娘ちゃんを通じて、青春のドキドキを追体験できるのは大変結構なのですが、脳細胞はごっそり何百億もすでに死滅しており、学問の道だけは年齢相応なのが切ないです。
真新しい書籍の匂いは大好きですが、そうドキドキするものでもなし。活字読んでてドキドキしたら、不整脈を疑わなくちゃならないお年頃だもんね。
ところで、娘ちゃんは弓道部に入部した模様です。
「ふーん。いいんじゃない」
と全く感心なさげにいったのが相方。
「じゃあさ、俺が悪いことしたら、矢で撃たれちゃうんだね!」
となぜか嬉しそうにはしゃいでいたのが、ウィリアム・福助。
「馬には乗らないんだよね?」
と、流鏑馬(やぶさめ)のイラスト入り説明書を見て、これはP子には「無理」と思った、私。
「乗らないよ?」
と聞いて、ほっとする。『隠し砦の三悪党』の三船が浮かんじゃったよ。
あ、あれはなぎなだったね!
大会は武道館とか書かれているけれども、一年生はやっぱり、玉拾いならぬ、矢拾いから始めるんだろうか。間違って射抜かれたりしないだろうか。カネガモPちゃんとか、呼ばれたりして。
鎖骨もまだくっついていない、ものすごいドンくさい娘ちゃんなのだが、入部しちゃって、大丈夫なんだろうか。左手、上がらないんじゃない?
いや、そもそも、君がなぜ弓道?
「だって、かっこいいんだよー」
と、娘ちゃん。
「試合の時にはね、袴、自分で着付けるんだよ。うれしいな」
……動機は、そこか!
なんにしても、礼節に大変厳しそうな部活動なので、よい選択なのではないでしょうか。
留学したときにも話の種に。……いや、武器類は持ち出せないか?
まだ弓道を漫画にした作家はさほどいないのでは? 相方、チャンスかも。相方!
「ふーん」
……全く、その気なしの模様。
部活のための保護者説明会があるからよろしくねー、と娘ちゃんに言われて開けた手帳、ああああ、その日は午後から別件が……。
互いに学生だと、こういうときに一瞬、優先順位がわからなくなります。
いや、迷っちゃいかん。どんなときにも、子どもの学校第一で。
趣味としての学業、プロフェッショナルは母親業の方なんですから。
この位置づけを忘れないようにしないといけないなと思いました。
ここに執筆業が入ってくれば、当然それが最優先なんですけど、幸か不幸か、執筆業、とんと依頼がありません……。
P子を妊娠するまでは前線で、P子や福助を出産しても内職程度には続けてきていた仕事でしたが、PTA役員をやるために全面的に休業しますとお断りして以来、お話はきっぱり来なくなりました。
中年期にブランクを作っちゃいけないんだなと思ったり、不況だから仕方ないと言い訳してみたり。
まあ、仕事が来ないなら、自分で作りましょ。ない知恵絞って、考えましょ。
山のようなテキストにはヒントが隠れていると信じて、読み込みましょ。今、できることをする。
動いていれば気もまぎれます。
思春期真っ盛りの、娘ちゃんのドキドキとは違う、生活不安のドキドキを味わうのもまた、思秋期の醍醐味かもしれませんて。
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