万華鏡

負けるもんか。

馬鹿な出会いは利口に化けると、よせばいいのに一目惚れと歌われていたが、善意の意見が人づてで化けると、よせばいいのに尾ひれがついて、地味〜な悪意がイヤな感じで伝わってくる。これが女の社会なのね。
ああ、実に浪花節だな、人生は。
悪意っていうのはなんだろう、こう、ものすごい負のエネルギーでぶつかってくるから、へこむね。ものすごい、へこむ。
ま、へこんだものはね、何とか元に戻すしかない。
そこはそれ、人間捨てたもんじゃないっていうか、善意の人たちもいっぱいいるわけだから、そういう「善意浴」みたいなね、こう、浴びるほどの善意ってんですか、そういうのでね、癒されたい。癒すって、実に、そういうことなのかもしれない。安心、とか、安全、とか、こう「真っ裸でいても俺は俺で大丈夫」っていう感覚こそが、真の癒しなのかもなと思う。
悪意はやっぱり、それで命とられるワケじゃないとわかってはいても、負のエネルギーは命の危機につながっているから、フルチンで歩くワケにはいかなくなるわ。まあ、私にはそんなもんはついてないですけど、脂肪のたっぷりついた腹をフルフルさせて歩いていて、刺されたって内臓には簡単に到達しないだろうから命に別状はないだろうけどさ、まあ、刺されりゃ痛いわよね。痛いのはイヤだ。
けどまあ、一方で、それはそれでいい経験かもなって気もしてるんだ。
いい経験、という時に本当にいい経験はなくて、たいていイヤな経験をさすもんだけど、そういうイヤな経験もスパイスといえばスパイス。愚痴ったり笑い飛ばしたり、味方同士を確認したり、一人でがくっと落ち込んでみたり。いずれにせよ、そういう感情の揺れみたいなのは、きっと「今しか」できない経験のような気がする。あと10年たったら、PTAも終わってるし。そのときに、あー私はこんなイヤな思いもしたけど、ちゃんと生き残ったし。と、生命力の強さをちゃんと知る手がかりになるよね。
……。
今までだって、イヤなことはいっぱいあったもんな。こんなこと、屁でもないや。BOO!　思いっきり、ブーイングして、そうやって自分の経験値にしていけばよし!!　強くなるために、敵キャラ上等だ。
それでも相手をやっつけられないぐらい傷んじゃった時には、傷が癒えるまでゆっくり眠ろう。
幸い、今日は雪だし。
雪かきして疲れた体に、ホットワインでも飲んで、一息ついたらまた雪かきして。
幸い、雪かきすべき雪に充ち満ちているそ、今日の東京。
すべての傷んでいる人に、優しい雪だ。
どんな雑音もしんしんと降る雪にかき消されていくように、私の心の中の雑音も消えちゃえばいいと思うよ。