万華鏡

嬉しいったら嬉しい！な、日。

一年間の汚れを、わずか数日で何とかしようと思うほうが無理。

そういう前提ではあるが、しかし、徹底的に大掃除には取り組むのだった。楽しい忘年会を控えている。ハワイアンな店と聞いていたので、沖縄の紅型、帯富めもトロピカル仕様をご用意……していたが、掃除に夢中になっていたら、もう出発20分前だった。さすがにこれから髪を結って化粧して着付けするのは無理。

そんな折、恩師から電話があった。年賀状の季節だなあ。ヨースケ先生(仮名)は大変元気そうで何よりだった。懐かしい声に、ものすごく嬉しくなっちゃった。

話が弾んで、気がついたらもう全く時間がなく、とりあえずトレーナーだけ着替えて、五分間メイクと帽子をかぶり、出かけることにした。駅まで走る。
小僧の優勝記念靴を買うために吉祥寺についたのだが、ばったりであったのがＭ家の人々。私が大好きな役員仲間の母友、お嬢にとっては大好きなクラスメイト、小僧にとっては憧れの先輩、という一家である。立ち話で別れたが、今年の終わりに大好きな人と会えたのは、嬉しいものである。

電車に乗り込んで、一路、宴会場の下北沢へ。隣に偶然居合わせたのがスタッフのバルさん(みくし名)。今年もテニスなどでお世話になりながら、ほとんど話す機会がなかったので、こんなチャンスが嬉しい。

下北沢に到着、雑貨屋さんの前を通ったら、「あっ！」。
久しぶりに「物」に呼ばれた。思い切り私の心をわしづかみにする腕時計、しかしこれは２０００年に吉祥寺で買った、とある作家さんの作品ではないか。私が一目ぼれしたその時計は、今、ベルトが壊れてしまっていて、以来鏡の前にただ飾ってあるだけになっている。吉祥寺の店はすでになかった。
「修理、承りますよ」
といわれて、すごく嬉しくなる。今日は出会いの日だ〜。

そして、下北沢で懐かしい人たちに会う。
みなさん、今年一年、無事で幸せで、いろいろあっても元気でよかった。
幹事さんとスタッフさんに感謝。とても嬉しくて嬉しくて、ああ大好きな人と一緒の時間はいいもんだなあと思う。一年に一回しか会えなくても、なんかとっても大好きな人だったり、じっくり話せて嬉しかったり、初対面で楽しい気持ちになっちゃう人とめぐりあえたり。「幸せ」って、こういうことだな。

二次会じゃないと会えない人がいると聞いて、二次会にものこのこと顔を出す。二次会は立食ではないし、ちょっとしたショー形式なので、動けないし、しゃべれないんだけれど、ちょっとしか会えなくても、会えてよかった〜と思える方たちと会えて、特に会いたかった二人と会えて、ハグして別れた。気の利いたことは何もいえなかったけど、私にはとても嬉しいハグだった。

というわけで、今日はやみくもに元気。大掃除もバリバリこなせるってもんだ。
「しかし、ゆう子の大掃除っていうのは、平成新山を片付けたとか、そういう普段の掃除なんじゃないのか？」
と、昨日忘年会でお会いしたいしかわじゅんさんに図星されて、あまりの図星ぶりに、さすがいしかわさんだ！すごい洞察力だ！　と嬉しくなっちゃったものだが、ええーっと、そうです。普通の人なら普通の掃除の領分です。
だから、一年間の汚れを、あと二日やそこらで何とかしようって方が無理だって。

でも、やっと、足の踏み場もないひどい散らかり具合から、ちょっと散らかってるねレベルに移行しつつある。相方はケモノミチを歩いてベッドに行かなければならなかったのが改善されて、年末に歓喜の歌である。
牛歩上等！来年は、あせらず、のんびり。

今年一年のご愛読、ありがとうございました。
鈴木みその｢銭」連載は終了しますが、｢万華鏡」と鈴木家のあれこれは続きます。
また来年もよろしくご愛顧のほど、お願い申し上げます。

2008年12月29日 14:29