真夜中の携帯修理

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便利な世の中になった分、その便利さが失われることが怖くなる。
目覚めると、携帯電話が壊れていた。

正確には、昨晩から壊れていた。
今朝はわけありで早く起きなければならなくて、目覚ましアラームの時間を変更しようとして、画面に変な表示を見つけたのだ。
「USIMが未挿入です」
携帯が動かない。
しかし、疲労困憊+風邪薬で、落ちるように眠ってしまった。
落ちる瞬間、「明日は早起きしなくちゃいけないのに」
と思ったところ、まだ暗い時分に目が覚めるという・・・強靭な精神力なのか、老化か?

時間を確認するために携帯を見る。
するとまだ「USIM未挿入」の文字が出ている。
二度寝をしようにもアラームが使えないという事実をどうしよう。
携帯が壊れると、アラームはともかく、私は当分、誰ともつながることができなくなるのか...と思って、すごく怖くなった。

ということで愛機・iPadでゴソゴソ調べる。
そもそもウシムってなんだ、というところから。それがウシムじゃないことを知り、携帯電話の頭脳部分と知り真っ青になり、とりあえず真っ暗な寝室を出てリビングに移動し、PCをたちあげて、そいつがどの位置にあるのか検索して探りあて、蓋を開けるために先の尖ったものでガシガシやって傷だらけにしてしまい、確か魔法のように簡単に蓋が開いたはずだったと再度検索して、本当に簡単に開けることができ、USIMをとり出して一拭きして挿入しなおしたら・・・ご機嫌ななめが直った。
光が差した想いだわー。

よかった。
2009年からの愛用機が壊れてしまっては困るのだ。
私はこのガラケーを心から愛している。
でっかいiPhoneのようなiPadがあるので、たいていのことはそれで足りている。
とすれば、私にはiPhoneより、電話とテレビとカメラがあるアクオスの方がいい。
相方からの誕生日プレゼントなのだ。
日本国民が全員iPhoneを使うようになっても、私はこの愛機を最後まで使いたいと思っていたから、壊れたのかな、壊れたのかなとハラハラ検索を続けるのは気がきではなかった。
よくよく見ると、随分ボロボロになっている。ハゲハゲの部分も多い。多分、よく落とすせいだ。とりあえず、落とさないようにしよう。USIMがずれないように。

便利な世の中だと思う。
PCの中の人が大抵のことは教えてくれる。
問題はPCが壊れちゃった時だ。私は電源を入れたらPCが使えるという大変甘やかされた環境にある。補修点検は相方が、リクエストには娘が応えてくれる。
PCを自作しようとは一生思わないけど、せめてどんな仕組みかぐらいは知っておきたい。・・・そのうちに。
いつか訪れるだろう、ピンチのときまで、その「そのうち」は来ないかもしれないけれど。

ひとりでなんでもできる、自立は大切なことだけど、「この領域はあなた」という担当制のほうが私は好きかもしれない。その人を必要とし、私も私の領域で必要とされる感じが。
それはきっと、私が稀代の不器用だからなんだけど。
一人で標準まで到達するのは難しい。
ご迷惑かけますごめんなさい、そのかわり別の何かでお役に立ちます、というスタンスでしか生きてこられなかったからかもしれない。

ただ、深夜に携帯を修理して、(これを修理と呼べるかどうかについては不問)、ちょっと大人になれた感じがした。
新しい知識で恐怖を克服したのだ。
知らなかった世界を知るのは楽しい。
不器用ながらも標準に少し、近づけた気がする。こういう成長がうれしい。多分死ぬまで成長し続けるんだと思うと、なんか、ワクワクするな。

とりあえず、世の中が知らないことだらけで、知りたいと思うことに簡単にアクセスできる魔法のPCは壊れないでねと、切に祈りつつ、二度寝、二度寝。