久しぶりに大きな筆で大きな紙に、むりむりっと字を書くのは楽しいんだが、手本もない、でっかい字は、めっちゃくちゃ下手くそで、落ち込みそうになった。
私の字って、連綿の仮名は書き手を想像できないほど美人の字なのに、太い字を書くとまるで不器用で、勢いばっかり、どこから見ても小学生みたい。
で、とりあえずビールなんか飲んで気分を高揚させてみたんだけど、小学生の字は決して大人にはならなくて、ゆがみだけが加速度を増していく。
お酒は大人になってから。ひーん。
でも、仕上げるべき枚数はかなりの量で、しかもこの部分は持ち出しのボランティアなので、一発決め以外なく、「これは雰囲気としての字。雰囲気作りのためだから。字じゃないから。私が書いたんじゃなく、近所の誰かが書いたかもしれないものだから。誰でも参加できる子ども祭りの小道具なんだから」とわけのわからない言い訳をしながらクォリティーを犠牲にしていく、午前二時。
子ども祭り用の、肝だめし用の、だから子どもには読めなくてもいい作品。もとい、小道具。
でも、多分大人にも読めないよー。
書道の心得のある方がいらっしゃいませんように。
いや、絶対にいるので、その方たちが見てみぬフリをしてくださる、やさしい方たちでありますように。
とか、そんなことして夏が過ぎていきます
なんだか、また、ちゃんとした作品を創りたくなっちゃったな。
…………なんてなことをしっとり書いておいてあったんだけど、それから数日経て。
肝試し、大盛況でした。いやー、狙い通り、私の書は、いい小道具振りで。
小道具としてはうまい使われ方でした。字は、改めてみれば見るほど、赤面するほど下手でした。
しかし、そんな自意識はどうでもいいのよ。私の肝の据わり方をとやかく言っても始まらない、肝だめしの主役は子ども。
なんにしても、子どもたちが緊張感でぺったり張り付いた表情や、真剣そのものの顔や、ほっとして泣きそうに笑う、あの一瞬。お宝だね。
お父さんたちがまた、うまくてねー。
事前に準備した大掛かりな大道具や、しゃべりの盛り上げ、前に進む勇気を与える声かけや、安全確保のための完璧なフォロー。こういうのは男性ならではだなあ。
っていうか、どのお父さんをとってみても、子どもたちのために、本当に情熱的ででも冷静に仕事ができて、一生懸命で、マジかっこよくみえる。ああこんなお父さんが欲しかったな、私。
ええっと、こんな不倫相手…ではないところが、アレですけど。
すばらしい大人たちとも、素敵な子どもたちとも、触れ合える夏を満喫しています。
「お手伝いに来られないってことは、こういう姿を見ることが出来ないわけでしょう? ホント、かわいそう。もったいないわねぇ」
と言った方がいました。マジ、その通りだな〜。
いや、情けは人のためならず。ぜーんぶ、自分に戻ってきて、とっても心豊かな夏です。睡眠不足な分、食べすぎで、脂肪肝気味な、贅沢な夏。
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