2006年01月03日

全国で一位の女

私は今、この瞬間だけ、日本で一位の女である。
通信カラオケのDAMで歌い初めをして、今日は全国ランキングに打って出たのだが、「地上の星」(中島みゆき)で96点、堂々一位、グロリアU子さん(mixiのハンドルネームだ)。激戦区での一位は本気で嬉しい。
「タイガー&ドラゴン」(クレイジーケンバンド)でも第1位。ゴールドフィンガー99、息子、釜山港へ帰れ、あとはまあいいやマイナーな曲だから、などでも、ちまちま第1位をとり、新春から反っくり返って帰宅したのだった。ふふん(鼻息ぷーん)。
ああ、いい気になってます。案外、のど、鍛えてます。
こんな世界があったなんて(うっとり)。日本一だよ〜。
なにしろ、まだ三が日だから、この先28日間で私を乗り越えていく者は後を絶たないのだろうが、(あはは)、そのためにマイナー曲を仕込んでおいたのだからワシも策士よのぅ、ふぉーっふぉっふぉっ。そして、フォーッ!! (腰、腰)。
新曲が歌えないのは悔しいな。美空ひばりの楽曲には必ず50代が立ちはだかっているぞ。明菜ちゃんの曲は、今度は勝負曲「げらげらばにら」(※タイトルど忘れ)でいこう。見ていろよ、全国の40代。
などと、己に対しても、見えない敵に対しても、熱くなるのだった。
7位とか15位とか中途半端なランクインが真剣に悔しかったり、100位以内に入らない撃沈の「雪の華」なんてのもあるにはあったんだが、私はイヤなことはすぐに見えなくなるの。最高点は97点だよ、もうデビューしちゃおうかな、とはしゃぐ母に、冷たいP子(最高93点)の視線。一曲だけ歌ってあとはムシキングカードを眺め続けた「ドラえもん」全国7位の息子は「もう帰ろうよお母さん」と言い続けていた気がするけれど、それでも、楽しかったからいいよね。

実は、おかあさんは親戚が集まるお正月にはいつだってみんなの前で歌を歌って、親戚には歌手になれと言われてたんだよ。と、昨日の夜、娘に語っていたのだった。
もちろん、相方も村一番の歌い手だったという話をして、なんだかお正月はやっぱ歌だよね。と深夜に酒をかっくらいながら怪気炎を上げる父と母。
「じゃあ何でおかあさんは芸能界にいこうと思わなかったの? 」
と、無邪気に娘が問う。それはね……
「わかった!!……顔でしょ?」
ちゅどーん。
あんまりな言いぐさに、母の乙女心はドブにはまったのよね。
ああ、そうだよ。
おかあさんの目がもうちょっと大きくて、お母さんの鼻がもうちょっと丸くなくて、おかあさんの唇がもうちょっと官能的だったら、きっと芸能界に行っていただろうよ。ふん。顔、そっくりなくせに。と、大人げなく思った。

そんな日の翌日だっただけに、なんとなく面目役如で嬉しさ倍増。
不細工だってデブだってグロリア(映画マダガスカルのカバ)だって、全国一位ですわよ。
……っていうか、演劇部出身は腹式呼吸ができてるから、カラオケには有利なのね。全国の、隠れ演劇部出身者よ、今こそ脚光を浴びるチャンス来たり。
「おかあさん、あんまり自慢してると嫌われるよ」
と帰路、娘にアドバイスされたため、本日はこれにて。
でも、今日だけは私を、全国一位の女と呼んで、ひれ伏してね。

2006年01月03日 20:24
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