骨折り娘のために、送迎車の運転手になっている昨今ですが、今日の空気は新緑の季節満載で、なんだかとっても心地よいものでした。
娘ちゃんも心機一転、髪を切って、アグリーベティを卒業しました。が、いよいよ青森は津軽こけし館に並ぶとウォーリーを探せ状態になってしまうため、キャラ強化の意味をこめて派手なめがねに。
ショートカットのめがねっ娘として、ヘアケアグッズも購入しました。
ところが慣れないムースなどを使ったものですから、黒いジャケットの背中にナメクジが這ったような跡をつけ、それを母に指摘されて、今度は車の中で狂ったようにこすり続け、やっと落としたころ、学校に到着という……。
ばたばたと慌てて走っていきましたが、そこで走るなら車で送る意味はないんじゃなかろうか。
ま、いいや。
たいていの母親の言動なんて、無駄なことばかりを積み重ねているもんです。
しかし、朝一番のドライブは気分のいいもので、まあ案外こんな喜びでチャラかなあと思った矢先。
ついついマクドナルドのドライブスルーでコーヒーを……と思ったら、今、ホットドッグが売ってるじゃありませんか。それで、ホットドッグセットを購入してみたんですね。
一口食べて驚いたね。
景色が一転、NYに変わったのです。こんな経験は初めてだった。
72nd Westの角にあった、クレイズパパイヤのホットドッグとおんなじ味!!すごい!おんなじ!
そして、味覚の記憶って、すごい!
定宿にしていたのは大正時代に建てられたホテルオルコット、ダコタアパートの隣でした。そして、毎朝、クレイズパパイヤでホットドッグを食べてから、街に出かけていきました。ストロベリーフィールドを通ってセントラルパークを縦断することもあったし、地下鉄に乗ることもあったし、バスもタクシーも使って、とにかくいろいろなことを体験したくて仕方なかった。
名ばかりの超短期留学用・語学学校でたまる一方のストレスを、ルートを毎回変えることで発散していたのかもしれませんが。
講義が終わると、精力的に、博物館美術館デパート公園、そして何よりお芝居見に、まー実にいろいろなところに行きました。
クレイズパパイヤはホットドッグはともかく、(←ともかく、なんかいっ!) 新鮮なフルーツジュースが売りで、全種類制覇しようとがんばったんだよね。
そんなことがんばらずに、英語をもっとがんばれよ、俺。
今はその店がどうなったのか、しりません。もうNY、6年も行ってないです。
でも、マックのホットドッグを食べている間、私は確実に、20代の、爆発的に楽しかった新緑の季節にタイムスリップしていました。食べ終わっちゃうのが惜しかったよ。マッチ売りの少女の幸せバージョンみたいなイリュージョンですね。
なんとも、不思議な体験でした。
「おかん稼業、お疲れ!」
ってな感じのご褒美なのかな。
日常に幸せは転がっているんだな。と、朝一番、ちょっと嬉しい気持ちになりました。
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