万華鏡

老い支度にはまだ早い

ずっと楽しみにしていた女の一代記シリーズ(フジテレビ系列21時〜)が始まった。
ドラマをオンタイムでじっくり見るなんて久しぶりでワクワク。しかも、昨日は「瀬戸内寂聴」。大好きな阿部寛も出るし!!
……見終わって、まずまず満足だったけれど、風俗とか着付けとか、そんな「人」以外の小物が気になってしょうがなくなっていた自分に気づく。しかも、あ。阿部ちゃんのカツラのヘアピンが。とか、宮沢りえちゃんのヌーブラが。うわ、足が細すぎてちょっと怖い。とか、ものすごぉーくどうでもいい、気づいてはいけないところばかり飛び込んでくる。ストーリーそっちのけで。
なんで?　なんで?　
トシをとると人は些細なことばかり目にはいるようになるのだろうか。「ゆうこさん、この障子の桟の埃は何ざますか」(指でつぃーっとな)とか言っちゃうのは、その仕業??? 　いや、聞いたことがないなあ。
今日の「越路吹雪」は天海祐希。さて、どうだろう。

ここのところ二時間じっくりテレビを見ることがない。
「24」もパート2はまだ手をつけていない。
連続ドラマも、「エンジン」(月九/木村拓哉主演)を最後に見ていない。
ニュースもワイドショーも見ていないし新聞だって読んでいない。
テニスもやらなくなって久しい。
家事もたまり放題だ。
じゃあ何をやっているのかというと、多分パソコンにその時間を捧げている気がする。
でも、実は目がつらくなってきている。おそらくここから徐々に縮小の方向へ向かうだろう。
その分をもうちょっと仕事に費やさないと。
書き直し分がまるで進んでいない。一度やる気をなくした仕事はリカバリーが難しい。こういうダメージも年いってからだと案外つらいのねと知る。

若いときは時間と体力が無尽蔵にあったんだなあと思う。
ドラマも芝居も映画も新刊もチェック。その上仕事して、カラオケして、おいしいお店に食べに行き、行きつけの飲み屋で飲み、ちゃんとお化粧して、毎日髪と肌を手入れして、時々エステにも行って。
今思うと、もうまるっきりそんなエネルギーがないわ。
「人生半分まで来たら、もうあとは今まで広げてきた分をしまうだけですから」
とある人に言われてそういうものかと思ったけど、隠居生活に入るには悟りと覚悟と貯金が足りない。
今朝、姿見で無意識に立つ自分を見て、あまりに猫背なのに驚いた。老け込んで見える。
もうちょっと悪あがきするエネルギーが私に残っているか。と、自問自答。
うーん、ばたばた走りまわった反動なのか、疲れが出てきたのか、今日の私は凪である。
このまま心穏やかに静かに、生活して行きたい気もする。
答えは出ないが、どりあえず背筋をしゃきっと伸ばして生活してみようと思う。

ママ友がねんざしたので、代理母を買って出た。
そこの子が実に面白い。福助よりずっとチョロ助なので、愛しのダーリンを追うかのようにずーっと目で探し続けて、グランドや道の中心で愛を叫びつつ、やはり私も彼を捕まえるために走り続けなければならないのだ。
昨日30分かけてストップと言われたら止まれを特訓したけどな。人んちの子だが、容赦はしないのだ。
こんな風に、チビを抱えている以上、ゆったりした生活にはほど遠い気もしてきた。
今日は久しぶりにテニスにもいってみようと思っているわけだし、なぁんだ、結局のんびりしたのはこの朝の秘密のひとときだけですよ。
さあ、暖機運転終了。今日も、エンジン全開で、いくぜいくぜ。
背筋ピーン。OK!
口角きゅっとあげて。OK!
触覚も感度良好。……そんなものは、ない。

2005年11月25日 08:28