娘の所属する会が百人一首大会に出る、というので、Tシャツを作ることになった。
らしい。
しかしもちろん中学生には予算が限られている。
らしい。
Tシャツは100枚単位で作るならかなりお安くもなるが、10枚ばかりだと版下代が結構かさむ。
そして、会員は10名に満たないという少数精鋭なのであった。
というわけで、黒いTシャツに金色の墨で、名前を入れてみた。
白い丸首Tシャツか黒いやつかしか、3枚パックはないから、安さ優先で行くと白か黒だ。
背中に百人一首同好会と書くのもちょっとダイサなあ、と思っていたら、娘が「自分の札を書いてはどうか」という。
みんな、得意札というのをもっていて、競技会でも「それだけは絶対に自分がとる!」と決めているのだそうだ。
じゃあ、かな文字で絵札の部分をそっくりに臨書してもワケがわからないだろうから、下の句をわかりやすく背中に書くのはどうか。という事になって・・・そうなると案外これは楽しい作業だった。
布書き専用の墨ではないから、上から高温のアイロンで抑えこんで、洗濯は手洗いで。と、説明書きを娘が作って、金500円ナリ。
こういう文化祭みたいなことは大好きだ。
文字は一見、刺繍に見えるので、これがなんとも、「悲しいとき〜」「悲しいとき〜」の特攻服のような、ちょっとだけ「どこのヤンキーちゃん?」という雰囲気をかもしてしまうのが残念だが、それはそれで500円という金額に免じてお赦しいただくことにしよう。
リーダーさんが気をきかせて、全員並んだ写メを送ってくれた。
なんだかうれしいなあ。おい。
こうなるとチーム物を作りたい熱がふつふつ湧いてきてしまい、どうしましょうと思う。
ひとまず、小僧のサッカームにお揃いのバンダナはどうかしら。名前入れるけど。と、ご相談してみる。
今度は洗濯可能な布用の墨で、選手ひとりひとりの名前を書かせてもらおう。
次の大会で使えるかな。
本当は大々的に横断幕とかも作りたいけれど、新参者がそう、しゃしゃり出るわけにもいかないのがつらいところよ。
次の試合の時、親たちが一丸となって応援しているよという気持ちを選手に伝えたいと思う。スタメンでもベンチ組でも、全員があのチームに所属するサッカー選手だ。
親が最大のサポーターでなくて、誰がこけし顔P子やヘタレ小僧のファンになってくれよう。
キラキラしたスタープレーヤーには、おばちゃんファンもつくけれど、何しろ小僧はプレイが地味である。しかも、父親は只今ご多忙で、よほど大きな大会でなければ見に行かないと公言している。
そう想うと、とにかく私ぐらいは暑苦しいぐらい、応援したいと思う。
一番サポーターが行くよ。
熱いよ、暑苦しいよ。
・・・そうはいっても、今や弁当箱に入れるメッセージと、せいぜい応援グッズをつくるぐらいのことだけどさ。
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