手抜き家事術 最新コラムへ コラムメニューへ戻る

 手抜き家事術・その1  
 
コードレスの掃除機を使う。
掃除機には延長コード、一度スイッチを入れたらそのまま全室かけてしまう。というようなことは、バキュームの音がこわい私にはできませんでした。
何度もトライして、結局最後はほうきだぜ。クイックルもいいんだけど、集めたゴミがとれません。
そのまま別の家事に取りかかっているうちに、ゴミの山を踏んじゃったりしてね。
散らしちゃって、「うーん、まあいいか」←よくない。
ところが、コードレスの掃除機を購入したとたん、すごいいい感じなの。これは10分で充電が切れる。
この時間を区切れるのが私には最高によろしい特典で、集中してばばばっと掃除をする気になるわけです。
だって、10分だもん、わずか10分ぐらい、あの音だって耐えられるわよ。コードレスだから、思い立ったらすぐできるのも、ナイスです。右手に掃除機、左手にクイックルという超丁寧コースだって疲れません。(私にはそれが精一杯、超丁寧な掃除なのよ)。
10分たつと徐々に電池が切れて「お疲れさまでしたー」という感じも気に入っています。
だいたい月に一個は うっかり食器を割っちゃうんだけど、そんなときもコードレスはタッチ&ゴーで大変便利です。
 
 

 手抜き家事術・その2  
 
食器洗浄機を使う
ずーっと前、仕事仲間づてでちょっとしたインタビューに答えたことがある。
食器洗浄機ユーザーの声を聞く、と言う週刊誌のネタでした。
電話で答えて謝礼までいただけて、なかなかおいしいお仕事だったんだけど、そのときに「主婦なのに、食洗機が必要ですか」と女性ライターにいわれて、驚きました。
子育てをしている主婦はさ、お外で仕事をしている女性とは違って自分の自由な時間がほとんどないんだよー。
だから、なんとか時間をつくり出さないといけないんだよー。
しかも共働きの夫のように家事を分担してくれる確率は低く、専業主婦こそ、食器洗浄機は必需品だと思うよー。
と、諭したんですが。 我が家の場合は、一般家庭の家事参加データを突き付けて、夫に皿洗いを強要するか、食器洗浄機を買うか、という二者択一を迫り、あっさり購入が決定。
業務用メーカーの家庭普及版を9年前に導入しました。
1回わずか6分間(しつこい汚れには12分モードあり)熱湯で洗って、放置すれば勝手に乾く優れもの。
お茶を飲みながら新聞も読めます、バソコンもできます、あ、夫婦の語らいも大切にね。
このコは大変な働きもので、9年働き続けても、故障知らずです。
 
 

 手抜き家事術・その3  
 
電気鍋を使う。

電気鍋は、家族より友達より何より仕事を愛した母が、一時とてつもなく愛用していた品物です。飽きられてあっさり捨てられたので、懸念はあったのですが、同じデザインのものを見つけたら無性に欲しくなり、購入しました。
幸い、我が家では今の所まだ大活躍です。
冬場はとりあえず、温かいスープさえあれば、食卓は幸せな湯気で包まれるもの。骨付き肉や牛筋など、一種類の肉をテーマに、たっぷりの水にひたして、調味料で味を調えて、場合によってはハーブなんかも入れてみて、適当に野菜も入れておくと、翌朝にはそれなりになっているから有り難い。私はおよそ料理ができませんが、この使いまわしがきくスープおよび下ごしらえのできた肉や野菜は、もうひと手間で一応料理らしく変身し、それも手をかけた料理みたいにみえるので、気に入っています。
しかも、電気をオンにするだけで、二三日、持つしね。煮物なんかも、レシピ通りの汁を作って一晩ことこと弱で煮込めば、これが料亭の味さ。おいしい汁はもちろん別の材料で次の日にも使いまわせるし。楽ちん。
きっとこういうことって、みんな母親に習って知っているんだろうなあ。と思いながら、しかしまあ、電気鍋の便利さはある意味、母からの伝承なわけで、こんなのもまたアリかなと、思ってみたり。

 
 

 手抜き家事術・その4  
 
冬場はフリースの室内履きを雑巾として使う。

100円ショップで何げに買ったフリースの靴下が、大当たり。
暖かくて足音がしなくて見た目もスマートで、しかもほこりを吸収してくれちゃうんだ。そうです、靴下というよりは、私の簡易雑巾として、こいつをお勧めしちゃいたいわけです。洗濯も簡単、毎日洗っても丈夫だし。
これ、本当に100円でいいのかなあ。
水仕事の最中、おっと、水滴がこぼれた。
足できゅきゅっと拭いちゃえば、フリースの靴下が全部吸い取ってくれる。
ああ、階段のこんなところにほこりが。
足できゅきゅきゅっ、お掃除完了。ああ、わんだほー。
以前、モップがついた雑巾スリッパを愛用していたことがあったが、あれはダメです。見た目が美しくないし、洗濯はしにくいし。いかにも安っぽいでしょ? そこいくと、フリースの靴下は、雑巾じゃないもん、靴下だもん。温かいので、私の嫌いな、ついどこにおいてきたかわからなくなって脱ぎ散らかしてしまうスリッパも不要。外出するときには一応脱ぐので、そこで洗濯物にして、次の控えをだします。
でも、ときどき間違ってそのまま履いていっちゃったりもして、私のサンダルは、雑巾代わりの靴下に踏まれているわけで、ちょっと可愛そうかも。

 
 

