万華鏡

若い頃の自分に

毎日予定が3つ以上ある日々、というのはとても充実感があるが、疲労感もまた。
専業主婦の毎日は、もっと穏やかにたおやかに、いっそ優雅に過ぎていくと思っていたのだが。

最近、万華鏡はご来訪者がひと頃の半分になっている。
ああつまんないんだろうか、ここんとこ愚痴っぽいしなあ、更年期ネタも多いしなあ、そんなババアの繰り言につきあわせちゃいけないよなあ、いやいや、忙しがるばっかりで可愛い子ども達の観察もできていないし、ここらで、てこ入れしないと。
……しかしそれはまた、何のために?　と哲学レベルに疑問を引き上げてしまえば、そこでフリーズする。それを知っているから、どんどん物事を高次元にあげていき、考えなくてすむように言い訳するんだ。
卑怯者めっ。と、自分を叱ってみる。いつからあんたはそんな子になっちゃったの?
……ずーっと、卑怯者だった気さえしてくる。ううう、疲れ切ってるときは後ろ向き。
「考えないとなあ」「やらないとなあ」……そんな気弱な思考の終着駅になるコトバを吐いているようじゃダメだ。「やるときはやる」のだ。
「やれ! 」to　オレ。

で、とりあえず一ヶ月後のシンガポールが確定したので、英語の教材を引っ張り出してみた。
て、驚く。
「プライムミニスター・たけし〜た」って……いつの時代?　　ウォークマンの広告ばっかりだし。
若い頃はコツコツお勉強したんだなあと、あの頃の必死さを思い出した。
若さの傲慢は自分が弱くなったときに己に突き刺さる形でちゃんとツケになっているんだと思ったばかりだが、若い頃、とても頑張ったという記憶もまた、ちゃんと自分に恩返ししてくれるんだなあ。過去の、真摯だった自分に励まされる想いがした。
案外、思い描いていた通りの感じで、いいオバチャンに成長してるじゃないの。体重だけが想定外だったけど。

さあ、やろう。ひとつひとつ。いろんなこと。
私がかじってしまった、おもしろそうな、おいしそうな、いろんなこと。