アシナガバチがベランダに巣を作ったらしく、保健所に駆除を頼む。
様子を見ていた小僧が、ふわりと一匹、家に招き入れてしまった。
「蜂は薬剤をかけると攻撃してくるから、掃除機で吸い取ってそのまま持久戦!」と保健所にご指導いただき、久々に掃除機を組み立てたら、壊れていやがる。
ちっ。ほうきとクイックルじゃ、蜂は取れない。
「つぶすのはどうだ」
と、相方が叫ぶ。じゃ、お前やれよ。
「やだ」
即答かよ。
うちわをもって、蜂にそよそよと風を送り出した相方。なにしてんだ?
「いや、出ていってくれるかなー、って」
暑い午後にそよ風サービスつきじゃ、蜂だって居心地が良くなっちゃうじゃないか。
小僧の掃除機を借りて、私が吸い取ることにした。
お友達が来るときや、家庭教師がくるときに、小僧はちゃんと自分の部屋と、つながっているリビングをそうじするので、彼の掃除道具が一番メンテナンスが行き届いている。
相方、うちわで追い出す作戦から、急遽、うちわを持っての応援団に。
吸い取って、スイッチをきり、コンセントをぬくや、蜂、大暴れして逆流。
しまった、口を塞がなくちゃいけなかった。とりあえず、そばにあるビニールで抑えるが私の手が危ない気がする。小僧、コンセントを入れて。
「なんの?」
なんのって、ここでWiiで遊ぶかよ、掃除機に決まっとる。早くっ!スイッチオン、蜂、彼方へ吸われていく。相方、ガムテープ!!ちがう、うちわじゃない。ちがう、ティッシュじゃなく、ガムテ!
ロックオン!!
それにしても、アブの足をとってわらしべ長者ごっこをして遊んだ相方が、なぜそんなに虫を怖がるのか。
何か昆虫をもってこいといわれて、幼稚園の時に苦肉の策としてゴキブリを持っていかせるような母親に育てられたほど、虫は縁遠いものだった私が、長じてほぼ毎日ゴキブリと戦い、今日は蜂と対峙しているのはなぜなのか。
相方は、的確に蜂の種類を言い当て、巣の場所も、駆除先の電話番号もすぐに見つけ出した。
うちの頭脳労働と、肉体労働の分業は、なんとなく解せない。
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