 手抜き家事術・その5  
 
洗濯機はドラム式で乾燥機も使う。

きちんと素材別に区分けして洗濯できる、クリーニング屋さんのような人は、どんな洗濯機でもいいと思うけど、私のように洗濯は色物も柄物も、うっかりウールまで一緒にまわしちゃったなんてタイプには、生地をいためにくいドラム式がお勧めです。しかも、乾燥機能が付いているから、電気代さえ目をつぶれば、「干すの面倒だなあ」「天気悪くて結局アイロンで乾かすことになりそうだなあ」なんていうときにも、スイッチ一回で洗濯終了。とりあえず、きのこを生やす心配はないわけだ。
そうです、昔、大学の寮で、見事につけおき洗いの洗濯物を腐らせた過去を持つ私です。そんなことをしたのは寮始まって以来、私とO先輩だけでした。先輩の場合はふとんをカビさせたんですけど。O先輩とは別の部屋だったのに、未だにおつきあいがあります。先輩も専業主婦です。お互いに心配しあっています。
それはそうと、その反省は、「洗濯物をためない」という鉄則になりました。エライなあ,オレ。(笑)
気に入っているのは、ぬれ物を一度畳んでから干すこと。夜洗濯機をまわして洗い、畳んだ洗濯物をベランダ前に置いておけば、忘れちゃって洗濯機の中でじっくり腐っていく心配もありません。しかも、アイロンいらずです。
なんか、ヤバい懺悔をしているような気分。普通は、こんな失敗って、ないんでしょうかね?

 
 

 手抜き家事術・その6  
 
電子レンジはオーブンと兼用を使う。

電子レンジと言うのが、私にとっては長いこと無用の長物でした。
とかいうと、「じゃあ、冷凍食品を使わないんですね」と、独身のときには「嫁候補ポイント、上昇!!」のまなざしで男性から微笑まれたりしたんですが、何のことはない、料理というものを全くしなかったんです。ミルク一つ、温めませんでした。当時の私の調理器具は、フライパンとやかんだけでした。
当然、夫が電子レンジをお婿入り道具として持ってきても、使い方すらまともにわからず、ほとんどほこりをかぶっていたのでした。
ある日、料理上手の友達にそそのかされて野菜の下ごしらえに使うと便利。と言われ、ポテトサラダさえ食卓に乗ってればご機嫌、と、夫の動向はわかっていたので、じゃがいもを電子レンジでゆでました。
ゆでたまではよかったのよね、そのまま忘れなければ問題はなかった。
そして、電子レンジは使われないまま、何日も経過して……。
えーと、えーと、結果、思い出すと泣くほど怖いものが棲息してしまい、思い出すのも怖いので、忘れます。
今は、さすがにそんなことはないなあ、と思ったら、これ、トースター機能がついているの。グリルは使わないので、焼き魚もローストお肉もトーストもお餅もオーブントースターで焼く昨今、ときどき電子レンジを使って忘れちゃっても精々一日しか放置されないのでした。まだ、忘れるんかい!と、自嘲を込めて、突っ込んでみました。

 
 

 手抜き家事術・その7
 
洗剤は一種類を使う。

まずいとはわかっていても、新しい缶ジュースを見ると飲んでみずにはおれないキュリアスU子が、新しい洗剤の類いに手を出さないはずもなく、ありとあらゆる新製品を使ってみました。
で、結局今のところ気に入っているのは、オレンジが配合された薄めて使う洗剤と、密度の濃いスポンジで、消しゴムみたいに茶渋も落とせるアレ。
その組み合わせで、クレンザーもいらないし、専用の洗剤も不要なのね。
なんか、今まで買ってはみたもののいまいちで、使わないまま半分残っている洗剤達をどうしたらいいのだろう。しかも、テレビショッピングの通販を見ると、とんでもなく落ちる新商品の洗剤が欲しくなっちゃうのはどうしてなんだろう。
これは、ちょっとした「疑似浮気」なのかもしれない、と、思います。
「私はこれを選んだの、人生を共に生きていくと決めたのよ」
という意志と、「ちょっと試してみれば? こっちのほうが、いいかもしれないし」
と、囁く悪魔の声と。そして、それに抗えない、本能に忠実な女のワタシ。
ああ、いけないと知りながら、女はそれに手を出してしまうのであった……。
そんなことを考えると、まあ、無事に本当の結婚生活を維持できるのも、新商品のおかげかなという気になり、私の上を通り過ぎていった洗剤達は、そのうち思い出して処分されるのでしょう。不経済だったなあという反省と共に。

 
 

 手抜き家事術・その8
 
コーヒーメーカーを使う。

初めて会社に行ったとき、お茶汲みを命じられて、 ひきたてコーヒー豆をインスタントコーヒーと思い込み、 バリ島のコピのようなコーヒーをサーブし、伝説になりました。
知らなければ、そう思うって。バイトしていた喫茶店では マスターがサイフォンで入れていたし、私の実家では コーヒーといえばインスタントだったんだもん。
しかし数々の失敗を繰り返し、お茶くみは大好きになりました。
だから、最近まで全くコーヒーメーカーは使ったことがなかった。 一度、ティーサーバーを引き出物でいただき、中で茶っぱを腐らせてから 手を出さずにいたのです。(引き出物に 電化製品はやめようよ、壊れるんだから)
しかし、1280円の誘惑に負けて、買ってみたらこれが便利。まさしく 文明開化。
夫婦揃って立派なコーヒー中毒なので、日に何度も入れます。
「流れる水によどみ無し」と信じてお手入れは軽く水洗いだけでOKだし、 食事前に仕込んでおけば食後のお茶もすぐに出せていい感じ。 もちろん、日本茶の茶葉もペーパーフィルターを使います。
デメリットはちょっとぬるめなのでお客さま用としては使えないのと、 日に何度もやかんで湯を湧かしていたときには、そのスチーム効果で きれいだったガスレンジの壁の、油汚れが落ちにくくなったこと。
便利って、なんでも、ちょっと不便なんだよね。

 
 

