高校時代の友達の吉田順子さんが、突然メールをくれました。
「今日夕刊で本が紹介されているのを見てビックリしました。 しかも、”可愛い”と書かれていたではありませんか!! よかったね。本もたくさん売れているみたいだし…。」
メールも嬉しかったけど、内容も嬉しかった。「かわいい」、そんなことを 言われたのは一体何十年ぶりでしょう。というわけで、親兄弟を
総動員して「どの夕刊か調べよ」と言ってみたのですが、結局我が家で とっているところの(あら、関係代名詞だわ)毎日新聞に、夏目房之介さんが夫の
「アジアを喰う」を紹介しつつ、新刊の回転の早さを憂いて下さっていたのでした。
これだから、毎日新聞はやめられないぜ。
昨日は風邪気味と睡眠不足で、早寝したので夕刊を読んでいなかったのに、 毎日の習慣ですっかり読んだつもりでいたのよね。なんとも間抜けな
通達でありました。
ああああああ,なんということでしょう!! 夏目さんは、「アジアを喰う」 のコラムで使われている、香港でとった結婚式の写真を御覧になって(んもー、
敬語です、敬語)
「何だ可愛いじゃない。みそさん、マンガの 『嫁』、ちょっとひどくないか?」
とまで、大新聞の御コラムに、書いて下さったのでした。
すーばーらーしーいー(はーと)。ちゅっちゅっ(キスキス)。
写真撮影から10年、確かに10キロ以上は肥えてしまったものの、 夫が描く私は、確かにひどい。ひどすぎる。
でも、誰も「ひどい」って賛同してくれないのねー。
いしかわじゅんさんですら、かつて一度だけ、私をとんでもない「鼻女」に 描いたので、「ああ、そうなのね、私は悲しい鼻女」 と己が醜い姿にくやし涙ををたらーり
たらりと流していたのだった。
ま、いしかわさんの描く女性は「いしかわさんの好み」だと可愛く、 「そうでない場合は」とんでもなく描かれるらしい、というのを
横山宏夫人・りっちゃんに聞いていたので、ま、いいか。と、納得 したものの、(ちなみに、りっちゃんは美人に描かれていたのだったが!!)
夫の友達はみな夫の描く私を「似てる」というので、 私は自分への歪んだ認識を改め、すっぴんの太った気のいいおばちゃん 街道まっしぐらだったのだ。
ああ、まだ太る前のワタシを 「可愛い」と言ってくれる、夏目さんのような殿方が 近くにいてくれたなら!!! 私の人生も、違ったものになっていただろうに!!
初対面で、
「いやー、みそさんの奥さん、似顔絵そっくりですよね」
と言うやつは、私の敵である。
「なんだ、似顔絵よりは美人ですよ」
と言う方とだけ、お友達になりたいものである。
というわけで、今日から夏目さんをこっそり、「心のボス」と 呼ばせていただきます。ボス、いつもそばにいてね。
「心のダーリン」でもいいのですが、 ま、ご迷惑でもありましょうのココロ。
夏目房之介さんの審美眼が、ものスゴーク狂っていないことを、 心から祈ります。