たとえば子どもが書き綴るブログの場合、「私の身近で起きたこと」を書けば、ニックネームにしたところでどうしたって個人を限定できるから、エピソードのご披露が難しい。
厳密には名指しにしていない。
でも、名指し同然。
名指しされたほうは大変だ。
そんな話を、ランチで聞いて、最近の子どもたちは大変だなあと思う。
と、私が書くと、皆さんは、ごく近所のカフェでのランチを思い浮かべられるだろうか。
それとも、都心のこじゃれたレストランで。
あるいは、地方都市の駅ビルで。
それによって、会っている人が全く異なる。
学生時代の友達なら、小学校の幼馴染、高校時代の演劇部、高校時代の気の合う友達の可能性がある。大昔ちょっとだけ通った大学の寮生とは今もつながっている。全部、別のグループだが、学生時代の友達というカテゴリーだ。今の大学のご学友にも、同世代がいる。
あるいは十余年あまりのライター時代の友達かもしれない。クライアント、同業者、デザイナーカメラマン編集者……これはいまや、全国に散らばっている。親しい人はさほど多くないが、ランチをして情報交換するとなれば親しさは関係ない。
男女別姓の運動をやってた頃の仲間や、自閉症ボランティア組織の仲間や、町会ボランティア関係の諸先輩方など、お引き受けした仕事の数だけ知り合いが増える。
相方の漫画家さん関係、MIXIの仲間、バンドのメンバー、バイト先の先生仲間は、どうカテゴライズすればいいのか。
ここにママ友達が子どもの数いる。
小学校のママ友達には、珠玉の役員関係、委員会関係、さらには娘ちゃんの吉祥寺時代のママ友、幼稚園の友達。クラスにも気の合うママ友達がいる。ここに、中学の役員関係、クラスメイト関係が入ってきた。息子の幼稚園お宝友達、なんだか大変にいい感じの学年なので、ママ仲間も増えた。
習い事では、テニス仲間とお琴仲間。少年サッカー関係のママ友だちという、趣味の世界系。
さらに、古くからのカテゴリーできない友達が入ってくる。ええーっと、「私はどこかな?」と思いながらこれを読んでいる人も少なくないと思う。昔の彼氏の友達とかさ。放浪時代の海外在住の友達とか。
パーティーがあれば、またどんどん顔見知りが増えていく。
ここに、実家と相方の実家と、きょうだいや甥、姪がいて、いとことも遊ぶから、結構な広範囲なのだ。
でも、その、子どものブログの話を聞いていて、「ああ、一般的にブログというものは、ご近所の話題がメインだと思われるのだなあ」と、発見してしまった。
私がこんなに落ち着きのない暮らしぶりだいうことは家族や親しい友達ならみんな知っているのだが、多分良識ある普通の大人は、想像もしないだろう。
ご近所探訪がブログの原点であることが一般常識で、私が「子どもの」と書き出せば、それは勘違いや誤読も、当然かもしれないんだな……。
だからリアル知り合いに「むやみに人を傷つけるものなど書かないで!」といわれちゃったりしたのだ!全く思い当たる節がなかったが、ご近所限定で書かれている前提なら、リアル知り合いか誰かを推測したくなっちゃうよね。 改めて深く納得しちゃったわ。
文章を書くときには、誰かを揶揄する目的ではなく、そのエピソードから自分で考えたことを書いてきた。……つもりだった。それだけに、実はクレームを受けても、今ひとつ理解できないできた。
けれど、やっとわかったのだ。
私のブログを「ご近所探訪という常識に則って、子どもレベルのエピソードご披露でしょ」と判断されていたなら、誤読やむなしだ。……そんな程度の文章しか書けなかったということだ、ああ、そんな自分を大いに反省しよう。
同時に、並べてみると、実に、素敵な人と知りあってこられたのだなあ、たくさん大事にしたい人がいるのだなあと思う。けれど、一人一人と誠実にお付き合いしてきただろうかと、これまた反省モードにどっぷりつかる。
しかも、会いたいという原始的欲求に忠実だと、スケジュールが厳しすぎるということにも気づいて、反省しきりだ。体が、みっつよっつあっても、とうてい間に合わない。
来月から、ちょっと仕切りなおさなくちゃ。
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