そばにいさせて
大きな大会には、プロのカメラマンが入って、かっちょいいスチール写真を撮ってくれる。
幼稚園時代は、本当にすばらしいショットばかりでどれを選ぶか迷ったものだったが、年代があがるにつれて、写りがどんどん悪くなる。
枚数も減る。
カメラマンの本能で、活躍する子を狙うからだ。
小僧が超活躍すれば、きっといい写真はたくさん撮られるのだろうが、その試合でたいした見せ場がないと、誰かの入れたゴールを喜ぶ笑顔のスナップショットとか、ベンチから飛び出すショットで、終わってしまうのだ。
将来、ジャパンブルーのユニを着るかもしれないチームメイトの写真ばかりをたっぷり見て、この際、青田買いしておこうかしらと思う。
本当に、うまい子はうまいんだよなあ、と、改めて写真を見て思い知る。
でも、だからこそ、私が今、この目で見つめていたいと思う。
決してパスは回ってこなくても必死でサイドを駆け上がっていく、後ろからマークを指示して、とにかく体を張って得点を許さない、一対一で奪ってはすぐにキラーパスを送っていた彼の姿を、私にとっては中澤よりも闘莉王よりも長友よりも内田よりも、大スターな小僧を、この目に焼き付けておきたいと思う。
サッカーはステキだ。
結果なんかどうでも、夢中になっている子どもを見ていると本当に幸せになる。
小学生が命がけで走っている。それは小僧じゃなくても、同じチームではなくても、応援したくなる。
このエネルギーに直に触れられるチャンスがあるだけで、スポーツ少年少女またはスポーツパパさん、ママさんの関係者は、かなりラッキーなんじゃないかと思う。
小僧の夢がついえるまで、私はずっとそばにいる。
ああ、でも、もしかすると夢は形を変えてずっと息づけばいいんじゃないかな。
草サッカーの選手を目指すのもありだ。侍だけでは、国は成り立たない。
とにかくサッカーが大好きで、大好きで、サッカーがある日は幸せなんだ〜という、そんなかっちょいい大人になってれたらいいなと思う。
2010年05月14日 11:07