 手抜き家事術・その9
 
洗濯畳みにテレビを使う。

ぬれものを放置することはしないけど、洗濯後の洋服は平気で放置してしまいます。
小さかったお山はすぐにむくむく成長して、我が家では「平成新山」と名付けられ、 その活火山ぶりは夫のホームページでたびたび紹介されました。
そこで私は自分の動線をトレースして、一番好きな場所に平成新山を作ることに したんだよね。それなら、まだ小さなうちに必ず片付けられるだろう。
可愛い息子と添い寝できなくなるのはつらかったが、自分のベッドを買った。
そして寝室を思いきり自分の好きなインテリアで固め、居心地良くします。
ベッドサイドには小さなテレビを置きました。これが案外、重要。
それから、乾いた洗濯物は私のベッドの上に放置すると決めます。
たったこれだけなんだけど、夜寝る前に必ずお布団に足を突っ込んで どうでもいいニュースなんかを見ながら、作業するはめに自分を追い込んだら、 なんとちゃーんと平成新山のマグマが止まったんだよー。
ちょっと湿っぽいのは、テレビの上においておくと、すぐ乾くし。
好きなドラマは呼吸を止めてみるタイプの私には向かないので、 ビデオはダメです。このテレビの持つ、だらだらさが、洗濯物を畳む退屈さに うってつけなのさ。
嫌いなことは好きな場所に。もっとストイックなら洗濯物をリビングに 置くのも手なんだけど、リビングに生活感ですぎちゃうのも……。
どうしても眠いときには息子のベッドで寝ちゃえば、洗濯物を畳むのは まあ、明日でもいいわけだし。こういう「赦し」も、必要かと。

 
 

 手抜き家事術・その10
 
外掃除にはホースを使う。

一戸建ては玄関と門、うちの前の道路も掃除しなければなりません。
我が家は塀境がゴミ集積所でもあるので、なんかマンションの管理人さん気分。 カラスよけまで作ったりしてさ。
で、掃除嫌いの私が考えたのは、水撒きでした。ホースに「ジェット」という、 とびきり勢いのいい水が出る口があるのを買って、このジェット水をほうき がわりにしようと目論んだのです。
全部、水の勢いでゴミを蹴散らしてしまえ。ふぉっふぉっ。
玄関に続く門扉からのささやかなスペースは、水浸しにすれば クモの巣もとれ、ごみも簡単にけちらせます。
お花の水やりもついでにできて、一石二鳥。
夏は水が虹を呼び込んで、気持ちまで涼みます。
玄関扉はスチール製なので、もちろんがんがん水をかけて、 自然乾燥させておけばいいんです。
道路だって、排水溝に砂ぼこりを寄せるように、器用なホースさばきで 一気に片付けます。気分は西部のガンマンさ。朝からひとりでホースを握り、 にやにやしながら水を噴射している女がいたら、それは多分、私です。
吸い殻とか、落ち葉とかは、水の勢いで一箇所に寄せて、 あとでちりとりでひとすくいして完了。ぬれているのですくいにくいのが 難点です。

 
 

 手抜き家事術・その11
 
お弁当には素手を使う。

朝は忙しい。とてもとても忙しいです。
ギリギリまで寝ているから余裕がありません。
睡魔と戦う、と俗にいいますが、勝つことが大好きな私なのに、 勝ってもちっともうれしくない闘いが人知れず毎朝繰り広げられている というのは、どうなんでしょう。
とにかく、朝の問題はお弁当です。
基本的なおかずは昨日の残りとソーセージと卵焼き。
で、時間短縮のためにする荒技その1が、素手をつかうことです。
ごはんこそ、熱いのでしゃもじを使いますが、 あとは菜ばしなんか使わずでよく洗った手でつめます。
どこのお弁当屋さんだって、ビニール手袋をして手でつめているのを見て、 手でやってみたら、これが早い。しかも、きれいにかっちりつめられる。 大丈夫、誰も見ていやしません。
昼食だって、夕飯だって、急ぐときには 手を使えばいいんです。オーブンから取り出すときに落としちゃって もう一回焼いて消毒するより、手をぱんぱーんと強くたたいて簡易麻酔、 すすっと手づかみした方が、安全確実です。
でもグラタンとかにはちゃんと鍋つかみを使った方がいいと思う。
男の料理はおいしいっていうじゃありませんか。
ええー、野蛮?! と思わず、適度にワイルド、男の料理みたい。というので、 どうでしょう。

 
 

 手抜き家事術・その12
 
冷凍食品を使う。

娘の幼稚園では冬期、あったか弁当にします。
耐熱性のお弁当箱に、過熱保温してもいいものだけを つめていくわけです。
で、これは担任の先生がおっしゃっていた知恵なんですが、 お安いM社のハンバーガーを冷凍にしておいて、時間のないときには そのままお弁当箱に。するとお昼頃にはまるで作りたてのように ほかほかなんだそうです。
中には冷凍食品禁止をうちだす幼稚園もある昨今なのに、 娘の幼稚園は全くもって、すばらしい。
手作りパンが趣味のママ友は、弁当箱の中に冷凍シチューを仕込み、 フォンデュのようなお弁当を展開していました。
カレーの場合はカレールーを下に敷いて、上から御飯を のせておくと、一見日の丸(梅干し無し)弁当が、 あら不思議、掘り起こせばカレーライスに。という 裏技もポピュラーです。急ぎのときにはレトルトを敷いても OKさ。
そんな幼稚園なので気楽に「麻婆春雨弁当」を持っていかせたら、 さすがに娘は「アレはないよ、おかあさん」と 文句を言ったのでした。
ふたを開けたら春雨がどーん。
茶色一色のインパクトで負けたか、やっぱり。好物なのに、残念でした。

 
 

