気持ちのよい敬老の日の朝になった。
町会の班長さんとして町会からのお菓子を配布してきたのだが、元気なお年寄りは、嬉しい。
おめでとうございます。と配布しながら、逆に恐れ入ります、などと深々頭などを下げられてしまうと、ああよくぞこのお役目を与えてくださいましたね、という気持ちになる。
正直、懺悔しますとね、ちょっとだけね、ご面倒な気持ちはありました。
首長さんだって、お年を召されているわけで、そりゃその分も全部請負いますからね。
大量のお菓子を受け取りながら、腰が引けてたわけです。
私、高齢者福祉、苦手分野ですし。
でも、勢い付けるために墨で「おめでとうございます」なんて半紙に書き添えるとですね、俄然眠っていたおめでた屋の精神が冴えてくるわけです。
そして、その勢いに乗って、自転車で早朝から町内をまわり、なんか今、一仕事終えたような心地良さなのよ。
情けは人のためならず、ということわざは、年を重ねれば重ねるほど、身に染みる。
ボランティアって、元気な人が有り余る元気をあげるものと思っていたんだけど、与えているつもりで、気がつくとホントいっぱい元気をもらってたりするのよなあ。
このご町内のお年寄りがみんなうーんと長寿だといい。
うーんと元気だといい。ここに住んでいて、ハッピーだといい。
私も、ここで年を取っていくんだしね。
・・・タイに移住する予定で、タイ語も頑張ってるんですけどね。一応ね。
そういえば、昨晩は久しぶりに、母とも食事をしてきた。
うちの家族全員に弟一家も揃って、とても楽しいひとときだった。
母・ヨシコは、しっかり服薬管理もできていて、倒れる前よりしっかりしてきた。
「レントゲンで脳みそ真っ黒になってる部分があったのに、今は全然感じさせないね」
というと、
「そうよ、私は元々頭がいいんだから。働かなくなった分は、別のところがフォローすんのよ」
と、にっこり笑っていた。
全く普通の、元気な高齢者に見える。
「脳って、不思議なのよ! 諦めたらおしまいだけど、諦めない限り可能性はあるんだから」
小僧が障害を診断されたときに、それと同じような言葉で励まされたことを思い出す。
この人は、タフだなあ。
そして、この人の生きる根幹である信念が、ちゃんと私を支えてくれているんだなと、ちょっと思って、シャクだった。
私も、この調子で元気に前向きに生きることが、案外、子どもの支えになっていくのかもしれない。
子ども叱るな、来た道だ。
年寄り笑うな、行く道だ。
相方の実家の壁に貼ってある銘だ。
今日は、敬老の日。
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