ジーコ元日本代表監督の名前を冠した大会が、味の素スタジアムであった。
U-10とU-12、各48チーム、合計96チームが集結した(※数字、未確認。あとで修正)。
あいにく、ブラジルが負けちゃった翌日だった。
ジーコさんはお仕事の関係でいらっしゃらなかったけれど、いらしてもきっとその日の空のように曇天だっただろうな。
W杯で、子どもたちが全員目の下にクマ。それでも、スタジアムの中に入れば、選手たちは全日本代表同様、威勢がいい。
小僧は、仲良しサッカー仲間と一緒に出場する。
サッカースクールでできたお友達だ。週に一回だけ、一緒にスクールで遊んでいる。
なんとなく気の合うのが10名ぐらいいて、予定の会う子どもたちでチームを作って試合に出てみようかという話になり、某クラブ主宰のU-12、某スクール主催のU-10の小学生フットサル大会にトライして、共に優勝してきた。
そんなわけで、大きいのにも挑戦。
自分の所属チームの試合と重なった三名を欠いたけれど、フットサルは五人だから大丈夫。
仲良しの仲間、完全機会均等、コーチングなしのプレーヤーズファースト。
もう、JFAさんの理念をまるっきり押し出して臨む。子どもたちが自分で考えないと、どうしようもないのよ、引率者はおばちゃんたちだから。
ところが、立ち上がりが悪く、初戦に敗れる。
相手、よく訓練されていて技術力も組織力もあり、ものすごく強い。そこはその後も大差で快進撃、一位パートを駆け上がって、決勝に残るステキなチームだった。……くじ運が悪かったわ、私の。
それを思えば、よくその点差で凌いだよ、いい経験をさせてもらえたよ、という状態なのだが、敗れてすぐの小僧たちは納得しない。
リーグ戦だから、切り替えが大事なのだが、負け慣れしていないから不穏になる。次の試合までの時間、七人でアップするといいながら、しかしいつの間にか二組に分かれてそれぞれ違うことを始めている。
これをまとめるのはどうしたら……。
ばらばらの心のまま、次の試合には危なげなく勝ち、少し士気があがる。リーグ二位の結果をもって、あとはトーナメントだ。
「こうなったら二位パートで優勝を目指そうぜ!」
と、母親たちのあおりに乗ってやっと少し元気になるが、依然まとまらない空気。
キャプテンはポイントゲッター型の強い子たちがじゃんけんで回していたが、それが全く機能しないのだ。
そこで、母親からの伝令を、最も頭のいいDFタイプの子にしぼってみた。するときちんと時間に集合する、みんなが話を聞く、互いに知恵を出し合う……。
こんなにわか仕立てのチームですら、適材適所が重要だということを思い知った。
クリロナのキャプテンシーではダメだったのだ。うちの長谷部は、素晴らしかった。
そして、一試合越えるごとに、チームワークが増し、ポジションどりがよくなり、パスが回り出し…。
全員が、アシストを含めて得点に絡んだ。
全員に見せ場があった。
小僧は、決勝で絶妙のパスをもらいまくり、ハットトリックを決めた。仲間を信じての飛び出しに、ちょっと感動した。
二位パート優勝! おめでとう。
もちろん二位パートなので何もないが、彼らの心に名誉は残った。
反省会動画を見た後、W杯を見ると、そのあまりの格差に愕然とする小学四年のU-10の稚拙さ。
でも、きっと味の素スタジアムを駆け回った選手たちは、どのチームの子どもたちも南アフリカで闘う選手たちと、魂のレベルで変わらない熱さを持っていた。
どの子も、親孝行だな。
「この中に、未来の本田が、松井が見えます」
と、大会委員長がいっていたけれど、心意気だけなら全員きっちりサムライだったと思うよ。
こういうイベントは大歓迎だ。
ジーコ元監督、ありがとう!
もっとたくさん、いろいろなところでフットサル小学生大会があったらいいのになあと思う。
関係各所の皆さん、ヨロシクご検討ください。
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