2010年05月20日

吉報と小僧のサッカー

とてもうれしいことがあった。

小僧にとって、とても大切な人が、ある試験に合格して、自分の行きたかった場所にいけることになったのだ。
尊敬すべきその人は、死力を尽くして試験に挑んだ。
私にとってもその人はとても大切な存在なので、その知らせがとてつもなく嬉しかったのはいうまでもない。
けれど、実は小僧のあまりの喜びようにも、ちょっと感動してしまったのだった。
結果的に距離が遠くなってしまうこともよくよく理解したうえで、小僧は、
「うわー、おめでとー。やった、やった!」
と本気で喜んでいた。
同じような気持ちをきっとどこかで共有しているから、素直に、誰よりもうれしかったのだろう。
「よし! オレもがんばろーっと」
と、自分の力にしているところも、なかなかいい男である!と自画自賛…ならぬ、自子自賛したい気持ちになったんだ。

それぞれ進む道は違っても、やりたいことがあって、そこに邁進できるのはとてもステキだと思う。

小僧は今、サッカーに夢中だ。
厳しい言葉が多かったコーチに、今日、初めて大絶賛されたらしく、「ブラボーって言われちゃったんだよ〜」と照れくさそうに満面の笑みで、鼻を膨らませている。
「ちんこで受けても痛くなかった。キーパーとして意地を見せたよ!」
上級生の、華やかなタイトルホルダー、エースのシュートを止めた自信は、きっと、ちんこも心も強くする。
あがってはシュートも決めたらしく、
「ああ、サッカーは、楽しいなあっ!」。
帰路の車の中で、小僧は嬉々としてサッカーの喜びを語り続けたのだった。
守備で削られて腫れた足の痛みを感じたのは風呂あがりのことで、痛みもわからなくなるバカは親譲りかとため息をつきながら、丁寧に塗り薬でメンテナンスをする。
バカだなあ。
でも、このバカさは、愛おしいなあ。
今は一学年上のクラスなので抜擢を待つのは難しいし、上には上がいる現実も浸みてきているが、それでもひとつひとつコーチの言葉に忠実に、修正課題を研究している姿は素晴らしく真摯だ。
小僧に何かひとつとりえがあるとしたら、「サッカーが大好きだ」という一言に尽きると思う。
好きなコトがあって、のめりこんで、ああいい人生だこと。
基本的にはパチンコなどに夢中になるのと同じ構造なんだけど、それもまたいいと思う。幸せそうなんだもん。
雨が降ろうと槍が降ろうと、真夏日のピーカンだろうと、サッカーの日は元気に出かけていき、泥だらけになって笑っているんだから、言うことナシだ。時々修行僧みたいな顔で球を蹴り続けていたりもするけど、今はまだ楽しいほうが断然多そうだ。

問題は、私がぎっくり腰気味で動けず、本日のブラボー小僧のサッカーを見られなかったことだが、その分、試験勉強もはかどったし。ささやかながら、私も科目終了試験で合格できるように、明日もがんばろっと。


2010年05月20日 23:49