2003-FEB. メニューへ戻る

 2003-2-01 
 

昨日の夕方、娘の体操教室でボール投げをしている途中、携帯電話がなった。この携帯電話にはすべてのメールが転送されてくる。
「やっぱりチョビ髭ジジイの影響力は大ってことでしょうか」
それは全く謎の一言メールで、私は頭を抱えた。
しかし、ボール練習の後には、娘にとって初のドッヂボール大会となり、 お母さんたちは外野を守ってくださーい、となれば、 謎はあっさり立ち消えになったのだった。
小学校時代の「燃える青さん」註1)が憑イしたかのように、 私は本気で玉を投げまくった。

註1)説明しよう。青さんは青木理恵子といい、普段大変大人しいのだ。
しかし青さんは、卑怯者を嫌う正義の味方なのだ。
ドッヂボールの時にだけ、「燃える青さん」はやってくる。 青さんの顔が赤くなったらそれは「燃える青さん」に変身した証拠、 人々は口々に「燃える青さんだ」「燃える青さんが出現した」と叫び、 寡黙で赤い青さんにパスをまわすのだ。燃える青さんは突如横手投げにかわり、 男子をもぼこぼこに玉砕する威力の玉で、卑怯者に鉄槌を下すのだった。

「幼稚園児相手に、本気で燃えていたねー」
と、周りの母たちにひかれるほど熱くなった私に、誇らし気な娘が
「Pね、一回も当たらなかったよ」
と言った。娘よ、母は見ていたのだ。君が卑劣にも人の影に隠れて逃げまどっていたのを。 しかも一度なんか、飛んでくるボールを友達を差し出す形で盾にして、 よけたのを。
あたってもあたっても、くじけずに男子からの玉をとり続け、 私とのアイコンタクトによってばっこんばっこん男子をあてにいった みゆきのように、なぜ、なれぬ。男子の玉をとってこそ、女である。

てなことを食卓で話したら、夫も「逃げ名人」だったことが判明した。
ギリギリでひょいと避けるので、大抵彼の後ろにいたやつが当たるらしい。
卑怯者である。
ああこんなとき、燃える青さんがいたら。と、切実に思った。
「そういう生き方もある」と夫は言う。
みゆきの母も
「Pちゃん世渡り上手だよ、頭がいいってことだよ」と、憤怒のワタシをたしなめていたっけ な。
RPGなら最初に防具をそろえるタイプの夫は、丸裸でも敵に当たっていき、 何度も死んだのち、武器を充実させればいいのだと気付いた 潔い生き方を、ただのおまぬけさんだと思っているようだった。
娘と夫は、性格と食の好みがとてもよく似ている。
朝いちでテニスをし、夕方はドッヂボールの疲れで、謎はとりのこされたまま、爆睡。
いしかわじゅんさんがリンクを貼ってくださったという勿体なくも有り難い事実は、 明けて今朝、 いしかわファンから送られてきた温かいメールの数々によって、 知った。
ありがとうございます、ちょび髭じじい。もとい、 いしかわさん。私にしっぽが生えていたら、しっぽの付け根が筋肉痛になるまで、 しっぽを振りつづけただろうと思います。
そういえばいしかわさんにも「鉄槌」という名著(これは超お勧め。すっげー 面白い!! 掛け値なし。)があったなと、ふと思い出す。サービスの本質を忘れた失礼なバス 会社に、 裁判を通して鉄槌を与える痛快実話である。
みかんの食い過ぎで黄色いいしかわさんも、 燃えてる赤い青さんも、やはり正義の味方というのは近くにいてこそだよなあ。 と、思った土曜日の朝です。
あ、P子と福助がおきてきた。

 
 

 2003-2-03 
 

「鬼はそとぉ、福はうちぃ」とさすがに幼稚園で年中行事の 何たるかを教えられている娘・P子は、喜々として豆をまいています。
よくわからない弟・福助は「おにゃーにょー」「ふうわぁいぃ」 とつられて言うのが精いっぱい、合いの手に「なっとぉーよぉ」と 入るのは、食前だったので、納豆が食べたい、と言うリクエストでしょうか。
豆をまき終わり、食卓につきます。
そこでは、すでに鬼がもくもくと御飯を食べていました。
夫です。年中行事が嫌いな「天の邪鬼」でした。
でもさ、鬼の面を着けて虎柄のパンツをはけとまでは言わないが、 もうちょっとこう、愛想みたいなものがあってもいいと思う。 全身から「豆まき厳禁」みたいな空気を出して、食べてなくても。
しかし、さすが、福助。
「ふうわっいぃー、なっとーぉぱえる(食べる)」と 訳のわからない2歳8か月。彼が食卓につくとき、 夫はついつい笑ってしまい、「福は内だろ」と教えたのでありました。
やった、やった、ほら、言ったぞ「福は内」って。節分のその当日に、 それらしき言葉を発したぞ。
なんか、勝ち!!な気分。
そそくさと仕事部屋に姿を消した夫を見送って、母子家庭で食事をし、 みんなで年の数、豆を食べて家内安全を祈ります。
食後、締め切りという鬼がやってきている夫の部屋にも、娘がひとりでこっそり 豆をまきにいきました。「まだやってんの?」 となかばあきれながらも、夫は鍵をあけてくれたようでした。

 
 

 2003-2-04 
 

なんて静かな午後。奇跡のような静寂です。
ダイニングテーブルでパソコンを打つキーボードの音だけが、 ただ、狭いリビングににこだまします。
リビングのベンチをふたつ合わせて 箱舟のようにし、しつらえた臨時ベッドで 抱き合って眠る子供達。
徹夜あけで免疫力も思考力も低下している夫は、寝室です。多分、泥のように 眠っているのでしょう。
いつもならP子を習い事に送って、私はそのまま福助とボール遊びに 興じている時間です。……寝ている。みんな、眠っています。

あまりにも幼稚園でインフルエンザが大流行し、 誰が呼んだか今日のインフル(かわいい略語)情報が 必ず交わされるお迎え時。 我が家は風邪と無縁でたいへん元気で、 「どうするぅインフルぅ」などとどこかの金融CMの替え歌を ふざけて歌っていたのですが、とうとう順番は回ってきたのでした。
「あなた、当たったわよー!!」ってやつですね。
品薄となった48時間以内に飲めば効くという、インフルエンザの新薬を無事にゲットし、 とにかく安静に。そのヤクは、新聞等で既に報道されている通り、やはり入手しにくいようで
「ここならまだ薬はあると公言しないように」と、
かかりつけ医にこっそり渡されて、なんだか妙な気分でした。 ご贔屓筋に渡す分がなくなっちゃうんだろうな、新規の患者さんが 殺到すると。
しかし、早速のママ友お問い合わせ電話は
「PちゃんのかかりつけはN医院だったわね、 ってことは、あそこならまだ薬はあるわけね?」 と、めざといめざとい。
こんなふうに尋問されたら隠しきれないです、ごめんなさい、院長先生。
別のママ友は、今回2日間寝込んで、 2.5キロのダイエットに成功したそうです。
48時間ハリウッドミラクルダイエットならぬ、インフルダイエットだなあ。 (効果には個人差があり、100%保証するものではありません)
でも壮絶な話を聞いて、そんな痩せ方なら太ったままでいいやと思いました。
なんて書いていたら、義理姉がインフルから生還してやっと仕事に復帰した、 夫の実家は野戦病院と化していたらしい旨、電話が来ました。
そういえば夕べは欠陥住宅をつかんじまった(かもしれない)実弟が 「新居で妊婦の妻までインフルエンザになり、小僧二人に自分まで移って、 大変な毎日」
と 電話で泣いていたっけな。
なんだか猛威を振るっているようです、ぜひとも皆様、ご自愛のほど。

