息子が大興奮しながらスペインとスイスの戦いを見ている。
もちろん、夜は寝かせるので録画なのだが、スイスが一点入れたとたんに、「うどんを食う!」と言い出し、このまま死ぬんじゃないかと思うほど細かった食が、もりもり戻ってきた。
ありがとう。スイス。永世中立国。
ありがとう。スペイン。無敵艦隊……って、負けてるけど。
枝豆も食った。りんごジュースも飲んだ。アイスも食べた。
ふくれた頬を保冷剤で冷やしながら、「ヴぉぉぉぉ」とか叫んでいる。
おたふくは痛いらしい。昨日は熱でうとうとし続け、今日は今日で朝から痛くて不機嫌だ。
勉強は遅れるし、運動する気力もない。もう、何も食べたくない。おしまいだ。と、絶望の淵でぐずぐずしていたのだが。
やっぱりサッカーだよ、ワールドカップだよ。
「やべえ、オレ、寝てられない!」
と、ちゃんと起きて食事をとった。
「やっさん(仮名)、生まれたって」
と、勢いに乗って、昨日深夜に生まれたらしい、友だちの子供の報告をしてみた。小僧はその友だち、やっさんが密かに大好きなのだ。美人な上に、サッカーがうまいんだ、やっさん。
「え」
と一瞬間があって、
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉめでとぉぉぉぉぉぉぉぉーっっっっっっっ」
私は、子どもの誕生で、そんな雄たけびを初めて聞いたわ。多分、小僧は自分の子どもが生まれても、こんな、川島みたいな叫び方はしないと思うのよ。
でもわかる! 私も、その知らせを受けて、感無量だったもの。若い女友達が子どもを生むと、もう感覚は「孫」だけどね。
「どっち? 女? 女?」
と言うので、
「いや、男だって」
と言ったら、突然ものすごくテンションが下がっていたのがちょっとご愛嬌。何を考えていたのだ、小僧。
「一緒にサッカーできるじゃん」
と言ったら、「そだね」と、にこにこしてたけどさ。
今すぐでも飛んで見に行きたいと思ったが、私自身が小僧のおたふくかぜの保菌者かもしれず、新米パパにうつして、二人目ができなくなってしまってもいけないので、とりあえず完治してからにしようと思う。
ありがとう、友だちの若夫婦。永世無敵な二人。
やっさん、お疲れ様!! これから始まる大笑いの日々を、エンジョイしてね。
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