実は、処女でした。ビーナスフォート。
って、40過ぎのおばちゃんが処女なんて言葉を使っちゃあいけないね。
ま、姪二人と娘と息子、子ども四人連れなので、平均年齢は低い。
姪達が「買い物をしたい」というので、お台場の方へ。
面白かったし涼しかったし楽しかった。
価格がちとから商店街よりぐぐっと高く設定してあるのは、あの海外旅行に行ったかのような雰囲気代も入っているからなので、問題はない。しかし、同じ商品が店によって700円と300円と100円だったのにはビックリした。
まあ、アフリカのなんとかという部族のまじない入りとか、タイの少数民族の、みたいなふれこみ分があるのだと思う。どう見ても同じ物だが出身地が違うのは、きっとヨーロピアンが韓国人と日本人の区別がつけられない感覚に近いのだろう。私だって、ロシア人とアメリカ人の区別はつかない。ええーっと、100円のには効能も何も書かれていなかったしいかにも売れ残り風だったし(ちょっと悔しまぎれ)、色も選べなかったから、いいんだもーん。
その価格で買うと決めたんだから、あとで安くても泣かないのが大人である。
で、いっぱいお買い物しました。そういう、ちまちましたものばっかり。
で、そんなものを自宅で家事を仕切ってくれている姉や、田舎で家事を仕切ってくれている義母や、遠慮深すぎて何も買ってあげられない子ども達に、おみやげとして買った。昨日、ナイキの帽子を買ってなくしたショックに比べれば、全部落としてしまったところで、まだ安い!! しかも、数在れば、たとえいくつかはなくしてしまっても一個二個は必ず残るのである。……ひどい保険のかけ方だな。
それにしても、あの交通費だけは何とかならないんだろうか。往復で一人1400円を超えるのは、レジャーとして負けた気がする。
駐車料金、昨日吉祥寺でわずか3時間弱とめただけで2100円だったためにビビってしまったのだが、ビーナスフォートもパレットタウンも、よくよく見ると大変に好意的な設定であった。五人で行くなら車が正解だったのかも知れない。車での行き方がわからないことは、この際問題ではない。運転が下手なことも。
ゆりかもめは無人で外が見える分、なんとなく観光の一部な気がして片道300円以上の切符も許せたけれど、りんかい線は手間(大崎で改札出て切符買い直し/ホームが二つあってどちらが先行しているか慣れるまでわからない)がかかる割に、あまりに普通すぎる乗り心地で。
その上、いつから日本は観光産業を捨ててしまったんだろうなあと思うぐらい、都心のどの駅員さんも無愛想だ。かつて日本は、ホスピタリティーに関しては他国の追随を赦さない、「よそ者には大変親切」という習慣を持っていたのに。
帰りのへとへとゆりかもめで、かっこいいおにいさんに席を譲られて「東京もまんざらすてたものではないなあ」と思い直したものの、向かい合わせのイスに腰掛けていたデブ一人は大きくふくらんでいぎたなく寝こけているし、もう一人は携帯で今どこかを電話し続けて報告しており、しかも二人ともでっかいバッグと大人げないアニメのグッズは福助の足下に散乱していても平然としていて、旅の恥はかきすてといえども、子どもをこんな大人、もとい、体だけが大きなガキには育てたくないなと思った。
福助は、こっちじゃなくて、席を譲ってくれた男前の方になるのだよと思いながら、船をこぐ小僧を抱く。
ああ、口うるさいババアでいやだな。
大きいガキと巡り会ったのは帰りの電車だから、彼らにかまうほど余力は残っていなかったが、まだ余力だらけだったお昼のレストランでは、食器で遊んでいた小僧がいたので「ダメだよ、みんなで使うんだからね、触らないよ」と優しく言い、金髪の母親にマスカラ目で睨まれてみたりもしたし。
口うるさいよなあ。うん。わかってんだよ。