 
 

 2003-2-05 
 

試行錯誤を重ねて、自分で更新できるように、夫が力を尽くしてくれたのだが、実のところさっぱり意味が分からない。「ねすけのこんぽーざというものを使っている」と、低い声で得意げに語られても、私にはさっぱり意味が分からないったらわからない。 で、これはとりあえずの更新テスト用日記であります。隣で、「Ok?」何か書くたびに「Ok?」としつこく聞かれるので、この辺で「Ok」です。あ、ばかとか言うし。ふん!!

これがアップされたということは、嫁が自力で更新できたかのように見えますが、そうではありません。ネスケの7.1についているコンポーザーは、カウンターcgiがあるとはねてしまうらしいです。この対応策については研究していきます。猿でもできる自力更新を目指してまい進してゆく所存の管理人であります。ご声援ありがとうございます。してませんかそうですか。

 
 

 2003-2-05 
 

福助「もっかいどく?」
P子「うん、やると思う」
福助「んー、でぇーよ、ばっだー」
P子「まだだけど、ちょっと待ってなよ」
福助「かもぉぉぉん」
P子「ほら、出てくるよ」 福助「わっでぃーしゅ?」
P子「It's a キッズチャンネルだよ」
福助「ちやうよー、しんかんせぇぇぇんぬ」
P子「ああ、そうだね、あれは新幹線だね」
福助「かあかぁ、あってぃーしゃい、しゃいっ」
P子「ははは」
……なんで、会話が成立しているんだ? だいたい、何言ってんだか、 福助語はさっぱりわからない。
P子は「大きくなったら何になる?」と 聞かれて、「アメリカ人!!」と答えたおポンチ頭の6歳児だ。 E.Tのような2歳半余の弟の言語など、楽勝で解析するのかも。
なぜか子供達は英語にかぶれて、我が家には中古の英語ビデオがいっぱいだ。 それを喜んでみている福助は、今やっと、英語のような喃語を話す。
日本語の発語が遅くて発達相談に行けと医師に言われた手前、
「バイリンガル教育をしているってことにしたらどうだろう」
と、口うるさい外野をごまかすために、人前でだけ英語で語りかけるフリを したりしていたのだったが、その結果、奇妙な福助語が開発されてしまったの。
「たっちゅー」=Thank you.「ゆーかんかん」=You are welcome.は、 既に我が家の独自方言として日常ユースである。
ちなみに、私の実家では「かっくん」=せんぬき 「ころころさん」=乳母車 などが日常語としてインプットされていた。それが我が家だけで通じる方言 だと知ったのは、小学校に入ってからだった。
日常生活の中で慣れない英語を使うのは、そこはかとなく旅行気分が味わえて、よい。 ちょっとした現実逃避、主婦の知恵であります。
問題は、多分、英検5級程度の知識で、 大変発音の悪い私が、ブロークン文法のまま話しかけていることだが、 目的は子供達を英語の達人にすることではないので、よしとする。
ああ、今日は幼稚園のママさん英語の日だったのに、インフル娘のせいで 私は外出できないのだった。つまんないなあ。でも、皆勤賞を目指していたのに かなわず、昨日病院で号泣した娘はもっとつまんない思いをしているので、 責めない、責めない。←当たり前?
大好きな姉がリビングで寝ているため、 やたら上機嫌な福助は、いつになくよくしゃべる。意味不明だが、 二人のちぐはぐな会話は面白い。
この何でもない退屈な時間が、実はとても貴重で、幸せというのは、 綿ボコリと一緒にこんなところに何気なく転がっているものなのかも。と、 ちょっと思ったりした。あ、掃除機ぐらい、かけようかな。

 
 

 2003-2-05 
 

戦後、女性は自立のためにミシンを習ったという。今、自立更新のために私はパソコンを習っているが、ミシンすらろくに踏めないのに、パソコンができるはずがない。その用語だけでわややで、仕方がないのでメモを取っていたら、マックの「コマンドマーク」を一筆書きしていないと笑われる。管理人任せでも、私は全然困らないのだが、どうなんでしょう? 九時からはFOXでザ・プラクティスを見たいんだけどな……。

 
 

 2003-2-06 
 

インフル娘は元気を取り戻してきたが、彼女のペースで一緒に 眠ったりしていたら、寝過ぎて、私の体がだるいです。
こんなときにはさっぱりと、「ところてん」なんか、食べたいなあ。 風邪の初期症状には桃缶とところてんです。
しかし、残念。カルピスも切らしているのだった。
私は子供の頃、ところてんはカルピスで食べるよう、餌付けされました。 お中元のカルピスが大量にあまったので、母ヨシコの作り出したオリジナルメニューです。 母ヨシコは大胆な味覚の冒険家なので、数々のトンデモメニューがありますが、 カルピスところてんは、大成功の一品でした。
でも、それがヨシコ・オリジナルとは知らない子供の私は、 初めて甘味処でところてんを頼み、黒くてすっぱい汁を見て、 「くくく、腐っている!!」とクレームをつけたのでした。
「なんで、白くないんですか?」って。
とんだ赤っ恥でした。世間というものを知った小5の夏。
友達と二人で初めて美容院というところに行った帰りだったなあ。 ほんの少し、母への不信感も芽生えた、思春期の小さな出来事でした。
でも、今も黒い汁の方は食べられないの。修正がきかない。 カルピスこそが、私にとっては「ところてん」なのです。
すっごい、おいしいんだよー、これ。大好物。
それで、子供にもこのおいしさを教えたいと思い、 以前カルピスところてんを作ったのね。ところが、
「文化の破壊だ!! 食べさせてはならん」
と、夫からきつく言い渡され、以来、ところてんを食べるときには こそこそと。というのが、我が家の新しいしきたりなのでした。
おいしいんだけどなあ。本当に、おいしいんだよぉ。 特許申請したいぐらいなのに。文化の破壊ですかねぇ?

