2008年05月07日

末は博士か大臣か。

サッカーわざトレブック
という本が、今手元にある。全四ページ、著者は小僧である。
かたあしだちくん
というゆるキャラが「これからおまえを　サッカーマン　とよぶゾ。がんばれよ」
と、最初に励ましてくれる。
かたあしだちくんは随所に登場して、
「ケガに気をつけてわざをみがいて」などと言う。そして、ゆるキャラなのに、必死の形相で、�　銑イ泙婆隶�で展開して、技を披露する。ボールの行方のキャプションつきだ。
最終テクニック４のアウトサイド>かかと上げ>トラップのコツ解説は、「ボールがくるまでにたいせいをたてなおすこと。そうしないとしっぱいするはずだ。さいごまでちゃんとやる」と記載されている。
アンケートまでついた豪華ホチキス止め。
小僧の「小学生箱」に入れておこう。これは永久保存版だ。

二ヶ月前に作った文集に載ったイラストは、クラスで一人だけ棒人間だった。
サッカー選手を描くとき以外は、サッカーの四角いフィールドに戦略盤のように棒人間を配置する絵しか描かない。ほかの課題の時にも、サッカーのフィールドから離れない。サッカーの選手だと、大きく人型に描けるのだが、よほど興が乗らないとこのパターン=人型では描かないのだった。
学校に張り出されている絵も、参観日のたびに目を覆いたくなった。彼には文学的な面白いひらめきはあっても、絵は描けないのだと思っていた。
それが、なかなかどうして、いいキャラだ。
最近の福助は、放っておくと本を書いている。公文の宿題を終えるとその勢いで、落書き三昧だ。
イラストと文章の融合したもので、才能はたいしたことがないけれども、落書きとして見ている分には大人には十分、面白い。おそらく、ゲーム攻略本の影響なのだろう。ありがとう、攻略本を書く人！
まあ、全部サッカーがらみという執着もどうなのかとは思うのだが、母親が今、そもそも少年サッカーしか興味がないような生活を送っているのだから、仕方ないかもしれない。
突然階段をかこーんと上がるように、できるようになる。
それが、彼の特徴なんだろうなあ。
ある日突然、また全然違う興味が、サッカーとテレビゲームとカタログ見る以外の興味がね、わいてくるのかもしれない。子どもって、可能性のかたまりだった。忘れてた。
小学校時代に漫画を描いていた相方は漫画家になり、小学生時代にクラスで雑誌を発行していた私はライターになった。サッカーぱかりしている小僧は当然サッカーにまつわる仕事を選ぶとばかり思っていたが、しかし考えてみると、私の小学生時代は、ゴムとびや石蹴りや馬乗りやドッヂボールに費やした時間もハンパではないのだった。特に放課後のドッジボールは命がけで燃えていたんだぜ！
その後のことを思い出したって、何になるかなんて、まだぜーんぜんわからない。
子ども時代の経験は、確かに将来に花開く種だけど、どれが花開くかつぼみのまま立ち枯れるか、そんなのホントに時間がたってみなければわからない。
それでも、ひとつだけわかっていることは、大人になるということ。
ただ、ただ、立派な大人になってくれたらいいと思うよ。
何になるか、が大事なんじゃなく、自尊心をもって、楽しい人生を送る大人になることが、一番大事だ。

さて、私も立派な大人のはしくれとして、いろいろ頑張りましょう。……立派、なのか？　いや、そこは深追いしないで。


2008年05月07日 01:00