 手抜き家事術・その13
 
アイロン代わりにお尻を使う。

乾燥機で乾かした洗濯物は、しわしわになります。
しかし、それが嫌さに乾燥機を使わないことはできない。
人は一度覚えた甘美なお味を、忘れることはできないの。
……ということは、すっごくHの相性が合った男がいたとして、 例えば経済的な理由とかでその彼と別れてしまったら、 ものすごくつらいんじゃないだろうか。様々な家電を使って便利さを 覚えてしまった主婦が、突然、江戸時代にタイムスリップするかのようなものだよね。
げ。それは、つらい。つらかろう。うむ。
なるほど、処女で結婚するって、かわいそうだと思っていたけど、 悪いことばかりでもないのね。そのよさを知らなければつらくないのかも。と、 ちょっと思ったりした。
それはそうと、しわしわの話でした。処女の後にしわしわ話で、すみません。
乾燥機を使った後のしわしわは、温かいうちにきれいに畳んで、 すかさずお尻の下に敷きます。すると、アイロンをかけたみたいに ちゃんと荒いしわがとれるんですよー。
この発見は感動したので、主婦友達に「伊東家の食卓に出してみようかと 思うんだけど」と喜々として話してみたところ、
「普通、乾燥機をかけてもそんなにしわにはならないよ。あのね、 ゆう子ちゃん、それは入れ過ぎ。容量オーバーなの」
と言われてしまいました。そこんちの乾燥機と違うせいかも、 と思い、念のため洗濯量半分ぐらいで試したら、確かに あんまりしわしわじゃありませんでした。
でも、今でもお尻アイロンを使っている、容量オーバーな鈴木家です。

 
 

 手抜き家事術・その14
 
ハンディミキサーを使う

誘惑に勝てなかった、輸入物の通販グッズです。
ああもう、これ一本あれば、何でもできる。私も明日からお料理上手だわっ!!  と、催眠術にかかってしまって、即買いしたのでした。
でもさ、ミキサーがあればお料理上手になれるのなら、 どこの料理学校もミキサー開発に血道を上げるでしょう。 ……うかつでした。
別に、ひき肉が欲しければ自分でミンチにせずとも、肉屋で買えばいい。 ひき肉は足が速いので、閉店まぎわ、半額になる確率も高いです。 野菜ジュースも毎日は飲みません。ホイップクリームだって年に一度 作ればいい方です。野菜だって、たまねぎのみじん切りにはいいけど、 ちょっと目を離すとたまねぎジュースになっちまって、使えません。
でもね、私はこのハンディミキサーが好き。
だって、手入れが楽ちんなんだもーん。使い終わったら、 洗い桶に洗剤入れて、がががっとまわすだけ。さすがアメリカ人用の機械は、単純明快です。
年に何回かのホイップクリームのために、ジュースやシェイクのために、 私はこのハンディミキサーを手放すことはないでしょう。そういう 面倒なものを作るときに、「後片付けは簡単なんだから」と思えれば、 「うー、面倒だからやめておこう」とは思わなくなります。これって、 家電開発者にとても伝えたいこと。
突然ですが、最近ではこのハンディミキサー、コーヒーミルとして大活躍しているし。 いや、めでたし、めでたし。

 
 

 手抜き家事術・その15
 
友達を使う

考えてみると、私の主婦友達はみなさん、その道のエキスパート なわけです。これを利用しない手はない。
で、私はこの人のここがすごい。と思ったら、 その方法についてかなり根掘り葉掘り、取材します。
主婦同士、よくあるのはレシピの交換だよね。でも、私は分量を量って何かを 作ることができないので、レシピは受け取りません。
そのかわり、例えば、いつ来ても片付いているけど、秘けつは何?とか。
「押し入れを下半分いつもブランクにしておくんだよ、それで 人が来たときにはざざっと入れ込んじゃう」
「そのバスケット、見てよ。布がかかっているからわかんないけど、 中はおもちゃなんだよー」
……この二人のアイディアは、今、別の形で(コラム16参照) 我が家に取り入れられています。
水周りがピカピカだよね、何を使っているの? とか。
「トイレは毎回使うときに必ず洗面と便器を拭くことにしてる。 それ以外は改めて掃除の必要なしだから、慣れたら逆に楽よ」
「お風呂、最後に出る人が、壁に水をかけるといいって読んで、 やってる。確かにカビは生えにくいよね」
などなど、主婦の何気ない裏技を収集して、私も試すのです。一度や二度、 聞いただけじゃダメよ。大抵の主婦は「たいしたことないよ」 などと謙遜するからね。
中には、手作りインテリアについて聞いたら、簡単だから作ってあげる。 好きな布を買って持っておいで。と言って下さる方までいて、 ものすごーくラッキーな気分。
苦手なことは、得意な人に。これ、仕事の鉄則ですね。

 
 

 手抜き家事術・その16
 
スタッキングバスケットを使う

カラのときには内部に重ねて収納。取っ手の部分を広げると、 そこがひっかかって、上に重ねられるスタッキングバスケットは 洗濯物の仕分けに便利です。
我が家では4つ、洗濯機の上においています。(ドラム式洗濯機が便利なのは、 ドアが側面なので、洗濯機の上もフル活用できる点だな)。
「もう一回着ようかな」「ていねい洗い」と大書されたバスケットは 左側に、右側には通常の洗濯かごとして、ふたつ。
そして、干すときにもとりこむときにも、このバスケットです。
「ああ、だるぅ。今日はもう洗濯物を畳みたくないなあ」
と言うときには、クローゼットに押し込んで、本日の家事終了。
このバスケットが入るスペースを常に確保してあるので、 洗濯物の山ができることがありません。しかもスタッキングできるから 二個までは隠せます。ふふふ。
もう一つ、クローゼットには通称「ルイーダの店」があります。
まいごになった靴下専用の箱です。ドラクエにあった、 「出会いの店」の名を勝手に使わせていただきました。
なぜか片方しかない靴下は、迷わずこのルイーダの店行きです。すると、 何度かの洗濯で、ある日もう一つの自分と出会えるわけです。
「やっと会えたね。こんなに長い間、どこに行っていたの?」
「いろいろ…いろいろあったわ。それより今は再会を祝いたいの」
なあんて会話を想像しながら、私はこのルイーダの店で無事また 一緒になれたペアのソックスを重ねて畳むのが好きです。