 
 

 2003-2-08 
 

ふんぬ、ふんぬ、ふんぬ。COLT。
いや、コルトはいいんです。無関係です。
憤怒、憤怒、憤怒は、私の友人を
だましているかもしれない、とある会社についてなのだ。もう、許せん!!
A社はマルチ商法ではないと、私の大事な友は言う。
夢のような商品を知り合いにこっそり教えてあげたい。
友は浮き足だった自分の声にうっとりしながら、言う。そして、
一緒に大儲けしない? と、にこにこする。
まるち、まるち、まるち。COLT。
いや、コルトは全然関係ないのだが、
全うな大人の私にはマルチマルチマルチ、と囁く声が聞こえる。
で、つい、車の名前が。アッチはまじめなのでよいのだが、
こっちのマルチはいけないだろう。
友よ、私はよく知っているのだ。説明は不要だ。
別の友達夫妻は、よく似たシステムに取り込まれ、
結局夢も儚く消えて、離婚したんだぞ。今、それぞれが幸せだからいいけどな。
法律の網をくぐってシステムを作り出したA社の創設者め、
その頭脳はまったくもってすばらしいと、敬意すら覚える。
でもさ、そんなにいい商品なら、飛び込みで売れって。
友人の培った唯一の財産である「友情」を換金させるよう真似、するなって。
閉じた世界でちまちまと商売するがよい。私の大事な友人を洗脳するな!
しかし、巨大なシステムは今も動き続ける。一介の主婦ふぜいには
何もできないのか。もはや「私はいらない」と
断るよりほか、方法はないのか。そんな無力な自分も、許せん!!!

っていうか、いくら社会経験に乏しくても、
いい大人なんだからさ、お前も気づけって!!

 
 

 2003-2-08 
 

土曜参観日だった。
授業は「商店街」にあるお店を通じて、日本経済の仕組みを見ていく というものだった。いろいろなお店の名前が出る。
「そうだねー、じゃあ、お店に行って、お金を払っても、そこにある 品物を持ってこない、そういうお店もあるよね」
難しい言葉では、サービスというんだよ、 と最後に先生は説明するためにいろいろと誘導する。
はーい、はーい、とたくさんの小さな手が揺れる。
動物園、水族館、レストラン、歯医者、美容院、銀行、ホテル、 不動産。
あ、結構あるのね。私も幼稚園児になって一緒に考える。 日常生活を思い出せばいいんだな。私の心は千歳烏山商店街に飛んでいた。
「はーいはーい、先生。パチンコ屋さーん!! 」
と答えたのは、女子一番人気のかなたくんだった。
「そうだねー……パチンコ屋さんは……うーん、時々賞品をもって 帰れるけど、まあ、だいたいだめだよね」
と、先生は苦笑しながら言ったのだった。
傍観する両親たちの謎のどよめきと爆笑を、母親が赤面してうつむくのを、6歳の 彼はどう受け止めたのか。彼の母親は焼肉好きで、近隣の焼肉屋は全て制覇した と懇談会で語った、美人の関西人である。幼稚園は奥が深い。

参観後、吉祥寺に出た。
商店街を歩いて、娘と一緒に早速いろいろなお店があることを学んでみた。
「えーっと、マッサージ屋さん、ぞうり屋さん、お茶屋さん」
……どうも、並びが変である。
「カツラ屋さん、靴屋さん、奥にアジア屋さん、でこれは…… ちから屋さんだー」
モールの中に入っているエクササイズグッズを売っているお店を ちから屋さんと呼ぶ娘。いいネーミングではあるが。
喫茶店でお茶を飲むと、正面は、行列作った新規開店・讃岐うどんやさん。 同じビルにはトルコ料理屋さん。小道をはさんで、
「おかあさん、ほら、靴下屋さん」
普通の商店街にはないよな、靴下屋。っていうか、普通の商店街じゃ ないよなあ、吉祥寺。私はこんなファンキーな街に 13年も住んでいたのかと改めて思う。
吉祥寺にはやたらと漫画家が多い。多くの家主さんに、自由業への 理解があるのは肌で感じていたし、いい文房具屋も確かに多いのだが、 こんな変な街だからこそ、漫画家が増殖するのではないかと思った。 我が家もかつてその一つであり、しかもこの街の一角でP子と福助は 作られたわけで、繁殖までしちゃったんですけどね。

 
 

 2003-2-10 
 

朝、福助を着替えさせたら、水玉になっていて驚く。
慌てて医者に行ったが、多分ジンマシンとのこと。下着のラインに 沿っていて、腹と背中にドットのまだら打ちという感じなので、 洗剤をかえたせいかなあと反省する。かえて二週間以上もたつのだが、 なにごとにつけ、この子は反応が遅いのだから、そういうことも あるだろう。ダニ、というのも考えられるそうだ。春だしね。
しかし、私は20年来の花粉症が怖くてふとんが干せない。ここから 三か月間は干せないのだ。この時期ふとんを干せというのは、 私に死ねと言うのも同じである。しかし、ダニアレルギーの福助に とって、三か月もふとんを干さないままと言うのは、やはり死ねと 言うに等しいのだろう。ああ、かくして蜜月は終わるのだ。
さみしいなあ。冬場は福助を湯たんぽ代わりに抱っこして寝ると あったかいんだよなあ。時々ふとんを私がひとりじめすると、 パジャマ一枚ではさすがに寒くて目がさめるらしく、 福助は泣きながら背中にすりよってくるんだよなあ。 ベッドからごろんと落っこちて泣くときも、 そのまま床の上で寝てしまう寝顔も、 土偶みたいで、なんとも可愛いんだよなあ。
……と、書いていて、すでに一緒に寝るのは虐待に近いのかもと思った。 別れる潮時なのかも。
福助、あなたは一人でももう十分、寝られる男なのよ。私がいなくても。 ああ、切ないなあ。Love is overな気分さ。
泣くな、男だろう。私のことは、早く忘れて。と、歌ってみる。
私はあなたのおまもりでいい、と、歌ってみるけど、 「お守り女」っていうのは変だなあと、子守り女は思ったりする。

あ……、今気付いたんですけど、ふとん乾燥機を使えばいいのでは ないか。問題は、どこにしまってあるか、です。どこだ?

 
 

 2003-2-11 
 

水玉福助、インフルエンザ確定。
「たまさか、発疹とかさなった、と」
「たまさか、お姉ちゃんがインフルエンザだった、と」
と、なぜか小児科医は古語である「たまさか」を連発する。
どういう意味だったかなあ、たまさか。キラキラ光るのは硝子坂。 「あなたまさか!」と疑ってみるのも、ちと違う。
というわけで、48時間のインフルエンザ用新薬を投薬開始。
たまさか発熱しているのにとてつもなく元気なのは、薬のおかげなのか。 たまさか休日診療医では大変不愉快な思いをしたが、この劇的な効果を 思うと、薬をもらうためには仕方なかったまさか気さえする。そうやって みんな「お医者様」をあがめちゃうから、サービスが低下するのかな。 それともたまさか運が悪かったのか。
さて、使用方法が間違っているのはどれでしょう?

