2011年06月26日

姪の結婚式

姪の結婚式が終わって、無事帰宅し、一息ついて今である。
途中、居眠り運転をしそうになるほどだったが、相方が助手席で腹がよじれるほど笑わせてくれたので、眠気も吹き飛ぶ安全運転だった。便利。相方、ぐっじょぶ。
腹がはちきれるほど、食べに食べ、飲みに飲み、それなのにお昼ごはんでついうっかりバスツアー客と一緒に寿司食べ放題のレストランに入っちゃったりしたもので、もうこのまま冬場まで待って冬眠しても大丈夫なぐらい、蓄えた。
夕飯は、うどんでいいな。

華美な一目惚れドレスがちゃんと入るようにサイズダウンしたのはなかなか立派な心がけで、そんな自分を褒めてあげたいけれど、帰郷した今はもう、多分ファスナーが閉まらないだろう。
クリーニングに出した後、納戸にしまい込むことになる。
背中のヒモでちゃんとサイズ調整できるタイプなので、娘ちゃんの演奏会とか、リサイタルとか、ダンスパーティーとか・・・うわあああ、そんな機会はなさそうなんだよ、うちの地味なJCには。
趣味は弓道に百人一首だ。どこで着るんだ、黒サテン地のラメビーズ散りばめた派手なデザイン。
第一、娘の肉は贅沢な私に比べ、うんと貧弱なのだ。
たった一回の舞踏会のために。この黒いドレスはシンデレラの「ガラスの靴」だったのかもしれないなと思う。
早朝、お友達の美容師さんにご自宅サロンで髪を結いあげてもらい、久しぶりに入念にメイクをする。まつげも、盛り盛り。短い爪だが、久しぶりにマニキュアも塗った。
気分は「美人マダム」になりきって、背筋を伸ばしたまま高速道路を颯爽と飛ばす。これから可愛い姪の結婚式、主役はもちろん若い彼女なのだが、それを引き立てる周りの招待客が心底望んで、心底楽しんでこそのパーティーだと、勝手に思う。
手抜きをしないのが信条の姪なのだ。震災で延期になってからも一生懸命準備して、準備して、ご招待してくれる姪夫妻が主催するからこそ、最高に楽しみたい。

で、最高に楽しんで、最高に笑って泣いて、マスカラが落ちて目の周りが秋刀魚の黒焦げみたいになってしまっても、幸せそうな姪夫妻の幸せ度に感化されて、とても幸せな気分のパーティーだった。
お料理は美味しかったし、特に卓球ラケットを模したウェディングケーキは絶品だったし、新郎はCan you celebrate? を歌いながら二人で入場し、最後はうちの相方とハクナ・マタタを歌いながら大暴走して笑いをとりに走り、私が撮影していたビデオが手ぶれしてしまうほどサービス精神旺盛なのだった。
いいオトコを捕まえたなあ。
やることなすことがスマートだ。ま、うちの姪を見染めた辺りで、その判断力はたいしたものだと思う。
姪にとっては高校の部活の顧問がはじまりで、尊敬する恩師だった。姪が大学入学後も部活の先輩として出入りしていて、突然二人は恋におち、遠距離恋愛で付き合い始め、在学中に入籍している。韓国ドラマみたいな展開だわ。
いい恋をして、いい結婚をした。
おめでとう、姪とその夫。

娘は白いバラのブーケトスを最前列を陣取ってがっちりゲットし、「うわー、どうしよう、彼氏ができるかも」とワクワクしている。
小僧はタキシードを着込んで教会の挙式でリングボーイをつとめ、その御礼にと披露宴で頂いた名入りのサッカーボールをずっと足元で転がしてニコニコしていた。
幸せは連鎖する。
私への魔法だけが解けてしまって、また一気に元のジャバザハットに戻ってしまったけれど、ガラスの靴の片方のおみやげみたいな、ちょっといいことがあったので付記しておく。
きれいにメイクして、美人さんの空気を出していた私に、相方が異様に優しかったのだ。いつからか、眉毛だけ描いて髪はぼさぼさのまま引っ詰め、太りたい放題で忘れていた、「美人さんの空気」。
「おかあさん、おとうさんの態度が全然違うから、今日からちゃんとメイクするように」
とのJCの忠告にしたがって、明日から、少しだけ自分に手をかけてあげようと思った。
18年、我が家はずーっと円満だったけれど、子どもを育てていると忘れちゃうんだよね。「ヨメ」の部分を。それでいいか、と開き直って体型だけでなく、家事やらなにやら、いろいろなことが崩れていってた。
姪の結婚で、そういうラブな部分をちゃんと思い出させてもらったわ。
私のガラスの靴のもう半分を持っているのは、よくも悪くも、髪をスモーキーグレーに染めてプンパアのパートを熱唱していた、あの相方に他ならないのだもの。


2011年06月26日 19:29