 
 

 手抜き家事術・その17
 
紙コップを使う

娘のP子が幼稚園のお仲間を連れてくるとき用に、 アメリカ製の、歯ブラシ後に口を濯ぐための小さな紙コップを 大量に買い込んであります。何人つれてきても、後片付けが楽。 割れない。可愛い。飲み過ぎない。
さらに、 紙コップに自分の名前を書かせます。楽しい練習になります。
小さなカップにお茶を注ぐのも、なかなか難しく、手先の訓練にも なります。こぼしても文句を言わない寛大な心が必要ですが。
そしてお片付けもしっかりさせることができます。たかが紙コップで、 ちゃんと教育の素材になるわけね。
大人達用にも、温かい飲み物が入る使い捨てのカップを用意して あります。ほんの数人のときには、マグカップを使いますが、 結構な人数になったときには、迷わず使い捨てです。後片付けに 気を使わせないですむのが、いい。おいしいお茶を差し上げることは できませんが、誰も私においしいお茶を期待することはない と思いますので、こんなもんです。でも、ギリギリまで楽しい 時間を過ごせます。
娘のお友達でも大人びたレディたちには、こぶりのティーカップ を用意し、ちゃんとアフタヌーンティーにすることもあります。
毎回紙コップと言うわけでもないのよね。
人気があったのは、いろいろなキャラクターカップに順番を振って、 くじでカップを決めたことでした。あみだくじでも、くじ引きでも、 異常に盛り上がりますし、子供の性格もよく見えます。ちなみに、 娘のP子はどれが当たっても、「やったー。これが欲しかったの」 という、結果オーライなやつでした。

 
 

 手抜き家事術・その18
 
魔法瓶を使う

魔法瓶というネーミングはすばらしいと思います。 なんたって、魔法だもん。最も身近な魔法を、 使わない手はありません。
私は主に、ママ友が遊びに来る前に、魔法瓶の中に直接 コーヒーを入れてしまいます。結構お変わり自在で、 セルフサービスな感じが遠慮もなくすし、家の主人が お茶を入れるために中座する不合理もなくてすみます。
味を追求する方や、貴賓席をご用意する向きには、 ちゃんとジノリのカップも温めて出しますし、緑茶党が 揃ったときには、酸化して色が悪くなるので 魔法瓶が使えないんだけど、 「おしゃべりを楽しむ」のが目的のときには、魔法瓶の コーヒーで十分だと私は思っています。
ここでポイントは、思いきってお気に入りのデザインの 魔法瓶(ドイツ製)を買ったこと。半額以下で機能ばっちり の日本製が買えたので迷ったけれど、リビングに置いて かっこいいやつの方が、絶対に使うな。と確信していました。
機能はさ、どうせ少しの間、温かければいいんだもん。
おかげで、冬はコーヒー、夏は氷水を入れてテレビの横に置きっぱなし。
ちょっとザ・プラクティスの法廷みたいで、かっこいいです。
福助のボール遊びで的にされて、棚から落ちてへこんでいて、 「異議あり!! 」な感じですけど。

 
 

 手抜き家事術・その19
 
ランチョンマットを使う。

苦手なことから徹底的に逃げてきた、根は卑怯者かもしれない私は、 卑怯者に対してとても厳しいです。
でも、自分を卑怯者と認めないのが、卑怯者の卑怯者たる所以ですから、例にもれず、私も手抜きはただちょびっと姑息なだけ、 決して卑怯なことではないと言い聞かせています。
そんな私でも、かなりためらうのが、この姑息ぶりです。
ランチョンマットを使う。
テーブルセッティングをちゃんとして、出すものはごく、簡単。 パスタとか、カレーとか、一品料理のときには必須テクニックです。
ただの一品料理だと、「なんだ、これだけなの?」 という夫が、ランチョンマットとお飲物ひとつで、 不思議と文句無しになっちゃうの。見栄えに、だまされるらしい。
和食には、料亭のような盆を使います。飯椀と汁碗、焼き魚と納豆。 これだけなのに定食屋さんみたい。あれば小皿に沢庵もつけると、もう なんか「ちゃんとした」一食に見えるので、私がお出かけするときには、 もっぱらお盆で、おいていきます。急ぎのお夕食で、寂しいおかずの ときにも、便利。
コツは、お水用のコップとお茶用の湯飲みを置いて、何となく見た目を 豪華にすること、箸置きを使って、ちょっと畏まることです。
娘は「朝御飯、バナナとミルクだけなんて信じられないでしょう?」と私の 手抜きを幼稚園で披露して波紋を広げましたが、マットをひいて重ねた お皿でシリアルを出せば、お嬢様モードで食事をしています。単純なやつだ。
食べ散らからないから、あとでお片付けも楽々ですし、時間のないときには ランチョンマットやお盆、利用価値、大です。卑怯かもしれないけどね。

 
 