この国の道徳のなさみたいなことに、どうにもいらだち始めたら、きっとそれは老化なんだろう。
それでもゴキゲンが治ったのは、姪達から可愛い星形のピアスをサプライズブレゼントされたおかげだ。突然気持が若くなる。まだこんな可愛いピアスをしてもいいんだよな。可愛い、可愛い!! 単純だけれど、これはうれしかったんだ、本当に。
シルバーのピアスをすぐに装着しながら、あの小さかった子ども達がそういう気配りのできるまでに成長したことに感動して目頭が熱くなった。そういえば昔おばあちゃんに何かあげるたびによく泣いていたなあと思い出し、また複雑な気持ちになったが。
もう、おばあちゃんと呼ばれる準備が始まっている気がする。43歳で徳川家康に嫁いだ旭より、一歳年下なのだから老け込むのは早すぎると、さっき大河ドラマをみていて思ったのだけれど。
花火大会目当ての客とは反対方向、夕方には帰宅。電車の中はほぼ座れて比較的楽な道中だったのに、一日中歩いたせいか、帰宅して座った途端に動けなくなりビックリ。楽しい時間にはしゃきしゃき歩けるのに、テンションが落ちたら途端に廃人だ。このスイッチ、調光出来ずにオンとオフだけ。何とかならないものか。
要は運動不足なのだ。もうちょっとコンスタントに運動しないとね。観光で都内歩いただけで息が切れてるようじゃ、立派なおばちゃんにはなれないわよと思う。
ひとつ、おばちゃんはタフであるべし。あるべし。あるべし。
ところで、お買い物三昧のこの二日と対照的だった、P子の頑張り留学談に、今ひとつ筆が乗らないのは、実は理由がある。
彼女が持ち帰ったビデオを見て、そのワークショップのあまりのハードさと、発表会での信じられないほどの台詞の量から推測する必死さを見て、私はもう涙が止まらなかったのだが、相方も義姉も姪達もなんというか、見ていても淡々としていて、特に感動はなかったのよね……。
焼きたてのホヤホヤビデオでも、別に「ふうーん」なわけだから、これを文章でどう表現していいのか正直、わからなくなってしまったの。
娘はホームステイしながら、サマースクールに演劇のワークショップを選んだ。
そこでなぜか異例の抜擢をされ、その期待に応えるべく、毎晩11時過ぎまでホストマザーをつかまえて特訓したという。そしてできあがった彼女のパフォーマンスは、思い切りグレーテルになりきっていて、遺伝子的にはとても兄妹とは思えない濃い外国人顔のヘンゼルと、DVDの中ではちゃんと英語で語り合っていた……、そうか、アレ見ても、普通は泣かないのかと思った。ま、芝居そのものは、下手だからなあ……、って、ソコじゃないんだよな。
私の一族は血液型全種類型という、感情が激昂しやすくハワイのビッグウェンズデーのような人たち揃いで、そういう意味では日本人離れしたラテン系なガテン系涙もろい系時々暑苦しい系なのだが、相方の家は全員O型で性格は温厚、瀬戸内海の凪のような人たちばかりなのだ。で、多分日本人としては相方タイプの方が多数派のように思えてしまい、アメリカかぶれ娘の話など、どう表現したところで……と思うのだった。
娘は、帰国後開口一番、「ごめんお母さんの分のおみやげがないの」と言った。買い物に行く暇がなかったのだという。もちろん、自分の分のおみやげも、すっかり忘れていた。
帰りに寄ったディズニーランドでは義理ある人達に買うのが精一杯だったらしい。弟のおみやげを包んでいた「50年アニバーサリー」と印刷されたビニール袋があるから私はいいわと笑う。LAのお友達にもらった小さなぬいぐるみも手荷物で大事に持ってきた、あとはホストファミリーから贈られたネックレスもある、これで充分。欲しい物なんか探すヒマがなかったんだもん、という。
欲しい物を探すヒマがなかったって、一体どんな毎日?