 
 

 2003-2-13 
 

「たこわさび」と書かれた発泡スチロール箱が、キッチンにある。
しかし、箱の中にはたこわさびではなく、でっかいずわいガニが入っている。
ついでに鯵も8匹入っている。夕べ泣きながらさばいて 調理したイカ2杯と貝付きホタテ8枚とさざえいっぱいとはまぐりいっぱいと 一夜干しふぐと鮭の切り身も、入っていた。
我が家は4人家族である。パーティーでもしない限り、とてもはける量ではない。
しかも、魚介類を好んで食べるのは私だけなのである。加工後、冷凍にしても、 限界がある。適度にくたびれた生鮮食品はご近所にも配れない。
昨日は夫がうちでは食事を取らない日なのだということは、 母ヨシコにもちゃんとメールしておいた。しかし、ヨシコは、 自分に都合の悪いことは全く聞こえない耳と、都合の悪いことは さっぱり忘れてしまう便利なお脳を持っていたのだった。
差し入れしてくれるなら、保存の効く冷凍食品をリクエストしたのだが、
「自分の好物は世界人類、みんな好き」。
「自分の好意は世界人類、みんな感謝感激」。と、信じて疑わない母ヨシコは 考えてみれば、冷凍食品が嫌いなのだった。 自分の嫌いなものは世界人類、みんな嫌いなのだから、冷凍食品の差し入れなど 望むべくもないのだった。私が甘かった。
愛も場合によっては罰ゲームになることがある。
魚介をさばくということが、解剖の時間に貧血で倒れた私には 拷問に等しいと言うことを、きちんと知らしめておかないと。
私は一体どれほどの言葉を尽くしただろう。
しかし、母ヨシコは全く意に介さず、「もう二度と買って来ないでくれ」 という厳しい言葉にさえ怯むことなく、「遠慮することないのよ」と 涼しくのたまったのだった。
母ヨシコ。無敵のばばあが、姑でなくてよかったのかもしれない。

 
 

 2003-2-15 
 

土曜日なので、ブランチを食べにいこうと、身支度をすませてから、 娘P子にお父さんを起こしに行かせました。
コーヒーを入れたので、私も夫の寝室に向かうと、
「よいではないか、よいではないか」
と、娘が悪代官になって、父親を起こしていました。
テレビゲーム「しばいみち」の影響です。

マクドナルドから帰ってきて(ブランチって、マックかい!)
「おかあさーん、やってぇ」
と、自分が何度かゲームオーバーしてクリアできない ジュリエット役を押し付けてきました。
「宝塚をイメージしてやると点が高いんだよ」
などといいながら熱演し、タイトルロールまでいきました。
「おかあさん、うまいよねー」と尊敬のまなざしです。
うーん、何百人かの観衆の前で打つ芝居もいいが、 こういうあからさまな敬意というのも、結構気持ちいいものなんだねぇ。 忘れていた高校時代の熱い日々が、蘇る気さえします。
これは相棒・祥子と二人でやったら即座にオールクリアだろうなあ。 あいつも、すっげーうまかったからなあ。などと思ってみたり。
ひた隠しに隠してきた「高校時代に演劇部」という暗い過去が、 こんな形で報われるとは思いませんでした。

はやのんが勧めてくれたので、HPをチェックし、「これは買おう!! よし、へそくりだ」と 思っていた矢先に、宅急便で届いたのでした。
夫が元・ゲーム関係者って、便利。ありがとうございました。
インカムをつけて、アテレコするゲームなのですが、 「かなりイイ芝居でした。もしかして、役者さん?」などと高い評価を 受けるのは、たかがゲームでも嬉しいものです。まずめったに「評価」を されない主婦にとっては、嬉しさで顔もにやけようというもの。
しかも、大声を出して芝居をするので、ストレス発散に最適です。
けれど、二世帯住宅ではお勧めできません。 「だから同居したくないっていったのよ」なんて不穏な台詞がバシバシ でてきますから。多分我が家のご近所では「鈴木さんのとこ、一体どうしたの かしら!?」などと思っていることでしょう。
6歳の娘は、今、気がふれたように先輩に愛を告白し、薫の君のサーブを受け続け、 はまり役のお千代になって悪代官にかどわかされています。
これで例えば「声に出して読みたい日本語」の台詞とか、「日本昔話」編とか、 Jr.英語版とかあったらいいのになあ。と、教育ママは考えたのですが、 そういうのって、きっと、ちっとも面白くないんでしょうね。

 
 

 2003-2-16 
 

娘のお友だち2人に招待されて、 TAC体操教室の発表会を見に、中野サンプラザにいきました。
とても上手に新体操を演じたP子の親友は、 この春から朝鮮学校に入ります。
一昨日「だいっきらい!!」と大げんかしたのに、 昨日にはけろっと仲直りしたもう一人のお友達も 一生懸命でかわいかった。
P子は微動だにせず二人をみつめ、 いつまでも拍手をし続けました。賞賛の言葉は 帰りの車の中でも繰り返されました。

こんなふうに、簡単ならいいのにね。
大人の世界も。国際情勢も。
みんな子供だったはずなのにね。

世界が平和でありますように。

 
 

 2003-2-17 
 

事故ってしまいました。反省。
いわゆる出合い頭ということで、過失相殺で事はすんだものの、 相手は原チャリだったので、すごく怖かったです。
あああ、人がくるっとまわっている。
なんで手にたばこが?
ああ、丈夫そうなヘルメット。
この人、受け身うまいなあ。
などと「情景がゆっくりになる」のを、初めて経験しました。
これは肩を痛めたのでは、と思い、「申し訳ありません」と飛び出し、 警察と病院を!! と叫んだのですが、 「いやあ、大丈夫。すねが痛いけど」などと取り合ってくれません。
二週間前にも、原チャリで事故った話などを聞かせてくれて、 たばこまで吸いはじめたので、「あ、では私が警察に……」と 車に携帯をとりに行きました。
往来だったので、車を動かし、子供達に静かにしているように諭し、
「では、警察に」
というと、まず会社に電話をしたいとおっしゃる。3分ほど 何かをお話になった後、警察にもかけていただき、状況見聞になりました。
警察を待つ間、私、もしや彼は……、とちょっと思ったもので、
「あのー、ひょっとして示談というのも……?」
と勇気を持って言ってみたのですが、
「まあ、この後も仕事がつまっているんでね。でも、営業車なので 会社に黙っているわけにはいかないんだよね。警察も早くくればいいのになあ」
と、どうとでも解釈できる言葉が戻ってきただけでした。
私は呼吸を読むのが下手です。タイミングが悪かったのでしょうか。それとも、そんな、 袖の下なんか俺は受け取らないよと言う正義の人だったのでしょうか。 そうだとしたら、私の思ったことは恥知らずなことです。
フロントとバンパーの塗装が10センチほどまっすぐ禿げたのを気にしてしまった のも、人としてクズです。
すみません(涙)。
事故見聞し、保険会社に報告し、もう一度相手の体調を聞いて謝罪して、 私は震えつつ彼を見送りました。いい方で、よかった。
私も長いことバイク乗りでしたので、どんな事故でも基本的に バイクより四つ輪が悪いと信じています。 すんでのところで大事故にならない運転を、バイクの私がばしっと決めて、 「うまい!」と自分に酔いつつも、「気をつけてよ」と言うと、 「ばっかやろー、女がバイクになんか乗ってんじゃねー」と 言われたことがありました。「悪いことをしたらごめんなさいと 謝るって、あんたはお母さんに教えてもらわなかったの」と 相手のミラーをひっくり返してやったのだけれど、 思えばそれも、事故処女強気の発言です。
ああいう、自分が悪い癖に謝らない運転手にはなりたくなかったんだ。
バイクの方が圧倒的に死にやすいわけです。
だから今回は、何がどうあれ、車の私が悪かったのだと思います。
これでまた免許証書き換えのときに面倒が待っています。以前駐車違反で 捕まって、書き換えのときにえんえん交通事故の恐怖を講義されたので、 あれが待っているのかと思うと、つらいです。
一時停止が完全でなかったという過失は、どんな言い訳をしても 私をさいなみます。うー、今日は食欲がないので、お弁当で許して下さい、 お父さん。

