相方は腹が弱い。※双葉社刊 「アジアを食う」 参照
アジアでは下痢との戦いであった。
一方、一年間仕事をしないでアジアを放浪する僥倖に、10キロ太ってしまった私であった。アジア飯から大量に栄養摂取する丈夫な腸が自慢である。
そんなのが夫婦なので、相方は下痢をしては私の作ったものが食中毒につながっているのだと人のせいにする。……否めない部分は、確かにある。(あるんかい!)
だが、相方は炭鉱のカナリアちゃん。いい大人なのだから、もっと立派な腸内細菌を住まわせたらよかろうにと思う。彼の細菌の指摘はもやしもん並みに厳しいのだが、子供たちも丈夫な内臓と太い神経を持っていて、昨日の残りもので下痢が報告されるのはたいてい相方一人なのだった。
食事を節制し、定期的に運動を続け、ついには禁酒までした彼は健康そのものであり、私はWASPが肥満を目の敵にする同じ理屈を向けられて、肩身の狭い思いをし、その鬱屈からまた食べては太っていたのだった。(弱い心は人のせい)。
そんな相方が、日曜日に吐き気と腹痛を訴え、「味噌汁犯人説」を唱えたので、何を言う、風邪であろうと素人診断をした。学校では嘔吐下痢の風邪が猛威を振るっている。この期に及んで風邪を引くとは何事じゃあ、気合とうがい、手洗いが足りないんじゃあ!と反撃していた。
そしたら、盲腸だったのね。すまん、相方。こればっかりは、気合ではどうしようもなかったのに。
怖い病気でなくてよかった。
今日は節分だよと、息子が学校で作った鬼の面を出す。
豆は、ばたばたして買いそびれていたので、とりあえず声だけで「鬼は外福は内」をやり、今日は早じまいしようと急いで風呂に入れる。子供たちは相方のベッドに寝ていいことにした。三人で枕を並べて、ゆっくりお話しながら寝ようねといっていたのに、私は風呂で熟睡してしまったらしく、水風呂に凍えて起き、慌てて布団にもぐった時には、子供たちは爆睡していた。
今日は三人で発表を見て、その後私は小僧とサッカーのセレクションの下見に行って、相方の見舞いは娘ちゃんに一任だ。
当分ばたばた走り回るんだろうけれど、それでもやせないのは、この体がこの大きさで、バランスいいからなんだろう。昨日だって、忙しさのあまり食事を忘れても、体内に蓄えた脂肪という名の浮き輪型のお弁当がしっかり機能して、問題なかった。水風呂さえ、着ぐるみ型の防寒脂肪が大事に至らせなかった。
結果オーライ!さあ、相方退院まで、忙しい日々をがんばろう。鬼は外、福は内!
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