お金はほとんど使わなかったってこと? ときくと、
「いっぱい余っているけど、ホストファミリーの人たちに最後にプレゼントを買ったから、それで使ったんだ、写真立てを贈ったの。すっごく喜んでもらえたんだよ!! 」
と誇らしげにP子が言った瞬間、リムジンバスで私は不覚にも涙ぐんでしまった。自分の買い物はしないで、君はプレゼントを選んでいたのか。それはきっと、とても喜んでもらえただろう。
けどさ、お前、自分は?
いくらなんでも、自分のは?
「……いらないんだよねぇ。台本あるし。それが一番の宝物だからさ」
その台本が真っ赤になっているのを見て私は二度涙ぐみ、DVDを見てその台詞量に鳥肌が立った。そしてP子が眠った後にゆっくり号泣した、彼女は、すごい物を持って帰ってきたんだ!!と、思った。
……でも、そんなことに震えちゃうのは、あまりポピュラーではないのかもしれない。
何しろすぐに涙腺が決壊する昨今、泣いているのは私だけだと思う。でも、泣かせてね。ごーうごう、号泣。
帰国後、すぐにいとこたちがきてゆっくり反芻する時間もなかったP子が、明日からどんな回想を始めるのか、これからが楽しみだ。夏休みの研究も、コレだと言うし。
さて、来週からは通常営業に、ちょっとばかりの書き仕事が入って、また忙しくなりそうだ。
頑張っていこう!! おかあさん。
私の頑張りなど、サンタモニカでのP子に比べたらなんでもないんだからさ。
って、……そういう勇気がね、私へのおみやげなんだよ、P子。よい買い物をさせてもらった。本当に、ありがとうね。
うーん、いいお土産だったなあ。使っても使っても一生なくならないし。
えらいぞP子、薄い顔で頑張ったな。
オタクの人は確かに困った人多いですよね(苦笑
コミケと呼ばれるイベントにはオタク14万人が集合したと聞いて、
思わずゾッとしましたよ。日本は大丈夫なのか!?
いしかわさーん
ありがとうございますぅぅぅ。薄い顔、薄いがゆえに、怖いぐらい目立ってました!!
アン子さん
どちらかというとおたくフェチな私としては、当然、全部が全部、困ったもんだとは思ってはいないのです。あの日はコミケの日だったと後で知り、いみじくもオタクの人たちと乗り合わせた満員電車だったのねと思い至りましたが、そうやって考えると席を譲ってくれたかっこいい殿方もバックパックしょってアキバ系のカッコしていたから、多分……。マナーのイイ人もいれば悪い人もいる、たまたま私の前に座ったオタクはマナー違反で、私に席を譲ってくれたオタクは親切だったという事だけの話ですね。
14万人って、コミケにそんなに!? と素人としては驚きますが、あれもまたお祭りの一種なんだと聞きました。あの日は大江戸花火大会で、姪が「東京の人はなんで浴衣来て歩くんだ?」と驚いていたのと同様、外部の人にはわからない楽しみ方もあるのでしょう。そして、お祭りは楽しんだ者勝ちだと思います。相方に白い目で見られつつ、毎年ガテンなコスプレで御輿を担ぎに行く私としてはね(笑)。
日本は全然大丈夫ですよ。うん、あんまり根拠はないけど(笑)
P子ちゃんのお土産.目頭が熱くなりました.
ところで,私は11,12日の2日間コミケに行っておりました.13日は一番男性オタクの参加率が高く,危険な日といえるでしょう.14万人というのはおそらく,1日あたりということだと思うので,3日間あわせると….
コミケ帰り,ゆりかもめに乗るたび「お台場観光の家族連れの皆様,ごめんなさい」と大変恐縮した気持ちになっております.
ちなみにりんかい線は埼京線から乗り入れしてますので新宿駅から乗り換えナシでお台場にたどり着くことが出来ますよ.(鈴木家からだと,新宿乗換えかな?と勝手に想像)
もし,次にお台場に行くことがあれば味気ないかもしれませんが,試してみてくださいませ.
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