2010年08月31日

弓道大会

ひゃー。
ひゃー。
早朝から階段を激しく走りまわる妖怪がいる。こりゃ、うちの座敷わらしじゃないな。
「遅刻だー」
袴姿の娘が、バタバタ走っていたのだった。
今日は大切な大会で、弓道を志す東京中の中学生が明治神宮に集うというのに。
もうこの時点でダメなんじゃないかと思うよ。
勝負強さと集中力だけで、いろいろな大会、毎回なんとかギリギリで生き残っていくみたいだけれども、日常生活から改めて「気配」を味方につけたらもっと楽に勝てるだろうに。
小学生時代は、31日に泣きながら宿題をやっていた。
中学になってなお、宿題を終わらせたのは昨日である。
そういう最後のふんばりが弓道に活かされているのだとしたら、弓道の神様に申し訳ない気がする。
「ありがとーっっっ!」
と、元気いっぱい車のドアを閉め、弓を担いで駅に向かってダッシュで走っていくけれども、なんか武道のイメージが、イメージが。

何も聞こえなくなる一瞬に放つ、一矢。
そういう境地を知っている13歳が、ちょっと羨ましい気もする。それを眺めに、ひぐらしが命がけで鳴く森を抜けて、明治神宮弓道場に応援にいくのだ。無心の武道家たちに触れるのが、私自身のメディテーションだ。
去年は足袋を忘れたので、それをお届けに。
今年はお弁当を忘れているので、それをお届けに。
んー。これでいいのか?

2010年08月31日 07:48