 手抜き家事術・その20
 
半調理品を使う 。

煮干し出汁のときには頭をもいで苦味を消し、干し椎茸なら昆布を併せた出汁にする。私の料理は「包丁人・味平」「クッキングパパ」「美味しんぼ」など、マンガが参考書ですから、どうしても凝ったものになります。マンガの主人公は料理好きなので作り続けられるのでしょうが、私は料理が大嫌いですから、これが面倒でならない。
で、なんだかんだと屁理屈をこねては、外食やデリバリーを利用していました。そしたら、うち、すごーく貧乏になっていた。レジャーとしてのエンゲル計数、高すぎ。
外食産業が誘惑する吉祥寺から、世田谷の、野菜が無人販売で買える健全な地区に引っ越す。これは意外な裏技でした。私は一応「毎日料理をするお母さん」に変身するのです。 だって、外食するの面倒なんだもん。
……でも、料理が続くわけないじゃん? そういうときは、自分を許すんです。半分味付けがしてある食品を使えばいいんです。完全に調理してある惣菜でもいいけど、高いしさ。半調理食材なら焼くだけなので猿でもできる。皮がむいてある野菜なら、すぐ煮られる。味噌なんかも常に出汁入りで、あっという間にお味噌汁のできあがり。大量に葉物をゆでれば、ついでにおひたしも作れちゃう。そのおひたしにツナやコーン缶をマヨネーズであえて、サラダもどきの出来上がり。
顆粒の出汁の素は、業務用ならとてもお安く、炒め物に加えて美味しい。煮物はつゆの素とみりんでOK。新鮮な野菜にかけるドレッシング、物珍しい各国のソース、そういうのでバリエーションをだせばいいんです。
健康に悪い? なんの、添加物で人は死にません。
「苦手なことは、誰かにやってもらえ」。それが私の座右の銘です。

 
 


 手抜き家事術・その21
 
ティッシュを使う。

ティッシュをもったいなーいと思ってはイケナイ。
Hのときなんか、ばしゅばしゅ使うでしょ? 娯楽に使えて、仕事に使えないなんて変だ。家事で使って何が悪いのか。
というわけで、私はティッシュを多用します。
一部屋に必ず一箱以上常備。そして、「あ、ほこりが」と思ったときには間髪を入れずに必ず拭くというルールにしています。これは私が私自身に課した鉄の掟なので、例え、これからトイレトイレ、ああ大変だわ。という状態であっても、遵守します。
たかだか、ティッシュでひと拭きするだけですが、日々の積み重ねというのは素晴らしいもので、「そのための雑巾がけ」と言うのは年に一度の大掃除で充分なのでした。
ま、人によっては「鈴木の家はホコリっぽい」と思うかもしれませんが、別にここに住んでいる人たちが健康に愉快に生活を営めればいいわけだしね。
いらなくなった布を端切れにして、雑巾に。
とか、週に一度はバケツに水くんで雑巾がけを。
とか、そんな面倒なことは、あいにく私にはできないんです。できないことをやろうとしたら無理が出ます。エコロジストの皆さん、すみません。私の分も、自然を大切にね。
「雑巾がけかぁ、掃除、いやだー」と憂鬱に思うより、ペーパーできゅっきゅっのポイ。アラきれい、という方が、ずーっと家事が楽しいんですもの、しょうがない。
台所で水をこぼせば、キッチンペーパーです。台ふきんだって、水で濡らしたキッチンペーパーです。雑巾がけはクイックルです。そして、使ったら容赦なく捨てます。すぐに捨てればにおいも残らず、布じゃないので洗濯物も増えません。
トイレのタオルもいつのまにか汚くなっているのがいやで、うちではティッシュがおいてあります。感染症予防にも役立っています。
おかげで、神経質にタオルや雑巾をチェックしなくていい。ちょっと森林伐採、地球温暖化の共犯だという後ろめたさを克服できるなら、この方法はお勧めです。

 
 


 手抜き家事術・その22
 
ジャグを使う。

これは、今年の夏に試してみるつもりの計画。
娘の運動会でPTAお茶だし係をやって、「いただき!! 」と思った方法なので、著作権は私に帰属しませんけれども(笑)。
10リットル入りぐらいの、ジャグをひとつ、リビングに合う色で、買うつもりなんです。
そして、氷をどっさりいれる。できれば、牛乳パックで氷柱を作ってもいいかと思います。氷の柱になるまで二日以上、かかるらしいですけれども。マ、氷は冷蔵庫が作ってくれるものですし、楽勝です。 で、ジャグに氷柱と、水だしパックの麦茶を入れます。
あとは、いつでもジャグから冷たい麦茶が飲み放題。そして、ただお水を足すだけで、冷たい麦茶が増殖するしくみ。これ考えた人、頭いい!!
で、それをリビングにおいておこう。というわけです。
小さな子供はいつでも喉が渇きます。そのたびに冷蔵庫をぱたぱた開けて、リクエストにおこたえするのは、面倒。お友達を連れて来た日にゃ、2リットルばかり作って冷やしておいたって全く足りません。しかも、やたら「お水ちょーだい」だの、「ジュースがいい」だの、お子さまは調子にのせると言いたい放題になり、私の大事な昼下がりの時間を持って行かれますから、「自分でやれることは自分で」と、ジャグとコップを渡します。これもまたお勉強さ。しかも、ちいさな蛇口からちょろちょろ出るのは子供も大喜びだしね。
母の手抜きは自立心を促し、冷蔵庫の節電にもなる。素晴らしい。これで夫の水汲み奴隷ちゃんからも解放されるわけで、ああん、早く買いに行かなくちゃ。

 
 


