三月まで小学三年生の福助は、133センチ30キロである。
それでも三年生の平均は128センチ、四年生は134センチだから、うちの小僧は学年でも大きいほうだ。四年生のサッカーチームに呼ばれるときにはディフェンスを任され、そこでも大きさと技術に遜色はない。
だが、五年生の平均身長は、140センチ40キロだそうだ。
そこと戦うのは、無理があるんじゃないかと思う。
今週末、試合があるのだが、実は私は心配でならない。
それでも一度コーチに預けたからには、お任せするより他ないとも思う。
親が指導者に不満を抱き、それを口にしたら、団体行動など成立しない。
これは家庭や学校などでも同じことがいえると思っている。親は配偶者や先生の悪口を、子どもの前で言ってはいけないのだ。穴を掘って叫ぶだけで足りないなら、こっそり、仲良しママと笑い話にしてすっきりすればいいし、改善して欲しいことは匿名でなく、ちゃんと責任持ってアイディアを練り、直接話し合わなくちゃね。
といって、私はコーチに何かを言えるだけのデータを持っていない。
大丈夫でしょうかというのは愚問で、大丈夫でないことなどやらせるはずはなく、あとはもう、こっちも「大丈夫だ、体を張っていけ!」みたいに送り出すしかなく、怪我しないといいなあと祈るだけだ。
スポーツって、美しい戦争なんだよなあ。
ずっと戦時下にいると、本当に精神的に疲れてくることがある。
ちょっと愚痴もこぼれそうになる。
勝てば興奮するし、負ければ疲労も倍増して、一緒に戦うサポーターのあがったりさがったりは、尋常ではない。
それでも、私は小僧の大ファンだし、遠征帰りは電車でもいつも舟をこぐほどぐったりしている小僧を見ていると、これほどまでに必死にやっている彼を、なんとか支えたいとも思う。
不器用な真摯さに見合う評価はいつも頂いている。私のような素人が、怖がることもないのだろう。
今年はいよいよ私自身の演習もたくさん入ってくるし、まとめて科目履修試験も受けなくちゃならないし、どれぐらい小僧の試合のために時間が取れるのか不安なのだけれども、こんな充足感溢れる日々はきっと「今」しかないんだよなあと腹をくくって、戦火をしのぎ、銃後の守りを固めなければね。
……苦手な家事も、大事な銃後の守りだと思えば、ちょっとはやる気が起こるだろうか。
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