2010年07月20日

武士道とは

今日、「うわー、鈴木さん、武道は何をされてるんですか?」と聞かれる。
え。
「ほら、この日本武道館のバッグ」
ええ、確かに今日かついでいたのは日本武道館で買った「武士道」と墨痕あでやかに書かれた、キャンパス厚地のトートバッグでしたが。
「カッコイイなーって見てたんですよ。『日々是鍛錬』って書いてあるから、きっと空手とか柔道とかの大会ですよね? やっぱり、有段者だったりするんですよね」
……いえ、これは。
しかし、そう見えますか。有段者に。女子65キロ超級。
そうか、それで今朝、満員電車で男性に全く押されずにすんだのかしら。押忍。

昨日は、全国少年少女武道練成会でした。@日本武道館
娘の弓道大会ですね。
ああああああああんまりにも待ち時間が退屈で、見に行ったグッズショップで、いくつか衝動買い。
……だって待ち時間、ホントに暇なんだよおう。
サスガ日本武道館だなあと思ったのは、どの商品もよい出来で、安くて素敵だったこと。このキャンパス厚地のトートバッグは、なんと1000円でした。定価3000円、いや5000円でもいいぐらいの丈夫な出来。
闘魂と染め抜かれた手ぬぐいは、なんと500円!!
アコギな商売をしていないところが、武士道です。

そんな武道館の廊下の片隅で、九州のなんとか中の女子、泣きじゃくってました。
弓道部員って、全国にこんなにたくさんいるんだ…ということにも驚きましたが、そこに賭ける青春の熱き血潮にも感激しました。
団体バスは停まってるわ、近畿日本ツーリストはお弁当配ってるわ、記念に武道館の写真は売ってるわ、玉ねぎ頭のご当地キティちゃんは売ってるわ。地方の子から見たら、きっと武道館は、はるか遠い、憧れの場所なのかもしれません。
昨日の日本武道館は、外からも中からも、まさしく灼熱でした。
全国各地から、「ここ」を目指して来たのだとすれば、地方の子は、一射の重みが違うわけで。

娘は久々の私の応援に、気負いすぎたのか、全く振るいませんでした。
待って待って待って待って待って待って、出番3分。
それでもいよいよ呼び出しがかかれば、射るその瞬間まで、一緒にドキドキして、息を詰めて見守ります。その3分は、一生の中でも、とても長く静かな3分なのです。
矢は、4本とも、的をはずして壁に突き刺さっていました。
新幹線や長距離バスでくる中学生と、乗り換えなしで行ける娘とでは、背負うものの重さが違うのかも知れません。
私の帰宅の足取りだけが重かった。いっそ、私を背負って、射れ。

いやいや、お疲れ様でした。
私にはステキな記念になる武士道バッグが残りましたので、十分です。
武士道とは、痴漢除けとみつけたり。いい買い物でした。

2010年07月20日 21:55