小僧が「レシートをくれ」という。
社会で使うのだという。
意図を鑑みて、西友ネットスーパーの……ああ、だめだだめだ、項目の一番上にロリエだよ。
まだ小僧は小3、クラスで「それ」について話し合うには早かろう。
ガソリンスタンド、スーパーマーケット(10パーセント引き、とか、半額ばっかりでちょっと恥ずかしい)、博物館、本屋、キオスク、あらゆるレシートをかき集めて、ふと、「ゲロルシュタイナー」単品買いのレシートを見つける。
なんだ、このあやしい音は!
よく行くスーパーで何を買ったのかが思い出せないとは。相方が買ったものなのかもしれないが、相方、何をゲロルってるのか。
チロルなら知っている、♪チロルの若者は ララ 若者は ララ 女好き…という歌があった。女じゃなくて、「歌が」だったかな。昔ふざけて歌った歌が、どこまでふざけたラインなのかもう区別がつかなくなりつつある。
そういえば、♪アルプス一万尺 小槍の上で ハイジがペータにやられてる〜の文言しか、浮かばない。ゆきちゃんがロッテンマイヤーさんにやられてる〜、という歌詞も思い出せるのに、原曲の歌詞がわからない。……そんな記憶の定着が、あまりに、下品だ。
ゲロル(と気軽に省略しているが)、気になって、ググって見たら、炭酸水だった。
そうだ、水曜日に私が八幡山で買いました。新し物好きなんでした。よく行くスーパーと同じだけど、支店違い。そこに着眼すればすぐに思い出せたかも!
でも怖いのは、一昨日買った新製品の名前を全く覚えていないことだ。買い物したという事実すら、すぐには思い出せなくなっていたことだ。
パソコンなしに、まともに会話が出来ないんじゃないかと思うほどだ。
今日は9.11、あまりに衝撃的な日と同じだったがために、「認知心理学」の誕生日だということは覚えていても、ここんとこ読んでいる教科書の固有名詞がさっぱり入ってきやがらない。何かに関連付けて記憶していくしか、もう道はないような気がするが、それが下品なギャグであるほどしっかり記憶される辺り、この生まれ持った品性の卑しさが、哀しい。
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