乳児期に家畜の糞のそばにいると、細菌のおかげで、アレルギー体質ではなくなるというテレビを見た。
私の弟のお嫁さんが妊娠した時、飼っている猫を捨てなさいと騒ぐ神経質モード全開の両方の親たちに、ペットを飼っている家庭にはアレルギーが少ないのだというデータを提示して説得した記憶があるが、それもきっと細菌が関与しているのだろう。
孫が生まれたら、頻繁に牧場に行こう。
いや、孫誕生記念に、かねてより念願のロバを飼うのはどうだろう。一緒に遊べるし、すごくいいアイディアなんじゃないかしら。
と思って調べてみたら、ロバは300万円近くするのだった。
ヤギのほうが安いのだが、ヤギにいまひとつ思い入れがない。目が四角いし。
犬猫里親募集のサイトをぐるぐる巡る。里親という言葉を人以外に使わないでほしいという動きから、養子制度のあたりまで踏み込んで読んで、ああ、私はまた何かをお世話したい欲求に駆られているらしいと知る。小僧、めっきり手がかからなくなっちゃったからな。
小僧の学級ではザリガニ繁殖に成功したらしく、希望者はもらって帰れるという。
「おかあさん、赤ちゃんザリガニ、飼わない?」
「おお。そうか。君が全面的に世話するなら、飼っていいよ」
これは、母親としての通過儀礼なのである。子供が飼っていい?と言ったときこそチャンス。責任を持って命と向き合う、絶好のチャンス。
「夏のようにお母さんが全部やるのではなく、自分でお世話するんだよ」
チャンス、チャンス。しかも、毎日成長するザリガニを見られるなんてうれしい。名前はセバスチャンなんてどうだろう、明日早速スーパーバリューにいって箱を買わなくちゃなどと思いながら、ノリノリで小僧の目を覗き込むと、
「……じゃ、いいや」
なにーっっっっ!
「俺は世話できないし……ザリガニは犬と違って、一緒に散歩にも行けないしさ」
何か飼ってみたかったらしい。
私が稀代のザリガニ好きだと思っていたふしもある。
友達の家には犬や猫がいる。場合によっては小さな妹や弟がいるうちもある。
でも、自分で面倒を見るのは無理なんだな、まだ。
小僧がサッカーボールをめでるのは、お世話が楽だからかもしれない。散歩にも連れて行けるしな。
ところで、相方のへそは丸くて深い。
昨日、夕食後、上着をめくり、へその上に目をつけたら、子供たちが大喜びした。
腹を動かすと、本当に生きているようだ。また、そういうときの相方は実に面白い。無駄に面白い。
パクチーの葉っぱを食べさせてみたり、語り合ったり、食べ残したごぼうを貼り付けて眉毛に見立てたりして、家族で大笑いした。
アレルギー対策にも命の教育にもならないけど、まあ、いいか。
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