 
 

 2003-2-19 
 

「お店屋さんごっこでは、ペットショップをやります。
お勧めはハムスター、いかがですか。ふわふわで、かわいいの」
「あら、かわいい。でもこれ、お高いんでしょう?  12万円ぐらい、するんじゃないかしら」
「いいえ、いまなら、なんとなんと特別に100円です」
「すごーい、すごーい(ジャンプして拍手)。 じゃあ、そこにぜひ、行かせて下さいねっ!!」
「やっぱりお店屋さんごっこは、ペットショップでハムスターを買わなくちゃね」
……これが娘P子たち三人組で考えた、広告だそうです。PRタイムに、 ホールのステージで、幼稚園の全生徒を相手にこんな寸劇の広告を 作って演じたわけですね。それをたまたま参観していたママ友が 感心して教えてくれたのでした。娘にも問い合わせて復元したものが 上記の通りです。
ハムスター一匹12万円という価格設定はいったい……?
果たして全生徒が繰り広げる年に一度のお祭り、全員がお店屋さんで 全員が消費者という 「お店屋さんごっこ」の売り上げに、この広告は効果があるのでしょうか。

広告といえば、紙おむつが届きました。トイざラスからです。そうです、広告バナーを クリックして、多分購入した第一号は私でした。トイざラスは、 我が家に来てくれたサンタクロースも活用しているので、 ここにリンクを貼れるのは、わたし的にとても便利。通販で紙おむつを 買ったのは初めてですが、重くないし手間もないし、いい感じ。
で、よく利用する通販会社や、実際毎月お世話になっている語学教材や、 身にしみてよくわかった事故処理の大変上手な保険会社など、 すべては「私のため」のリンク広告にしようと決意したのですが、 どうもなかなかOKが降りないそうです。もし、広告主の方がこのコンテンツを チェックされているのだとしたら、ぜひご理解下さい。
「何より、私が買います。ご安心を」
……というわけで、 お金を借りたりするのはナシです。大物の、不動産とか車もなしです。
読んで下さる方の立場に、全く立っていなくて、すみません。
あれ、それじゃあ意味がないのか? という疑問も……。
そもそも、広告というのは1クリック1円と聞いて、それはおいしい!! 一日100円として、 なんと一か月3000円も。などと、主婦の内職感覚で思っていたのですが、 世の中はそんなに甘くないのでした。今は成功報酬型が主流だそうです。
だから、どうかご訪問者の方は、気になさらずに。
色味のさびしいHPにちょっと広告の賑やかし、程度に思っていただければ 幸いです。いずれにせよ、私が管理しているわけではないので詳細は全くわからない のですが、リンク広告があってもなくても、基本的な姿勢はほとんどかわらず、 淡々と更新していくのでした。
さて、今日の出来事。
事故被害者の方に、お誕生日祝いをお届けしてみました。免許証、 見ちゃったんで……。
まわりの友達は、 「とにかく菓子折を持って謝罪に行け」というので、保険会社に 問い合わせたところ、「それはこちらで指示することではなく、 鈴木様のお気持ちですから。なるべく早い方がいいと思います」 と言うので、びっくりしました。
なぜか事故後は保険会社に一任し、 全く相手と接触してはいけないのだと思い込んでいたわ。
そうじゃないんですね。
またしても経験値がアップ、と思うことにしました。これ、常識なのかしら。 まだまだ、世の中、知らないことばかりです。保険会社は
「菓子折持って謝った後は、私たちにお任せ下さい。菓子折り代も がっぽり取りかえす交渉力が自慢です」
ぐらいのストレートな広告を打ってくれないと。
あら、でもこれじゃ誠意がないか、あまりにも。

 
 

 2003-2-20 
 

あひるボンバイエ! あひるボンバイエ!! あひるボンバイエ!!!
と、猪木の登場曲にのせて、あひるの着ぐるみが登場する。
……幼稚園の謝恩会の準備は着実に進んでいる。ダンス部A組のはじけ方は、 鬼気迫るものがあり、晴れた日は公園で「あひるのサンバ」 を特訓していると言う。何か、忘れたい日常があるのだろうか。
今日は、劇部の練習日であった。私は劇部で、脚本と レポーターと黒子役だ。「欽ちゃん走り」ができなくて、 来週までに課題を自主トレしておかなければならない。
謝恩会までは毎週木曜日午前中が 稽古日だ。まずは世間話の発声練習から始まる。
なんでもない童話を脚色したところで、笑いをとるのは難しいものだが、 とんでもないテンションでぐいぐい演じる中年女達は、 自らツボにはまりこんで女子高生のように笑い転げ、 これが、なんと大変に楽しい。
「ここはこうした方が」
「ここをこんな台詞に」などと、気持ちだけは全員、黒木瞳といえるだろう。
「女優は顔が命よ、って、いれていい?」
など、各人の台本は進研ゼミのように真っ赤である。
ただし、女優はお面をしない。女優はひとり1000円の予算で衣装を縫わない。 そして、女優はテツ&トモの「なんでだろう」を決して歌って踊らない。
いや、あのハイテンションと、女を捨てて笑いをとりに来るパワーは、 同じ女優でも、久本雅美系なのかもしれない。ま、好感度は高い。
しかし、いいのだろうか。たかが幼稚園の謝恩会の素人寸劇なのに、 こんなに盛り上がって。
女として何か大切なものを、なくしてはいないだろうか。子供を 生むと、もはや、恥じらいはなくなるのか。
ひとり、元・芸能人がいて、これが各人の眠れる能力を引きだしていく。 最初は全員絶望的なほど棒読みだったはずなのに、 気がついたら劇部は、かなり本気になっていたのである。
ダンス部B組だけが、さりげなく、大人である。練習も本番まで、 二回だけ。自宅でビデオ学習が基本だそうだ。 常識的な謝恩会への挑み方であろう。でも、
「いいなあ、劇部、楽しそうで」
とつぶやくダンス部B組のママ友は、見るからに芸達者そうなのであった。
惜しい人材だ。
って、うちの幼稚園の母親たちは、ひどくお調子者なの、 なんでだろう? (ああ、大声で「なんでだろう」の合いの手が聞こえる、 空耳か?)
電磁波とか、関係しているんでしょうか?
ゲーム「しばいみち」といい、「謝恩会」の寸劇といい、 私の高校時代が戻ってきたようだわ、まるで。
鏡と体重計は見ないことにしよう。

