メイクアップ
こんなことなら学生証用の写真、もっとちゃんとメイクして撮ればよかったよ。
と、学生証を提示するたびに思う。
っていうか、こんな頻度で学生証提示したことなかったんだもん、若い頃は。
免許証の時にはバッチリメイクを決めていくさ。私はバイク乗りだったので、警察官に免許証、ガン見されたから。若い頃にね。
でも、学生証は使わないという先入観があった。だから、試験用の論文を締め切りぎりぎりに提出する際、願書に写真が必要だったー!3分間写真に走れー!!しまった、すっぴんだー!!!なんの今さらー!!!!という、葛藤すらないような状態で撮った写真を送っているし、合格通知が来たときにまた写真を何枚か提出するんだったんだけど、春先は忙殺されているわ、余ってた3分間写真がもったいないわ、いいかこれでー!と逡巡すらなく、スコンと送ってしまったのよ。
何しろ、3分間写真に走ったその日は、丸一日かけて書類作って、皮脂浮きまくりぃの、てっかてか。そして目の縁取りも、眉毛もない、のっぺらりーんな私なのだ。髪型があまりにもぼさぼさだったから、急遽結い上げていたのをおろし、デコ出しまくりぃの、髪、爆発しぃの。
それでも、希望に満ち満ちちゃってるもんだから、表情がえらく幸せそうなの。口もとなんか成宮君なの。幸せババアの、学生証。
笑う。正直、自分で見ても、笑える。暗い気分のときには、この学生証を見て、笑おうね。
そんなわけだから、私がこっそり見つめる以外、誰にも見せないつもりだった学生証なのだが、これを提示する機会が意外に多かったのだ。寄席とか博物館とか美術館とかさ。あと、携帯を買うので、学割をきかせるときとか。さらに、ちょっとした身分証明書の提示にも便利。けど、ガン見されるたび、うはー、やめてぇ〜い!と思う。
備えあれば憂いナシだった。いつも備えているべきだった。そんなことをこんなことで、こんな頃に知るなんて!
……でも、メイクなんて五分以上かけてられないよなー。今は。
2009年06月30日 02:29