薬が切れたのである。
とりあえず仕事だから。と、あっちの方に積んでおいた人間関係のごたごたとか、福助の幼稚園での問題だとか、町内会費の集金だとか、いよいよ真剣に取り組まなければならないと思うと、朝からいきなりどんよりした気分になる。
昨晩はお花畑のように見えたはずのリビングが、こんなに散らかっているのはなんでなの、たたんだはずの洗濯物がまた元に戻っていて、洗濯カゴにミニカーがごっちゃり入っているのはなぜなの、なんでうちの子たちは遊んだオモチャがかたづけられないのぉーっ!! と、腹が立つ。サイドボードの上にここ数日間ひろげっぱなしの仕事の資料が目に留まり、片付けられないのは私の子だからじゃないのぉーっ !!と自分に戻って来て、もっと腹が立つ。
ゴミ箱からあふれるゴミを拾おうとして、ひどい腰痛に気づく。全然治ってなんかいなかったのである。なのに、お家はゴミ屋敷、コルセットは見つからない。

けれど、悪いことばかりでもなくて、かかとにマメはできていなかった。
ハイヒールは腰に悪いので、当分履けないけれどなあ。こうやって「折り合いを付けて行く」ということを学ぶのだ。「我慢する」ことも覚えるのだ。痛みを知って、大人になり、最後は丸く収まって行くのだ。
来週も予定表は真っ黒だ。私は貧乏性なので、予定表真っ黒というのが大好きだ。来週も脳内麻薬全開でGO! 神様が貧乏人に与えたもうた、最大のご褒美である。
「薬中注意」と、自戒しつつ。

 
 

 2004-4-25
 

びっくりしたー。
朝起きたら、体全く動かないの。筋肉痛って、5日も遅れてくるもんなの ?
うーん、脳内現象の驚異だなあ。
買い物に行く前に、ちょっと昼寝させてー。と、福助と一緒に二時に寝て、「宇宙大シャッフル、隣のオヤジも巻き込もうぜ」とシャウトする清志郎さんの声で起きる。ちびまる子が終わったってことは6時半じゃないか。私の日曜日が台無しだけど、やっと体は動くようになっていた。
父親は GW進行で仕事部屋にこもりきり。
P子、一人の日曜日。孤独に強くなるだろうと、母は申し訳なく思う。
部屋はカオス。そして、私の片付け下手と娘のP子はフラクタル。
まさにこの世は11次元、超ヒモ理論がどうなったって、いいじゃないの幸せならば。
科学図書って、ちょっと読むと眠くなっちゃうのが問題である。
眠くならないの、書けるんだろうか。
さーて、今週もばりばりいくぜ。まずは月曜、幼稚園の茶話会から。
あんなに昼寝したのにもう眠いってどういうことだろう。一緒に昼寝につきあった息子がやけに元気であるが、強引に抱きかかえて眠ることにする。
おやすみなさーい。

 
 

 2004-4-26
 

日に7円。
お前、せめて自分でクリックしろよ。
と言われ、かならず 1クリックはしているんだけどなあ。と思う。
ということは、 1000人読者様のわずか6名様しかクリックしてくれなかった、という日があったりもするのかと思う。
ここのところ、20円ぐらいを推移しているらしい。そして、日に7円ということもある、ということである。
昨日は私の体重と同じ人数が訪れるにとどまり、ああ、まったりしてきたなあ。と、思う。
主婦のページなんだから、イベント屋じゃないんだから、人数なんか気にすんなよ、と思いながら、年とった芸妓がお座敷がかからなくなって来た感じ、というか、吉原細見で番付がうんと下の方に落ちてしまったような感じ、というか、なんとなく寂しい。
しかし、時々うんこをまき散らしてくれるような大事件があればまだしも、私の夫はカバじゃないからそうそううんこをまき散らすこともない。福助の幼稚園ではまだ感動秘話みたいなものが生まれることもなく、P子は九時のくじ屋に従順で大変によゐ子で、特に何もない。
それではこの辺で一発、私が脱ぐというのはありか。とも思ったが、それは「ぽっちゃり系」サイトでふんだんにみることが出来、私は貧乳であるため、お呼びでもないのだった。みにくい腹肉、見せてもなあ。そこに乳首つけて、笑いを取るぐらいしか……。福助が異常に気に入っている二の腕というのはありか。「 I  like うえぃまっくりぃー」というので何かと思ったら、腕枕だったんだけど。 (福ちゃん、完全日本語に切り替えて半年経つのに、まだ母国語が完全に矯正できていないの。相変わらず、突っ込みどころ満載)。別に……普通に太いだけだしなあ。ホント、お見せする何ものも持ち合わせていないのであった。ああ、昔はボディビルダーになりませんかとスカウトされた体が……。実測で57センチだったウェストが……。
過去の栄光。
それにしても、ぽっちゃり系とは言ったもんだなあ。ちょっとネットサーフィンしてて見つけたんだけど。ぶーよぶよな「ふくよかさん」にも、ちゃんと需要があるんだ……と、人の嗜好の奥深さに頭をたれる今日この頃。
ええーっと、夫がエロサイト (特に私への見せしめとして、デブ専)を貼付けないためにも、ひとつ、大人の判断でよろしくお願いします。夫の小遣いが減って、主人の機嫌が悪いんですぅ。っていうか、趣味のあがりを期待するんじゃなく、地道に仕事しようよ、夫。