 
 

 2003-2-21 
 

アメリカに住んでいる友人Yokoさんが、戦争反対の署名をE-mailで 求めてきました。署名はもちろんするのですが、私は私なりに、 考えたことを伝えてみたくなり、生まれて初めて大統領あてに手紙を書いてみました。
そして、この住所president@whitehouse.gov
に送ってみると、瞬時に
「ブッシュ大統領あてのメイル、ありがとうございました。 あなたの意見とアイディアは、彼にとって大変重要なものです」
と綴られた返信がきて、ひっくり返りました。自動なわけですから 当たり前ながら、「お前の母ちゃんでべそ」と書いても、 「びっちの息子」と書いても、多分それはブッシュ大統領にとって 大変重要な意見とアイディアだ、ありがとう。と、返ってくるのでしょう。
さすが、アフリカを一つの国だと思っていた大統領は、寛大ね。
「まあでも、彼もいろいろ忙しいんで個人的にはアレだけど、詳しくはHPを見てね。 意見は、こっちで適当にみつくろって伝えておくんで、よろしくね(超訳)」
と、続いていましたが。

 
 

 2003-2-23 
 

休日の朝、私は必死でテツ&トモのCDを聴いて、ギターのコピーをしました。
高校時代の文化祭でひいたのが、大勢の前で演奏した最後だった気がします。 そういえば、須藤&鈴木というグループ名でした。さすがにジャージは 着なかったけど、衣装は面倒だったので制服だった。
チャゲ&飛鳥とS&Gのコピーだったから、須藤&鈴木。
なんというか、 もうちょっと凝った名前にすればよかったなあ。それでも、そのとき 大好きだった人が見にきてくれたりして、うわぁ青春じゃん!!と、 思い出して顔が赤くなった。うわはは。わはははは。なんだなんだ、 このドキドキは。いやーん。
子持ちの年増が、何を「思い出し赤面」しとるか。
今、海に向かって、何か叫んでしまいたくなる青春の蹉跌が 初めて理解できました。
「青春は、恥ずかしいぞぉぉぉぉぉぉ!!」

さて、左の指先をじんじんさせながら、毎年恒例・ふぐパーティーに。
主催の中川家は朝から築地に仕入れに行ってくれるほど、 おいしい物好きな夫婦。私はおいしいものを作れないけど、 おいしいものを食べるのは大好きです。いつも会費以上の 温かいおもてなしをいただけて、心がほっこりします。 こういう、気兼ねのいらない大人の友達って、 年をとるにつれてますます大切だなあと思うわ。
娘は幼稚園のお店屋さんごっこで31個の商品を買ってきましたが、 そのうち実に28個が食べ物だったほど、食いしん坊です。
中川家に差し入れする飲み物のリクエストは「水」でした。 ジュースだと味がわからなくなるからという理由です。グルメな6歳。
「中川家には浄水器があるよ」といったら「きゃあ」と喜んだので、 「え、うちにもあるよ」と浄水器の説明をしたら急にがっかりしている。 スポーツクラブや駅などにある、ペダルを踏むと水が出るでっかい 給水機だと思ったらしいのです。普通の家に、そんなもんあるかいっ! と突っ込んだけど、でも、確かにちょっと心ひかれるね……。あれは一体いくらぐらいで 買えるものなのでしょう? 御存じの方、教えて下さい。←普通の 家に、そんなものを置こうとしているワタシ。
さて、娘は一応全ての刺身をひとくちずつ食べてみて、
「うん、一番おいしいのは、炊き込み御飯のおにぎりだね」
と言っていました。息子はひとかけらもふぐを食べずに、 納豆御飯だけ食べて、あとはずーっと遊んでいました。子供は平和です。
小雨振る中、幼児連れで電車はきついので、車でした。 だから、夜はゆっくり。ああ、楽しかった。
でも、夫は免許を持っていないから、私が運転者です。 おいしい肴とウーロン茶というのは、かなり厳しかったけど、 偉いなあ、ワタシ。ちゃんと我慢して。途中から、ジュースの飲み過ぎで 気持ち悪くなりそうになっちゃった。やはり水がいいね、娘よ。
ひれ酒を飲み忘れたと夫のHPで読んで、ちょっといい気分なのは、 私が意地悪なせい?

 
 

 2003-2-24 
 

いつものように娘P子の英語学校に迎えに行くと、 珍しく福助がしゃべりだした。考えてみると、 彼にとってはなじみ深いアルファベットがそこかしこに、 いや床に敷いてあるラグにまで書かれている、夢のような場所である。
毎日アメリカの友達からもらい受けたディズニーの中古ビデオを、 繰り返し画像が荒れるほど見ているのだ。姪からもらった新品同様の教材ビデオは 実際に擦り切れるほど見た。気に入った教材があり、毎月買っているが、 それまた全部記憶するほど見続けている。
得意げにアルファベットを読み、二桁の数字をすらすら読む2歳9か月。
「すごい、天才なんじゃない?」
「これは、週3回コースでバイリンガルにするしかないよ」
と、周りのお母さんたちは、羨望の眼差しであった。
適度に笑ってごまかしながら、英語って便利。こんな使い方もあったのか、 と、びっくりした。おばかさん隠しとして、とても有効なの。 全国の福助もどきのお子さんを持つお母さん達に、 早期英語教育を勧めちゃおうかしら。
みんな、見事にごまかされます。まさか、母国語が第二国語より 劣っているとは思わないからだね、普通。でも、福助を見ていると、 どうも英語の方が発音しやすいみたいだ。
日本語の方が難しいのではないだろうか……。

福助は日本語で数字が読めない。別に教えられたわけではなく 勝手に数字を覚えたため、彼にとっては日本語の数字などしったことじゃない。 教えられるのが大嫌いな彼は、こちらが日本語で数字を読むと 「ちやうよー、ナィンりィ・ワンぬ」などと ものすごく不機嫌に怒鳴るのだ。
そんなことが3回も続くと、 ムンクの叫びのようなポーズで、「いゃー」と震えて叫びだすので、 面倒このうえない。学校に入ったら教えてもらえることは、 急ぐ必要はないだろう。と、放っておくことになる。
福助は、ひらがなも読むのだが「しぇいかい、次は何かな」 「ちやうよー、もう一回」とへんな合いの手が入る。文字を押すと 読んでくれるおもちゃの影響で、読んだ文字には、必ず戸田恵子の声で 合いの手が入ると信じているのだ。
時々目をつぶって棒を持ち、片足だちしてふらふらしていたり、 頭を横に振りながら白目をむいていたり、 やはり福助がボーダーの人であるのは間違いないだろう。
意味不明の挙動が多すぎる。
これは、その場を目撃した人なら、ちょっとした衝撃を受けるはずだ。
「さささ、さすが教祖の息子だよね、あれは……えーっと、瞑想?」
と、リアクションしたママ友もいた。
でもね、可愛いんだー。だから、いいの、いいの。

