2月に亡くなった友人を送る会が駒場東大前であったので、昼からビールをちょこっと。
2次会は失礼して、いったん家に戻り、仕事関係の打ち合わせで渋谷。ペン入れしなきゃいけないんだけどなあ。
焼き肉を食いながらねっとりと漫画の話。多少軌道修正をすることにした。少しマッコリ。一度飲み始めるとだらだら飲んじゃうなあ。いかんぞう。
帰りの電車で座っていると、目の前のOL二人の会話が耳に入ってきた。
「コンタクトって出来ないんだ。あたし角膜がめくれちゃってたから」
「え。そうなの?」
「言わなかったっけ。昔さぁカラーシャーペン流行ったでしょ? カラーの芯。そうそう。あれをこうやって目の前で見てたの。芯の先んとこ。そしたら後ろから友達が脅かして押したのよ」
しまった聞かなきゃよかった。と思ったときはすでに後の祭り。オレの一番苦手な痛い話は架橋に入る。
「目の真ん中のとこ刺さっちゃって?。すっごく痛いの。あいたたたたって。そのまま家に帰ったんだけど、いつまでも痛いから病院に連れてかれてー。そしたら角膜がめくれちゃってるって。あと1ミリ深かったら失明してたよって言われてー。うん。しばらく眼帯してたんだけど、そのシャーペンみたら金属の先端のとこ? ゼリーみたいなのついてるの。ああこれが角膜なんだなって」
うひー。オレは奥歯をかみしめながら聞いていたが、ゼリーのくだりで両足をばたばたさせてしまった。聞きたくて聞いてるんじゃないのに、聞いてないふりをしながらばたばたと。周りを見回したが、角膜話を聞いているのはオレしかいないらしい。
「だから今でもとがったものが怖くて」
「あーそれで先端恐怖症なんだ」
「うん。でもその押した子って今でも友達なんだよね」
「そういえばあたしも、前に男の子を怒らせちゃった時があってね、ぱーんってたたかれたの。そしたら鼓膜が破けちゃって」
「えー、鼓膜破れるとどうなるの?」
「ずっと『キーン』って音がしてる」
「でもよかったね、二人とも再生できるところで」
よかったね。じゃねえよ! 目の前で足をばたばたさせてるおっさんの気持ちは? このゼリーのもって行き場は? ということでこの場に持ち込んでみました。
ああ痛い話は話すと楽になるなあ。