なんちゃって受験生でも、公立と私立を受ける以上、全く模擬試験を受けていないのはまずいのではないかと思い、申し込んでみた。
それだけでドッと疲れてしまう、私。
どうも、受験の臨戦態勢が苦手だ。私は中学受験に失敗しているから、これは逆にトラウマ克服のチャンスなんだが、どうも苦手意識が消せない。
日能研と四谷大塚は、受験生の偏差値がそもそも高いということなので、私立用の塾にいったことのないお嬢は、中堅校受験用の首都圏模試というやつにする。
本気受験組のお母さん友達からおすそ分けしてもらった、知識である。
お嬢の意思固く、今年は学校で自分的に八面六臂の大活躍。それが全体的にどう評価されるかはさておいて。
とりあえず一校だけ記念受検という話から始まったのだが、なんだか四月からこっち、とてつもない頑張りにほだされて、そのとんでもない競争率の学校は多分確実に落ちるわけで、がっくりした姿が(12歳の自分と重なって)忍びない。
その頑張りは中学で無駄にはならないというけれど、私は不合格だった瞬間にすべて終わった気がしたものなあ。中学で頑張る気力がなくなっていた。
ああ、二の舞はかわいそうだなあと思い、志望校よりもずっと施設のよい、あなたのやりたいことのできそうな学校も探してみました、と、素敵な私立を勧めてみる、親心。
私の親しい友人複数が、その素敵な学校を母校としている。
そして、彼、彼女ら、みんな、実に幸せな人生を創っているのである。うん、ココならバッチリだ。
予め見学してみると、私が通いたいぐらい楽しそうなところでだったので、学校説明会と体験授業を申し込み、お嬢の手ごたえもバッチリだった。
よし、では第一志望をここに♪
「いや、受検はするよ〜。ダメ元でも」
「え。そうなの? 決めちゃえばいいのに。そういえば、まだこの公立の学校説明会に行ってないけど、いいの?面倒だから、私立単願で行こうよ」(ほくほく)
「いや、受検するんだって。しまった、説明会!」
大慌てでお嬢と一緒にチェックすると、すでに日程は、最終説明会の告知。
しまったぁ! うわーしかもこの日、私はすでに予定が! もうこの際、私立一本で……ともみ手で迫るも、お嬢、全く動じず。
「じゃあ、私一人で説明会にいってくるよ。ただ、お母さん知らないみたいだから、一応いっておくね。私立のほうだけど、学校説明会も、体験授業も、子どもひとりというのは私だけだった」
え。そういうものなの?
と受験に疎い私。
「うん。でもまあ、それなりにアピールにはなったと思う」
えーっと、えーっと。
あわてて本気受験のママ友に伺ってみると、子ども一人で来ているというのは、見たことがないという。
まあ、私も受験した日が初めてその学校に行った日だったわけだし、中学も高校も大学も。ふふん、学校なんてそんなもんよね。
と自己肯定しようとしたんだけれど……だから落ちたんだ、だから中退したんだと、人任せにした適当な学校選びで、台無しにしてしまった思春期は肯定のしようがない。
高校は自分で選んだだけに三年間楽園だったものの、最終的に周りの大人がバカだと子どもは苦労するというのを痛感した大学選択だったわけで、ホント、低能だった自分をさいなむ。
失敗なんか、いくらでもやり直しがきくというのを身を持って体験しているけれど、その失敗が親のせいでは申し訳ないのではないか。せっかくお嬢が本気になっているんだもの、応援せずになんの母親ぞ!
というわけで、心を入れ替えた。
万障やりくりし、とりあえず学校説明会などにも行こう。
公立もうひとつ、私立ももうひとつ。
模試では問題解説もちゃんと聞いてきます。おかん、がんばるよ。……今更だけど。
小学校受験は親の、中学受験は親子の受験といわれる理由が、この期に及んでわかってきた。ただ、我が家の二人三脚は娘の脚力にかかっているようなので、せいぜい邪魔しないようにするのが関の山なのかなあ。
当てにならない親で、ホントにすまん! お嬢。
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