言語なんてたかが道具だ。
問題は、その英語で何をするかだ。
なのに、英語ができることが、何か特別なことになっているのは変ね。
しかしそれを隠れみのに使おうとした姑息な私も責められるべきだ。
苦手な母国語の修得を拒絶している言語感覚の悪い福助を、 語学の天才呼ばわりされると、お世辞半分にしてもそのメッキは, あまりにもみっともない気がして、一生懸命教育していない私自身を、 少し恥じた。新聞投書で「早期教育よりも正しい日本語を」などと 口うるさい年輩者に、たたかれそうじゃない?
私は英語を話すし、旅行程度ならまず困ることはない。
でも、私の話す英語は、いってみれば犬掻きで50メートル泳ぎきれるぞー、 みたいなもんで、かっこ悪いことこのうえない。
誰もが憧れるイアン・ソープの泳ぎのような、華麗な英語は、まず 無理だ。でも、競技会に出るわけでも、通訳になりたいわけでもないので、 困ったことにはならない。中学生程度の英語力と辞書があれば、 アメリカの大統領にだってメールが書けるし、外国人の友達だって 作れる。それは私の英語力ではなくて、キャラクターの問題だ。
多くの人はイアンのように泳ぎたがるが、水泳するなら、 まずは面かむりが待っているということを、忘れてはならない。
大人になってからイアンのように泳げるようになるのは難しいように、 流暢な英語を話すのは無理がある。なのに、語学学校は三か月もやれば 外国人になれるような宣伝をしていて、腹が立つ。
子供が言葉を話しはじめるまでだって、 毎日言葉かけをして平均二年を要するのに、 「そんなはずないじゃないかー」と、しみじみ思う。
私は溺れなければイイや、という英語を目指した。
そして、楽しく、習うより慣れた。
よく、「RやLの発音が」などと言う人がいるが、第二国語同士で 問題になったことはないし、万が一「あんたのRはやはり日本人だから 下手だよなあ」などと言うやつがいたら、 そんなやつは友達にしてやらなければよいのだ。ああ、つい英語について 熱く語ってしまったわ。どうでしょう、みなさん!! って、青春メッセージか?

福助は、はたしてこの後、どうなって行くのかわからない。
この日記を書いている今も、キッズチャンネルを録画したテレタビーズを 繰り返し見ている。まあ、好きならそれがいいんじゃないか。 無理をかけてもなあ。と、いい加減な親
子供は可能性の固まりだと言う。福助は、このまま きちんと教育すればバイリンガルになるかもしれない。
でも、その前に母さん、 うんちを教えることを身に付けてほしいんだよなー。日本語でも英語でも、 何でもいいからさ。
あ、何だ? 臭いぞ……言えよな、ビデオに語りかけていないで。

 
 

 2003-2-26 
 

テツ&トモが出るので「踊る!さんまご殿」を見ていたら、 相田翔子が「手はドアを閉めようとしているが、頭はまだ室内を 見ようとしているため、頭をドアにはさんだ」と言うようなことを 話して、爆笑を誘っていた。
「頭はないよなー、せいぜい足先か指を挟む程度だよね」と 笑っていたら、夫が、吐き捨てるように言った。
「よく見ろ、アレが世間一般のリアクションだ。 普通は足先も指先も挟まない。俺は、おまえと結婚してから ちっとも珍しいことじゃなくなったから、 そんなに爆笑できなくて、何か、損をした気分だ」
……そう、いわれましても。
夫が私を見て、「変わった生物と暮らしているようだ」と言い出したのは 新婚当初からだった。それはひとえに、私が都会人で、 あなたが田舎育ちだからよ、ほほほ。とかわしていたのだが、 夫が言うのは、この「おっちょこちょい」のことだったのか。
でも、模様替えをすると、実によく家具に当たると言うのは、誰でも経験 することだと思うけどなあ。すぐには慣れないと言うタイプの人って、 いるよねえ? 
相田翔子は、そういうタイプの最強バージョンなんだと思う。
私の場合は体重が10キロ増えた段階で、自分の幅がわからなくなり、 通れると思って通れない、と言うことを繰り返した。
体中痣だらけだが、 ぶつかった記憶がないので、「もしや、白血病!?」と、真剣に疑った ものだ。
以来夫は私の「もしや重病で死ぬのでは」という言葉には全く 耳を貸さない。
ドジ、という言葉はもはや死語だが、ただそれだけのことだと私は思う。
「いいじゃん、白血病じゃなかったんだから、その事実を寿げよ」
といっても、夫は困ったような顔で私を見るだけであった。

どこを、どう見るかなんだと思う。
「心配をかけて、ばか」というか、「何でもなくてよかった」か。
私は圧倒的に後者なんだよね。
叔父が一人会社役員、弟が公務員という以外、 3親等内に勤め人がいないほど、楽天家が揃っている 親族の中でも、おそらく不動の楽天家王だ。
その単純な思考は、時として人を困らせるが、 私はめったに困らないので、よしとする。

そんな楽天家でも、たかがe-mailの署名で、世界が動くとは思っていない。
でも私、やっぱり友人からの手紙を黙殺する気にはならなかった。
で、私の友達に、私の気持ちを書いてくっつけてメールを送ってみた。
この英文手紙を知り合いに送ってくれ、というのは無視して、 (そうしないとチェーンメイルになっちゃうもんね) 私に署名を返してもらって、それをアメリカ在住のYOKOさんに 送り続けた。その署名をYOKOがまとめて、国連と大統領に 送ってくれることを前提に。
さらに、自分にできることを考えて、大統領に手紙を 書いてみた。直接リンクも貼ってみた。それはとてもとても 小さなことだとわかっている。でも、何もしないで戦争になって 「どうして」と泣くより、ちゃんとなぜ戦争になったかを子供に 伝えるのが母親の仕事だと思うから、 国際情勢についてそれなりに学習したかったし、 今、私はアメリカのイラク攻撃に反対を表明した という事実が、「私にとって」大切だと思ったの。
実際に、いろいろな考え方があって、その反応は どんなものも興味深かった。参考資料を送ってくれる人、 署名反対の立場をわかりやすく教えてくれる人、 デモの場所と参加方法を示してくれる人。
いろいろな人に、いろいろなことを教えてもらった。
だから、私としてはものすごーい収穫でした。
「署名下さい・迷惑メール」になっちゃった方々には、 本当に申し訳なかったんだけど。

国連の公式サイトで、「チェーンメイルにご注意」と 呼び掛けられている、と、いしかわじゅんファンからご丁寧な メールをいただき、「うわぁ、そういうこともあるのか」と インターネット初心者は驚きました。
あさみさん、ありがとう。
でも、「反対!」って思う気持ちは事実で、そういう想いが もしかしたら大きな力になるかも。 という気持ちが捨てられない。いたずらのつもりなら、 「愉快犯」に、私は怒鳴りつけてやるが、案外本気ではじめたら、 結果的にチェーンメイルになっちゃっただけかもしれないし。
どうも、そのチェーンメイルは「ワシントン国連広報センター発」 と名乗っているらしく、それは嘘だから、ダメだけど。
私に来たYOKOさんからの手紙には、国連広報センターは 名乗ってなかったので、数が力を持つことを祈りたいなあ。
ただ、500人の署名を集める、というあたりが、微妙によく 似ているので怪しい。500人じゃなくても、YOKOさんは、 多分国連と大統領に、送りつけてると思う。彼女のことだから、 プリントアウトして直接持って行きそうだな。
署名する--それは微々たる自己満足でも、 考えるきっかけにはなったから、私にはOK。
見方の問題なんだけど、これも。

