音楽の英才教育を施している友達と話していて
「どこも同じような世界なんだね」
という話になる。
「少年サッカーのセレクションって、受験みたいだ」
とも言われた。
目指す音大付属、各種コンクール、毎日の練習。
目指す御三家、塾通い、毎日の予習復習。
目指すJリーグ下部組織、スクールで研鑽、毎日の自主トレ。
……最近の子どもは、大変だ。
競争率だけでいったら、受験より過酷かもしれないサッカー少年。
小3の2月、まず第一関門はクラブチームのセレクションだ。
激戦を勝ち抜いてチームに入っても、今度はポジション争いとレギュラー争いがまっている。
中学はジュニアユースというが、そのときにもまた、試験と選抜を覚悟しなければならない。
もちろん、合格を手にしたら、ポジション争いとレギュラー争いが始まる。
中学を出てユースと呼ばれる高校時代には、クラブチームの門戸はさらに狭まる。
同時に、高校サッカーという選択肢が出てくるが、サッカーの有名な高校に行くには、やはり選抜がつきまとう。ここでも、ポジション争いとレギュラー争いだ。
三年間打ち込んだ後、チャンスをつかめば、Jか大学か、あるいは、その他の進路か。
幼稚園の時には「将来の夢はJリーガーです」と無邪気にいえたが、描く夢を実現させるためには激戦をかいくぐって、常に勝者であり続けなければならない。
いつ夢を諦めるのか、サッカーのキャリアが増えれば増えるほど、痛みは大きくなりそうだ。
そう思うと、タイトルをもっているたくさんの選手達を、私は心から尊敬する。
現在過去未来において、サッカーで食べていようがいまいが、サッカーを愛する魂を埋め込まれた戦士達を、本当に美しいと思う。
サッカーは人生の縮図とはいっても、本気であればあるだけ、過酷な世界に突入するんだなあと、最近先輩達を見ていてつくづく思う。
サッカーではなくても、競争は否めないし、生きるということはそれだけで過酷なのかもしれないが。
まだ二年生の息子は、ひたすら楽しくサッカーをする日々。
練習試合でシュートを決めてもはずしても、実に楽しそうに笑っている。その周りにはいつもサッカーボール一個で友達になった仲間がいる。
二年生の今が多分、利害も競争もなく、、一番楽しいときなんだろうな。
一年半後、小僧は少年団に残るのか、チームセレクションを受けるのか、岐路に立たされる。
それまでは、とにかく楽しく走っていればいいと思うよ、子犬がフリスビーを追っかけるみたいにね。
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