思い込んだら 試練の道を ゆくが 男のど根性♪
絶対音で歌えるほど影響を受けた「巨人の星」が、今、頭の中でエンドレスです。
試練の道、それはこの春やってきた「子離れ」のイベントでした。
「私の趣味は心配です」というほど、この春には心配してばかりだけれど、明日はいよいよ最高潮を迎えることになります。
これまでも娘は、単独、ロスのサマースクールで、英語劇のワークショップに参加したことがあります。高学年の時には、代々木の英語劇団へ通い続けたのも、一人でした。
でも、これ、成田まで送迎ありだったし、代々木は行き方教えて最寄駅までは車で送迎とか、私自身が心配なところには、ちゃんと帯同していたんですね。
明日、子どもたちだけで下田の実家に帰省します。
もちろん、普通に、私は新宿発のスーパービュー踊り子に乗せるところまで、同伴するつもりだったんです。ところが、相方はそれじゃダメだという。
かわいい子には旅をさせろ、それはつまり、チケットを自分で買うところから始まるのだというのです。
それでも行く、いざ冒険だあ!という子どもたち。
私の心臓は高鳴って、心配なのか不整脈なのか、すでにわからないような状態で。
渡る世間に鬼はなし!と念仏のように言い聞かせます。私が一人旅を敢行したのは中学三年。四畳半の部屋で引きこもっていたのがばかばかしくなるほど、日本は広いのだと知りました。
自分に自信が持てれば何でも何とかなるもんで、18歳で家を出て一人で暮らして、取材で日本中を駆け回り、海外にも一人で出かけるのに、恐怖など覚えたことは一度もありませんでした。
旅先では真っ裸でサウナから出るや氷が張った川に飛び込んでみたり、何十枚も権利を放棄するサインを書いて半分以上意味不明な英語の講習を受けてスカイダイビングをしてみたり、まあ無謀なこともたくさんありましたが、44歳まで無傷です。
旅先で知り合った人たちはみなよい人ばかりで、不愉快な思いも過ぎてしまえば特上のネタでした。
なーのーにぃぃぃぃ、怖いのよ!
子どもたちだけで行かせるのが、こんなに怖いの。
これはなんでしょうね。
地元中学に行くお友達、私立進学でばらばらになってしまうお友達と、連日別れを惜しむセレモニーやら、新しく行く学校のいろいろが続いていて、お嬢の体力がもつのかも心配です。まして、新しくカッコイイ彼氏などという素敵な存在が浮上している今、その心臓破りのときめきは大丈夫なのか。
って、仕事でも恋でも、楽しいことなら四、五日徹夜したところでなんともなかった頑強な私の遺伝子だから!と信じ切れない、この腑抜けぶりは何でしょう。
特に恋に関しては、もう、余計なお世話もはなはだしいなと我ながら苦笑しちゃう。
お嬢の生き生きした大忙しな状況をそばで見ているだけで、私まで一緒に元気になっているんだから有難いことだけど、共感しすぎて彼女の生活に関与しすぎないように、気をつけなければなりません。
彼女の人生は、彼女のためにある、彼女だけのものだ。
はあ(ため息)。
それにしても、中学生の母親をやる、というのは、私にとって初体験で、さてどこまでが自由に任せ、どこまでが私の範疇か、真剣に考えないといけないね。
手を貸したい気持ちもぐっと抑えて、柱の陰から明子ねえちゃんよろしく、黙ってみている踏ん張りも必要で……ああ、小学生時代が終わったら一段落なんだと勝手に思ってた。今さらだけど、母親業って、奥が深くて困っちゃいます。
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