2009年09月18日

自転車

落ち込んでいた。
15年前、大奮発したイタリア製の自転車、さすがにボロになってきたので、私は気持ちのどこかで壊れることを期待していた気がする。
壊れたら新しいのを買えるのになあ。
だから、鍵もかけていなかった。
誰も持っていかないだろうけど、持っていかれたらそのときは新車。
そんなつもりでいたのに。
いざ盗まれてみると、すごくショックなのだ。
いなくなれと思っていた自分の心が見透かされたみたいで、苦いのだ。
そして、止めていた場所以外の、道路全部をくまなく探してみたりするのだ。
そんなとこにあるはずもないのに。
もう、頭の中、山崎まさよしエンドレス。

それで、なんだか哀しくなって、落ち込んでいた。
先々月、メンテナンスで4000円かけたせいだけじゃない。
あんなに大好きだったのに、歳月を重ねて醜くなって、それをどこかで疎ましく思いながら乗っていた、その罪悪感に、だ。
この次、15年もの間、「ああ私の自転車はカッコイイなあ」と思いながら、飽きずに乗れるデザインの自転車に、果たして巡りあえるだろうかと不安にもなった。
そして何より不便だった。

ネットで探して、近所の自転車屋を見て回って、それでもそうそう見つけられない。
ああ、明日の遠征には、どうやって行けばいいのだ。
走っていくには、無理がある距離だ。車で行ったら、駐車場代で結構かかるだろう。
7000円ぐらいの安いママチャリでも買おうか、間に合わせに。
いや、せめて10年乗れるものを買わなくちゃならない。足腰弱っているので電動アシストも健闘するが、予想外の予算外。
今日も自転車屋を見て回る。
欲しいと思う自転車は軽く7万以上だ。予算外デス……と、ソフトバンクの黒人兄ちゃん(ちょっと好み)が、エンドレス。
こりゃ、いっそモペットにしようかと、バイクショップをのぞいて、発見!!超かわいいママチャリ。

バイクやさんだから、気さくでやさしくて、メンテナンスは完璧だ。
バイクのりだった話をすると、なんとなく好感触だ。キズがあったので、ちょっとおまけもしてもらう。
バイク屋の兄ちゃんって、本当にステキな人種だと思う。私はバイク屋でいやな思いをしたことがない。
好きなものに囲まれて生活するって、いいことだよね。本当に大好きだ。
ついでみたいに置いてあった4台のうち、超かわいいのをみつけてしまった。旧甲州街道と甲州街道が混ざり合う辺りの、中古バイク屋さんで輝いていた、ピカピカの新車。今度のミーのチャリは、おフランス製ざんす。シェー。
先日赤塚展に行って、赤塚先生の写真の隣で一緒にシェーしてきたご利益かしら。
ああ、うれすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぃぃぃぃぃぃいいいいい。
巡り会っちゃった、巡り会っちゃった。
買っちゃった、買っちゃった。
自転車。うれしいなったらうれしいな。で、数日の落ち込みから一気に立ち直り。

この軽さが、ちょっとイヤだなと思ったりしつつ、だけど、失くした赤いバイクの分も、大事にしようと決心したよ、青いバイシコー。

問題は、自転車にかこつけてそのバイクやさんに出入りするようになると、バイクに乗りたくなってしまうことかなあ。普通四輪より、二輪に乗っていた時間の方が長いのだと娘に話して、驚かれる。
90ccぐらいのスクーターなら、ベスパかスーパーカブだな。
CT110オーストラリア逆輸入の郵便屋さんバイクを見つけたら、多分メロメロだ。あるいは200ccぐらいのモトクロスバイクは何を見てもため息よねー。モペットや三輪バギーもヤバイ。マジ、ヤバイ。
いやここはヘルシーに、いっそ、サイクリング車も欲しいし、電動アシストですら、カッコイイデザインのがたくさん出始めてて、ああ、「二輪」って、なんて魅力的なんだろう。

まずは、このかわいいママチャリをじっくりかわいがってから。ふっふっふっ。

明日、いや連休中、雨が降りませんように。

2009年09月18日 21:12