 手抜き家事術・その23
 
洗濯機を掃除に使う。

市販のぞうきんはクイックルとピッタリフィット。これを見逃す手はないです、奥さん。って、私はアヤシイ香具師なのか?
さて、私はそれをまとめて20枚買いました。洗濯する時に10枚ほど一斉に、洗濯機の中に入れてついでに洗い、洗濯物は干すけれども、ぞうきんは干さずにぽいぽいっとバケツに入れときます。
んで、クイックルにくくりつける。
表面、裏面でフローリングを水拭きしたら、またバケツに。引き続き次のぞうきんで水拭き開始。
うちの場合は10枚で、だいたい家中まかなえますが、御殿に住んでいらっしゃる方は更なる枚数が必要だと思います。
それから今度はからぶきぞうきんをセットして、ワックスがけです。しっかりしたワックスをかける時には手でやりますが、月に一二度の簡易ワックスなら、クイックルにくくりつけ布ぞうきんで十分。で、使ったぞうきんはまた、ポイポイバケツに投げ込んでおきます。
計二十枚、バケツにぞうきんはたまっている。静かに汚れたその身や、潔し! お掃除終了と同時に、洗濯機で、使った全部のぞうきんを洗います。次回、抵抗がないように漂泊しておくと直よし。で、今度は洗いあがったのをしっかり干して乾かし、次の掃除に備えるのです。
昔、宅配お掃除で有名なD社を取材した時に「理想的な水拭きの水分量は洗濯機でしぼった状態」と言うのを聞いて、掃除の前の洗濯にはぞうきんにする布切れを忍ばせていました。で、使い捨てにしていたの。でも、布切れは端を縫っていないから糸くずが出るのが難点でした。そこいくと、市販のぞうきんは適度に薄いタオル地で、しっかりミシンがけしてあるので、便利です。
たださぁ、日記にも書いたけど、ぞうきんを買うようになっちゃ、主婦として失格な気は、するんだよね……。それはどうよ、奥さん。

 
 


 手抜き家事術・その24
 
スーツケースを使う。

押し入れのスーツケースは場所ふさぎ。というわけで、我が家では来客用の毛布を入れて、いつ誰が来ても泊まって頂けるよう、静かに地下に眠らせていました。
でもさ、別に誰も来ないのよ。
来る時には事前に連絡をくれるから,ちゃんと客布団を干して、ご用意できるしね。
独身の頃のように気軽な外泊、というのは、主婦にはあり得ないと悟る,39の冬。まして「真冬に地下室で毛布だけ」じゃ、凍死します。
というわけで、さっさと考え方をかえまして,今ではスーツケース(小)は、私の仕事場と化しました。世界を一緒に旅したリモアの余生としては、いい感じ。パソコンと資料を入れて、使います。
これなら、ダイニングテーブルで書き物をしていても,食事前には、ぱたぱたっと片付く。
別に資料なんか必要なかった時も、夜寝る前に読む本がただ積んであるよりは、スーツケースを本棚代わりに使っておけば散らからなかったなとか、思います。大きなスーツケースなら洗濯物を畳むまでぽんと入れておけば,そのまま運べるし見た目も片付くし,便利この上なく。要は、ちょっとオシャレな一時しのぎのツボですから,カゴでもいいんですけど、スーツケースの方がインテリア性は高いな、と。
それに、家事がいつでも旅気分。というのは、なかなかいいものです。ああ、どこかに行きたいなあ(魂の叫び)。

 
 

 手抜き家事術・その25
 
山手線を使う。

けんたという子持ちの女友達がいます。彼女とは経産婦になる前からのお友達だから、子供が出来たからといって全面的にお母さんモードで遊ぶわけにはいきません。
といって、お互い子供もいれば、まあそれなりに制約もありますわね。
新宿で待ち合わせたアジアン・ランチの後、コーヒーを飲みたい。でも子連れで公園に行くのは気分が乗らない。せっかくの「夏」気分が吹き飛ぶ、木枯らしの都心……。公園は意外に目が離せないし、一緒に遊んでやらなけりゃならなかったりもする。
「じゃ、電車に乗ろう」
と、けんたはさくさく、スタバでコーヒーを買い込んで、山手線の入場券を買いました。
昼間の山手線はすいています。
ちゃんと席を確保したら、あとは一周、子守りはゴトゴト勝手に走る電車さんに任せて、周りにご迷惑をかけることもなく、私たちは存分におしゃべりを楽しめたのでした。
制約は工夫で乗り越えればいいのよね。母たちにだって、憩いの時間は必要なんだもの。
これは電車好きの男の子にしか使えない手かもしれないんだけど、電車を移動喫茶店と考える発想がグッドでした。途中でストローを落としても、ママさんバッグは四次元ポケット、けんたが代わりのストローをさっと出してくれて、快適そのものです。一周と決めておけば、時間も読めるし、ついうっかり長話もない。忙しいママさんたち、格安のベビーシッター、山手線君はいかがですか。

 
 

 手抜き家事術・その26
 
バイブを使う。

携帯電話のタイマーを目覚まし代わりにするのはポピュラーですね。独身なら、私は平井堅のささやきで目覚めたいところですけれど、私の横には寝息を立てて、たいてい私にしがみついているいい男がいるので、そうもいきません。
そう、この世で最高にいい男である息子の眠りを妨げたくはない。でも、私の時間を作るために早起きはしたい。
そこで、私はとよえつの主演した「愛していると言ってくれ」を思い出すのです。彼の役は聾者でした。枕にバイブレーターが仕込んであり、目覚まし時計は、音ではなく振動が起きる時間を知らせていました。
これなら、私の腕枕を使っている福助を起こすことなく、私だけが目覚められる。というわけで、携帯電話のタイマーを起床時間にセット、マナーモードにして、眠りにつきました。
慣れるまでは、かなり、びっくりする。
という弱点がありますけれども、これはいいです。使えます。
お友達のプティさんは、朝早く起きてパソコンタイムにあてているといっていました。慣れてしまうと朝の一時は、夜よりずーっと活用できます。うちの場合は特に、旦那が在宅、しかも夜型なので、誰も起きていない一人になる時間が、貴重なのでした。
早起きなんて、眠くてダメ ? んふふ。主婦には、昼寝の時間があるじゃありませんか。
昼寝はした方が健康にもいいそうですし、早起きは三文の徳ですし。早起きして一ヶ月、肌にはとてもいいです。美容液分、節約成功 !みたいな感じです。

 
 