 
 

 2004-4-27
 

しまった、 30日が平日だったとは。
てっきりお休みなんだと信じて、旅行のチケットを取ってしまい、娘の学校の先生に平謝りで欠席届を出した。「気をつけて行って来てください」とのことで、最近の学校の先生というのは物わかりがいいんだなあと思う。
しかし、どうせあとずーっと連休なんだから、ついでに30日も休みにしちゃえばいいのに。と、思ったりしている自分がいる。
私と娘の二人旅なので、福助は「おとうさんといっしょ」に東京残留である。30日、幼稚園に送って行くのも迎えに行くのも、お父さんなのである。確か、福助を生む時、やはりP子が年少のときに、お父さんは育児休暇を一ヶ月以上とり、P子と二人で暮らしていた。そして家事も育児も完璧だった。お弁当まできっちり作ってくれたと記憶しているので、まったく心配はない。心配はないのだが、当時のP子を思い出すだに、福助の「けものぶり」に、つい、頭を抱えてしまうなあ。まるで別の生き物じゃん。
子どもを複数個抱えるのは、違いがあってとても楽しい。みんな違ってみんないい、と、金子みすゞも言っているではないか。きっと、 Pには Pの、福助には福助の天命があるのだろうと思う。
とりあえず、今の福助は突っ込みどころ満載で、とにかく面白いからまあ、いいか。普通の子どもに対してかかる忍耐が 1だとすると、 P子は 0.1程度だったが、福助は10だ。うーん、結果として帳尻があっている。けれど、普通の子どもより10倍楽しいのはうれしい誤算だった。自閉症というと、やはりまだ偏見は強いのだろうが、幸い私には偏見がなかったのであっさり受け入れられ、そしてこういう子が私の息子で、ちょっとだけラッキーと思ってもいる。
障害を強引に個性といいはる気はない。でも、自然に「ああ個性だなあ」と思うのだなあ、と知る。
「 5分経過」
と、 P子が時間を計る。食べた皿を片付けたくない福助に、私は繰り返し言葉で片付けを促していた。五分、同じことを言い続けてるよー、自閉症対決だーと、お父さんとP子は笑っている。私もこんな性格である以上、ADHD、自閉症のお仲間に違いない。なんたって、自閉症には「ここから自閉症」という線引きがないのだ。誰の中にも、「自閉症的な素質」は眠っている。
しつこさでは、多分負けない。忍耐強さは、福助を躾けるときにもっとも必要な武器だ。笑いながら丸まっている福助に声をかけ続ける。どんなときも、まあ10分も続ければ、気持ちが変わるのだ。笑う父と娘、そして言い続ける母、福助だけが大真面目にふて腐れている。
突然、P子が楽しそうに皿を運び出した。「はい、どーぞ」と、大げさに私に皿を渡す。そこで私も「ありがっとぉー」と、仮面ライダーの変身のようなポーズで受け取る。毎回違うやりとりが、福助を釘付けにし、やがて床に丸まっていたのをやめて、いつものように皿を運んで「はいっ、どーぞぉ」と大げさに私に皿を渡せる福助に戻った。P子は、私にVサインを出している。彼女は福助のもっとも身近ないい見本だ。そして、頼りになる療育者だ。使う言葉、指示の仕方、条件の出し方、パニックのなだめ方。私は徹底的にP子を訓練し、彼女が根気よく実践してくれたおかげで、福助は珍獣から一応、幼児に見えるに至った。
なんのことはない、福助を育てた功労者はP子なのだよなあ。
というわけで、旅行はP子への慰安である。うーんと、わがまま言ってもらって、うーんと甘えてもらって、うーんと思い出を作ってくる予定。たまたま私の分はご招待券を使えるので、コストも安い。しかし、この時期、秋田に行って何を観たらいいのか……。そうです、目的地は秋田の二ツ井町。
P子の慰安が目的なら、本当はディズニーランドとかであるべきなんじゃないのか、と自分で突っ込みつつ、ご招待でなければまず行くことのない秋田旅行に、ちょっと胸がときめいている。29日朝一で出発するのだが、お宿はむこうの人がとってくれたヘルスセンターみたいだし、ちょっとだけ不安。ええーっと、本当に何を見に行けばいいのだろう。あのー、誰か秋田の人、読んでいませんか ? 観光名所、教えてください。

 
 

  
 
日記
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