You may say I'm a dreamer.
But I'm not only one.

http://www.unic.or.jp/
 
 

 2003-2-27 
 

夫と怖い話をしていたら、眠れなくなってしまった。
ああ、なんでそんな話を振ってしまったんだろう。
後悔、しきり。どんなホラー映画よりも、私にとっては 怖かった。脇の下と鼻の頭に脂汗をかき、両手がしびれる。 後頭部がずきずきする。心臓がきゅっとなって、痛い。
しかし、内容は内緒なのだ。「背筋がばりばりになるほど怖い話」 を想像して、お楽しみ下さい。

さて、福助保育園児計画が頓挫した。
昨日、 「入園第一次選考の結果について」のお知らせが来て、 ご希望に添えませんでした。と書かれていた。ショック。
これで仕事復帰の道は閉ざされ、私は福助といちゃいちゃして あと一年を過ごすのだ。それがお上からのご神託である以上、 仕方ない。
それもまあ、悪くないな。
と、余裕がある人から、チャンスははく奪されるべきなので、 今回は自分のことでは憤怒しないのだが、しかし「働きたい時に 働けない」、「学びたい時に学べない」という状況は、どうよ。
私の場合は、 確かに内職程度と、HPの更新の充実と、テニス三昧と、 できればちょびっと頭の方も磨かないと錆びちゃうわ。 というのが目的だったので、 いい。正直申告したのだし、選にもれて、文句なし。
でも、切羽詰まっている母親は、どうするのか
。 保育園を必要としている児童が世田谷区だけで2283人いて、 入園可能数は1374人。900人近い子供は、補助金が出るものの、 民間の保育室か保育ママに頼むことになる。900人の子供のうち、 何人のママが緊迫しているのかは知らないが、私はそんなに大勢が 路頭に迷っているとは全く知らなかった。ふらっと行って、 「じゃお願いしまーす」みたいに預けられるぐらい余裕がないと、 親の急病だの、虐待児童の保護だのに対応もできないだろう。
育児援助という受け皿がなくて、働くのは大変だわ。
なんか、今まで認識が甘かったです。
働くママさんたち、ご苦労さまです。
結局、福助には何か習い事をさせて、 社会性を学ばせることになるのか。
または公園や児童館に、行くのかなあ。出会い系サイトみたいで、 いやなんだよなあ、「初めまして」から、始めるの。
………くぅー、想像しただけで面倒だ。
何かリコメンドがありましたら、お知らせ下さい。また、 一年のブランクがあるけど、水泳でもやるかなあ。 私が水着になることに抵抗があるんだけど。肥満の目立たない全身黒水着でも、 お腹に天然の浮き袋っていうか、 タイヤつけているみたいなんだもーん。
「浮沈のモ―リス」
とか、つぶやいちゃうんだもーん、自虐的に。
おっぱい、腹1、腹2という体型は、ちょっとね。 腹は、ひとつでないとね。西洋のスノーマンじゃないんだから。 あ、アレは顔、腹1、腹2だけど。
なんか、これはこれで怖い話になってしまったわ。それでも、 ダイエットを志さないのは、ひとえに面倒なことがきらいだから、だな。
なんかさー、みんな痩せ過ぎーっ!!
ダイエットは今や一兆円産業だって? その分でおいしいもの、食べようよ。 どれほど買えるか……(うっとり)。
そして、もうちょっと、太ろうよ。すると、平均値があがって、 助かるんだけどなあ。だめ?

 
 

 2003-2-28 
 

高校時代の友達の吉田順子さんが、突然メールをくれました。
「今日夕刊で本が紹介されているのを見てビックリしました。 しかも、”可愛い”と書かれていたではありませんか!! よかったね。本もたくさん売れているみたいだし…。」

メールも嬉しかったけど、内容も嬉しかった。「かわいい」、そんなことを 言われたのは一体何十年ぶりでしょう。というわけで、親兄弟を 総動員して「どの夕刊か調べよ」と言ってみたのですが、結局我が家で とっているところの(あら、関係代名詞だわ)毎日新聞に、夏目房之介さんが夫の 「アジアを喰う」を紹介しつつ、新刊の回転の早さを憂いて下さっていたのでした。
これだから、毎日新聞はやめられないぜ。
昨日は風邪気味と睡眠不足で、早寝したので夕刊を読んでいなかったのに、 毎日の習慣ですっかり読んだつもりでいたのよね。なんとも間抜けな 通達でありました。
ああああああ,なんということでしょう!! 夏目さんは、「アジアを喰う」 のコラムで使われている、香港でとった結婚式の写真を御覧になって(んもー、 敬語です、敬語)
「何だ可愛いじゃない。みそさん、マンガの 『嫁』、ちょっとひどくないか?」
とまで、大新聞の御コラムに、書いて下さったのでした。
すーばーらーしーいー(はーと)。ちゅっちゅっ(キスキス)。
写真撮影から10年、確かに10キロ以上は肥えてしまったものの、 夫が描く私は、確かにひどい。ひどすぎる。
でも、誰も「ひどい」って賛同してくれないのねー。
いしかわじゅんさんですら、かつて一度だけ、私をとんでもない「鼻女」に 描いたので、「ああ、そうなのね、私は悲しい鼻女」 と己が醜い姿にくやし涙ををたらーり たらりと流していたのだった。
ま、いしかわさんの描く女性は「いしかわさんの好み」だと可愛く、 「そうでない場合は」とんでもなく描かれるらしい、というのを 横山宏夫人・りっちゃんに聞いていたので、ま、いいか。と、納得 したものの、(ちなみに、りっちゃんは美人に描かれていたのだったが!!) 夫の友達はみな夫の描く私を「似てる」というので、 私は自分への歪んだ認識を改め、すっぴんの太った気のいいおばちゃん 街道まっしぐらだったのだ。
ああ、まだ太る前のワタシを 「可愛い」と言ってくれる、夏目さんのような殿方が 近くにいてくれたなら!!!  私の人生も、違ったものになっていただろうに!!
初対面で、
「いやー、みそさんの奥さん、似顔絵そっくりですよね」
と言うやつは、私の敵である。
「なんだ、似顔絵よりは美人ですよ」
と言う方とだけ、お友達になりたいものである。
というわけで、今日から夏目さんをこっそり、「心のボス」と 呼ばせていただきます。ボス、いつもそばにいてね。
「心のダーリン」でもいいのですが、 ま、ご迷惑でもありましょうのココロ。
夏目房之介さんの審美眼が、ものスゴーク狂っていないことを、 心から祈ります。

 
 

  
 
日記
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