 手抜き家事術・その27
 
本を使う。

料理のときには料理の本。収納には収納がらみの本もテレビ番組も参考にするのに、私、掃除だけは自己流でやっていました。
何せ高校時代、ある教師の甘言に騙されて薦められるまま無試験で入ってしまった良妻賢母製造大学の座右の銘は「ぞうきんと辞書を持って学べ」ですからねー。学寮は6時起床・まず掃除、門限点呼の後も掃除。休日も絶対掃除主義です。当然、入寮して最初に、先輩方から徹底的に教えられるのが、掃除の仕方。自信も持ちますわ。ちなみに、寮にまかないはおらず、寮生が全員の食事も作ります。 7時半の門限後には学長のドーベルマンが構内に放たれ、バイト厳禁、男子禁制、制服着用の厳しい掟と縦社会、ついでに窓は鉄格子で覆われ、ここで二年ないし四年過ごせば、どんなところにお嫁に行ったって通用します。もちろん、刑務所だって大丈夫。
あったんですよ、地方に行くと、そんな女子大が。
ここにはそれまでの人生では知り得なかった個性豊かな諸先輩方がおられ、私は退学勧告を受けた後もこの寮にだけは未練があったんですが、それはまた別の機会に。
で、ぞうきんとパソコンを持って主婦をやっている今なお、もう掃除だけは完璧だと思っていたんですが、プロにはプロの掃除術があったんですね。
例えば、最初に経路をイメージして整理整頓しろとか。掃除用エプロンに必要グッズをさしてから開始せよとか。掃除機は延長コードを使っていっぺんにすますとか。ぞうきんは複数枚用意せよ、掃除用品、洗剤はこれがご推薦など、目からうろこ、落ちまくり。
専門家の書いた本を読むことは「負け」じゃありません。むしろ弱点克服、よりプロの主婦に近づく王道です。家事は自分との戦いを追求するスポーツみたいなもの。となれば自己流は危険ですらある。そういう本を探すのもまた、主婦ならではのお楽しみってことで。

 
 

 手抜き家事術・その28
 
鉢植えを使う。

春になるとお花がきれいです。
友人・Puttiの作る主婦の鑑のようなHPとは違って、私のページではお花の写真を紹介したりフラワーアレンジメントだのガーデニングには無関係。だって、正直、そんな面倒なこと……。どんな鉢植えだって、あっという間に枯らしてみせましょお水あげるの忘れちゃう、私の魔術で。
って、そんな女もいるんです。女はみんなお花を愛でると思ったら大間違い。だから私は切り花が好きでした。独身のときには週に一度花屋さんがお花を届けてくれる契約をしていたりしたものです。金は持ってたからな。ふぉっふぉっ。切り花は、枯れても罪悪感がないから、大好きでした。
ところが、子持ちにはそんな贅沢許されないです。で、最近気づいちゃった。鉢植えの方が切り花よりずーっと安いのよね。しかも、どう考えても切り花より、土の分、長持ち。 これを使わない手はないです。
ポイントは、土器の鉢。100円ショップやホームセンターで安く扱っています。やわやわビニールポットに入った鉢植え花・1鉢100円とか3鉢500円の背の低いかわいい花を大量に買いつけ、この土器鉢でカバーします。植え替える(ビニールとるだけの)手間を惜しまなければもっとベスト。土と鉢の間にできた隙間は水をじゃんじゃん流すとなれてきます。園芸愛好家から非難ゴウゴウだろうな。
で、玄関、門扉そばなど、雨の当たるところに置く。
気が向いたらお水をあげるのもいいですし、枯れた花を間引きするもよし。しかし、基本的には、そのまま放置、それでも数多く家の前においてあったりすると、それなりにガーデナングの気分、奥様がんばってるぅ。という雰囲気は十二分にかもせます。栄養剤を突っ込んでおけば、鉢植えはかなりがんばります。
そして、枯れたら捨てます。一年草だって、そうやって回転させるんですから、一年がたまたま一週間であっても罪悪感を持ちません。持ちませんったら持ちません。それがコツ。
イタリアンパセリとか、しそとか、ミントとか、実用的なグリーンも、主婦の強い味方。雑草上がりなので強いしねぇ、やつら。お料理にも使えるし。
とっとと枯らすことを前提に、ばりばり回転させてみましょう。半永久的に一緒にいるような間違った誤解は、持たないのです、鉢植えには。それでも家に帰ってきたときにちょっとしたガーデニングもどきで心が癒されるなら、安い投資だと思いませんか?

 
 

 手抜き家事術・その29
 
棚を使う。

多分ね、皆さんもう知っていらっしゃるのだと思うの。私だけが知らなくて、だから散らかり放題だったんだと思うの。だけど、私としては大発見だったので、書いておきます。きっと、整理整頓が苦手なのはP子に受け継がれているはずだから、これは P子のためだけに。
あのね、棚を使おう。洋服をしまうのに、ハンガーとタンスだけじゃ絶対ダメ。クローゼットをあける、かける、しめる。タンスの引き出しをあける、しまう、しめるの三つの動作が、面倒だったの。だから「あとで」って言ってるうちに散らかったの。棚があれば、あけないししめない、ただ置くだけでOK。きれいにたたみさえすれば、重ねておくだけで終了。これなら洗濯物を畳んだあとが苦にならないです。
平成新山を造成して、その後全く新しい山ができないのは、実は衣装部屋兼寝室に棚を置いたからなのでした。テレビを見ながらたたむ、しまう。クローゼットあけるのも、その中の引き出しにしまうのも、特別な服だけ。
ハンガーを大量購入して、かけて干す、そのまましまってたたむ手間なしというのも使えた手だけど、やっぱり棚だよー。そして同系色のカゴも棚の横に配しておけば、「もう一度着ようかな」は、そのカゴの中へ。これで洗濯物も迷わない。
とにかく収納は手間をかけちゃダメ。とてつもない量を繰り返し行うんだから、見た目の大事さより使い勝手です。だらしなく服が乱れる人はタンスじゃなくて棚を使えばいいんです。どうしてこんな簡単なことに気づかなかったんでしょう。っていうか、マメにたち働くことを前提にしない家事を、家庭科で教えてよー !!